大手家電メーカーも参入!検査済み再生家電。
最近、大手家電メーカーも参入し始めて注目されている「検査済み再生家電」の販売。「リファービッシュ品」と呼ばれるもので、いわゆる中古品とはちょっと違うんです。
パナソニック・ファクトリーリフレッシュ!人気です!
どう違うのか?去年の春から販売を本格的に始めた、パナソニックマーケティングジャパン株式会社の会田洋介さんにお話を伺いました。
パナソニックマーケティングジャパン株式会社の会田洋介さん
「パナソニック・ファクトリーリフレッシュというブランド名で、初期不良返品や店頭展示品、あとは定額利用サービス、サブスクなどで、弊社に戻ってきた家電を再生工場で再生をして、メーカーの品質保証をした上で、だいたい市場価格の2割5分引きとか3割引きくらいで、再販売する仕組みとなっております。
今の展開している商品では、キズの場所、何個までとか何センチまでとか、選定基準というのを決めて、さらにメーカーとしては、使用時間、回数、外観内観、製造年数、臭い、その五つの項目を総合的に判断して展開させていただいております。
あの~結構きれいという形で、私も見たことあるんですけども、ホントにきれいでですね、これが再生品かというくらいのですね、出来映えと言いますか、商品になっておりまして、おかげさまで、洗濯機は出したらすぐに売れてしまうと、もう数分とかそういうレベルで売れてしまうという形で、非常にご好評いただいております。」
メーカーが自分たちで再生した商品なのです。
今まで、こうした初期不良品や店頭展示品は、使える部品だけを回収して廃棄していました。しかし、メーカーとしてはまだまだ使えるものなのにもったいない!と思い、始めた取組み。
現在、このファクトリーリフレッシュで扱っているのは、洗濯機、テレビ、冷蔵庫、ブルーレイレコーダー、ポータブルテレビ、カメラ、レンジ、炊飯器。そして、家電のサブスクで使われていた商品の中では、食洗器とドライヤー。合わせて10カテゴリー。これらを自社や関連の工場で再生し、再生家電として販売しています。
それにしても、2割5分~3割という割引きは魅力的。特に洗濯機は、最上位機種だと40万くらいするものが、20~25万くらいで買えるとあって、再生品を出すと売れる!という人気ぶり。(購入は、パナソニック・ファクトリーリフレッシュの公式通販ページからのみ、となります。)
(ファクトリーリフレッシュの洗濯機のフィルター部分。新品にしか見えない綺麗さでびっくり!)
(ファクトリーリフレッシュの商品には、このような表示があります!)
こうした検査済み再生家電の取組みは、日立製作所でも始めていますし、オフィス機器の分野でも、セイコーエプソンの販売子会社なども取り組んでおり、少しずつ、私たちに身近になってきているようです。
メーカーによる再生品、みなさんのご意見は!?
では、実際、街の方々は、こうした再生品についてどう思うのか。聞いてみました。
・「ありがたく買わせてもらうと思います、私は。同等の品質で安い、で、もう直ってるっていう前提なんで安心して使えるっていうところですね。ありがたいと思います、そういう方が。」
・「新品の方がいいですね。気持ち的な問題じゃないですかね~。う~ん、別に人が使ったものがイヤだってわけじゃないんですけど、やっぱどうしても新しい方がいいかなって気はするんですよね。」
・「新品買いますね、私だったら。初期不良だったのもあるんで、また壊れる可能性も高いかなっていうのも、ちょっとありますね。」
・「家電は経験がないんですけど、パソコンは会社でいくつかリフレッシュ品だとか色々使った中で、あんまり抵抗はない、長く使えるっていう、うん。ただ、iPadだとリフレッシュ品って壊れやすいなってイメージがあるので、モノによるかなっていう。そうですね、パソコンとかiPadとかは、実際それを、担当として購入してたことがあるので、何台も使ってみてってことですね。
ただ、家電だと、それが良いのか悪いのかっていうのが、そういう情報も無いので、ちょっとまだ、分からないなって感じですかね。」
フリマアプリの普及もあり、新品にこだわらない土壌はできている感じはありました。しかも、メーカーが直接リフレッシュして、保証も付く、加えてお値段は手頃ということでウエルカムな人は多かったです。
ただ、逆に、やっぱり初期不良だったのなら、またいつか故障しちゃいそう、とか、とにかく気分的に新品がいい、と言う方も同じくらいいました。
そして、最後の方のように、会社でパソコンやiPadの再生品を使った経験から、どうも再生に向くものと向かないものがある気がするので、家電はもうしばらく様子見、という方もいて、本当にみなさん、それぞれ。
むしろ、今の時代ならアリなのでは!?
ただ、こんな家電好きの意見もありました。
・「若いころはこだわってたので、機械に。なので、例えばオーディオとかビデオとか、そういうのはやっぱり新品じゃないとっていう、そのリフレッシュ品みたいなのは絶対ヤダって思ってたんですけど、もう、なんて言うんでしょうね、最近はデジタル化されてから、そんなに製品にバラつきが無いっていうか、昔はホントにバラつきがあったと思うんですよ。
個体の差があって、ちょっと使ってみてダメだなとか、これはちょっと満足できないなとか、例えば音質がダメだとか、画像がちょっとノイズがあるとかっていうことが、もうそんなになくなって来てるので、まあどれ買ってもそんなに差が無いっていう風に思うので、ちゃんとリフレッシュしてれば、問題ないかなっていう、まあ今の時代ならそう感じるとこですね。」
昔は、同じメーカーの同じ機種でも一台一台に個体差があったので、再生品には抵抗があったが、今はそうしたバラつきはほとんどないから、むしろ今ならアリなのでは?と。
パナソニックの会田さんは、ファクトリーリフレッシュの商品は、戻り品ありき。つまり、あんまりあっても困る話でもあるし、工場をフル稼働してどんどん製造もできない。欲しい時にいつでもあるわけではないのが難点だ、と話していましたが、今後は、さらに扱う製品を増やすなど、広げていきたいということでした。
まだまだ、走り始めたばかりの取組み。それぞれの好みで、どう利用するか、になりますが、我々消費者にとって、より自分の買いたい条件に合ったものを選ぶことができる選択肢が増えるのはいいことですね。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:近堂かおり)