【2025年最新】湘南の市長・町長に独自インタビューまとめ|環境・子育て・共生社会のキーワードから読み解く「今」と「これから」
湘南には、その土地の個性や課題に向き合いながら、まちづくりをリードするそれぞれの首長がいます。
本記事では、葉山町・逗子市・鎌倉市・藤沢市・平塚市を取り上げ、地域密着型メディア「湘南人」が独自に行ってきた首長インタビューをもとに、各市町長の歩みや信条、代表施策、市民との向き合い方、そして未来への展望を総まとめしてご紹介。
「環境政策」「子育て支援」「共生社会」「財政健全化」「都市インフラ整備」などのキーワードから見える湘南各地のまちづくりの姿勢を紐解きます。
湘南という広がりのある地域の中で、異なる立場・規模・課題を抱える5人のリーダーそれぞれの言葉から、地域に根ざした政治のリアルを見つめてみませんか。
葉山町 | 山梨 崇仁 町長
「人と向き合う政治」を信条に、葉山らしい循環型のまちづくりを推進。山梨町長は国際連携や環境政策でも先進的な取り組みを進めています。
穏やかな海と丘陵に恵まれた葉山町の魅力を守り、未来へつなぐため、山梨崇仁町長は「政治は人と向き合う仕事」という信念をもとに町政に臨んできました。立場や肩書きに捉われず、責任と覚悟をもって任務に向き合う姿勢は一貫しており、行動で信頼を築く実務型リーダーです。
施策面では、葉山町クリーンセンターを再整備し、生ごみの資源化処理を可能にするなど、環境配慮型の都市運営を進め、鎌倉市・逗子市とのごみ処理の広域連携にも粘り強く対応してきました。
行政課題に対しては、住民や関係機関と丁寧に向き合う姿勢を貫いており、町制施行100周年では、さまざまな記念事業を企画・実施し、住民の一体感を高めました。また、ウガンダ共和国への消防車の寄贈や、大阪万博で町長自らプレゼンを行うなど、葉山の魅力を国内外に広げる取り組みを着実に進めています。
長年取り組んできた「循環型のまちづくり」を未来につなげるべく、環境重視の施策にも注力。今後はフェアトレードへの取り組みも予定されており、小さな自治体から生まれるグローバルな価値発信を見据えています。
氏名
山梨 崇仁(やまなし たかひと)
役職
葉山町長
生年月日
1977年3月16日
出身地
東京都渋谷区
学歴
関東学院大学 経済学部/法政大学大学院 政治学研究科 修士課程修了
主な経歴
2007年〜2011年 葉山町議(2期)/2012年1月 葉山町長就任
就任・期数
2012年1月20日 初当選/現職4期目
趣味・座右の銘
特技:ウィンドサーフィン/趣味:ゴルフの練習、釣り
公式サイト/SNS
葉山町「町長あいさつ」 / 山梨たかひと 公式プロフィール
葉山町長にインタビュー -葉山町長 山梨たかひとの現在地海と緑が織りなす自然豊かな環境と、穏やかな暮らしが魅力の葉山町。鉄道が通っていないにもかかわらず、「住み続けたい街」ランキング1位の常連となっていることでも、熱い視線を集めています。古くから御用邸の町、日本の近代ヨット文化発祥の地として知られ、戦後は銀幕スター活躍の舞台となり、若者たちの憧れの町ともなりました。2025年、変わりゆく時代の中で、住み心地のよさとエシカルな価値観のバランスを模索しながら、町の魅力を守り育てる挑戦が続きます。葉山町長 山梨 崇仁(やまなし たかひと)氏に、これまでの歩みと未...
湘南人
逗子市 | 桐ケ谷 覚 市長
“選ばれる住宅のまち”を掲げる逗子市。桐ケ谷市長は現場主義と財政再建で信頼を築き、教育・子育て・暮らしの質を高める市政運営を進めています。
相模湾に面した穏やかな海と緑豊かな山々に囲まれた逗子市で、桐ケ谷さとる市長は徹底した現場第一主義を貫いた市政を担っています。
市民から投書があれば市長自ら直接現場に行って対応するなど、「まずは事実を確認する」というスタンスを大切にしてきました。
就任後の最大の実績は、財政再建。危機的状況だった逗子市の財政を、予算の見直しや徹底した支出削減によって立て直し、充当財源を確保しました。その結果、財政調整基金は大きく増え、公共施設の長寿命化のための資金も過去最高水準へと引き上げられています。
中学校給食では、保温性を保つための食缶方式を導入し、栄養と質の両立を実現。まちづくりの面では開発と自然保護のバランスを意識しながら人々の暮らしやすさを模索しています。小坪漁港の漁師小屋の整備など、既存資源を磨き上げることによって新たな魅力を生み出そうとしている桐ヶ谷市長。
今後は“選ばれるまち・逗子”として、教育や暮らしの質を強みに、住宅の磨きをかけていくと語りました。
氏名
桐ケ谷 覚(きりがや さとる)
役職
逗子市長
生年月日
1949年3月24日
出身地
秋田県大館市
学歴
立教大学 経済学部 卒業
主な経歴
株式会社キリガヤ 代表取締役→取締役会長/逗子市商工会会長・観光協会会長
就任・期数
2018年 初就任/現職2期目
趣味・座右の銘
趣味:スキー、テニス、ゴルフ、温泉
公式サイト/SNS
逗子市「市長プロフィール」 / 桐ケ谷さとる 公式プロフィール
逗子市長にインタビュー -逗子市長 桐ケ谷さとるの現在地相模湾に面した穏やかな海と、三方を囲む緑豊かな山々が調和する、県内で3番目に人口の少ない市である逗子。観光地鎌倉と隣り合いながらも、どこか素朴で落ち着いた空気が漂い、都心から電車で1時間とは思えない、ゆったりとした時間が流れています。2024年には市制施行70周年を迎えました。近年は、都内や県内の名店から独立したシェフたちが駅周辺に続々と新店を構え、注目を集めています。自然とともにある暮らしを守りながら、この先の10年、20年をどう描いていくのか——。 画像出典:湘南人2期目を務める桐ケ谷さとる(きりがや さ...
湘南人
鎌倉市 | 松尾 崇 市長
“鎌倉”の名に甘えず、価値の本質を見つめ直す市政へ。松尾市長は共生と更新をキーワードに、対話を軸とした行政運営を進めています。
2025年、鎌倉市政は市議選を経て市長選を控える節目の年を迎えました。
4期目の任期終盤を迎える松尾崇市長は、市内の公共施設や道路、橋梁、下水道といった老朽化インフラの更新を「未来へのバトン」と位置づけ、市役所移転は位置条例の可決を目指しつつ、2025年夏時点では「二拠点(現庁舎+深沢地域整備事業区域)」案の検討が進行しています。
「鎌倉」という知名度を、強みであると同時に課題でもあると考え、鎌倉の持つ本質的な価値を共有しながら未来のまちづくりに取り組む必要があるとしました。
鎌倉発祥と言われる禅文化や共生の精神を発信することで、利己から利他へ転じ、互いを尊重し合う社会づくりを進めることで世界平和の一助となることを期待しています。「共生社会の実現を目指す条例」を道しるべに、障害者雇用の促進や対話の会「FiKA(フィーカ)」の展開などを進めてきました。
「鎌倉をより良くする」ことを信条とし、市民一人ひとりに寄り添いながら残された任期を丁寧にまっとうしたいと語る松尾市長は、10月26日に実施される市長選で、5期目を目指し出馬することを表明しました。
氏名
松尾 崇(まつお たかし)
役職
鎌倉市長
生年月日
1973年9月6日
出身地
神奈川県鎌倉市
学歴
日本大学 経済学部 卒業
主な経歴
鎌倉市議(2期)→神奈川県議(1期)→2009年11月 市長就任
就任・期数
2009年11月 初就任/現職4期目
趣味・座右の銘
趣味:ジョギング、山登り、お祭り、坐禅/座右の銘:温故知新
公式サイト/SNS
鎌倉市「市長プロフィール」 / 松尾たかし 公式サイト
鎌倉市長にインタビュー -鎌倉市長 松尾崇の現在地2025年、鎌倉市政では次の選挙が予定されています。 鎌倉市議会議員選挙(2025年5月14日任期満了) 鎌倉市長選挙(2025年10月31日任期満了)市政への関心が高まりを見せると予想されるこの年。市議会議員選挙を前に、松尾崇(まつおたかし)市長に今の率直な心境と残任期間への取り組み姿勢について伺うため、2025年2月28日(金)、鎌倉市役所2階にある庁議室を訪れました。松尾市長にとって2025年は、鎌倉市長として歴代最長となる4期目を締めくくる年となります。 画像出典:湘南人なお、写真は2025年1月16日(木)に鎌倉生涯学習セ...
湘南人
藤沢市 | 鈴木 恒夫 市長
地方自治一筋の市政運営。藤沢生まれの鈴木市長は、“楽しいまちづくり”を通して、すべての市民が活躍できる未来を描いています。
藤沢市出身の鈴木恒夫市長は、29歳で藤沢市議に初当選して以来、半世紀にわたって政治の現場を歩んできました。
「藤沢への恩返し」を原点に、市議、県議、市長と地方自治一筋。開発と自然保護のバランスを模索しながら市民の声に寄り添う市政に取り組んできました。
堆肥化センター(有機資源再生センター)事業については、匂いによる近隣への影響などから、市民に望まれない形になったと判断し廃止を決断。事業中止の責任を自ら負い、市民生活を最優先する姿勢を示しました。
近年は公共施設予約システムのオンライン化など、行政のデジタル化にも積極的に取り組み、「変化への挑戦」と「伝統の継承」を両立させています。
「誰もがやりたいことを見つけ、実現できる藤沢」を目指し、多世代型の地域への市民参加を重視。“楽しいまちづくり”をキーワードに、文化・歴史・スポーツなど生涯学習をはじめさまざまなイベントを実施していきたいと話す鈴木市長。市民の暮らしに寄り添い、文化や景観を未来へつなぐと共に、改革にも迷わず挑み続ける、そんな市政の歩みを見つめていきたいです。
氏名
鈴木 恒夫(すずき つねお)
役職
藤沢市長
生年月日
1950年1月3日
出身地
神奈川県藤沢市
学歴
早稲田大学 教育学部 卒業
主な経歴
藤沢市議(4期・議長)→神奈川県議(5期)→2012年2月 市長就任
就任・期数
2012年2月 初就任/現職4期目
趣味・座右の銘
趣味:読書、スポーツ、園芸/座右の銘:「苟日新 日日新 又日新」
公式サイト/SNS
藤沢市「市長プロフィール」 / 鈴木恒夫 公式プロフィール
藤沢市長にインタビュー -藤沢市長 鈴木恒夫の現在地湘南エリアの玄関口である藤沢市。人口44万人を超え、エリア内でも突出した規模を誇ります。近年は「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)」の先進的なまちづくりで注目を集める一方、遊行寺の門前町や旧東海道の宿場町として栄えた歴史の面影が息づき、その情緒ある風景は訪れる人々を惹きつけています。江の島を擁するまちとしても知られます。訪日外国人からの人気も高く、2024年の年間観光客数は約2,040万人と過去最多を記録しました。生まれ育った藤沢市への愛着を胸に、29歳で市議会議員に初当選して以来、市...
湘南人
平塚市 | 落合 克宏 市長
「あったかひらつか」を合言葉に、実務力と現場感覚で地域課題に挑む。落合市長は子育て支援や都市整備に力を注ぎ、暮らしを支える市政を展開しています。
平塚市出身の落合克宏市長は、市職員・市議・議長を経て、2011年から市長を務めています。
以降4期にわたり、「人のつながり」と「現場感覚」を大切に、市民に寄り添う市政を実践してきました。計画停電などでまちが混乱していた東日本大震災直後には開催困難とされていた「湘南ひらつか七夕まつり」の継続を決め、市民の絆を改めて実感する契機となりました。その後も防災対策やコロナ対応など、市職員としての経験を生かした迅速な対応で信頼を築いています。
中学校給食の完全実施、公共施設の整備、駅周辺のにぎわい創出など、子育て・福祉・まちづくりの各分野で着実に成果を上げ、Park-PFI(都市公園に民間事業者が収益施設を設置、運営を行い、収益を公園の整備や維持管理に充当する制度)を活用した海辺の総合公園の整備、Jリーグ・湘南ベルマーレとの連携、産業構造の変化への対応など、持続可能な都市を見据えた政策にも尽力。
湘南の自然と平和の歴史を未来へつなぐ「あったかいまちづくり」を進めていきたい、と語りました。
氏名
落合 克宏(おちあい かつひろ)
役職
平塚市長
生年月日
1957年10月1日
出身地
神奈川県平塚市 田村
学歴
明治大学 法学部 卒業
主な経歴
平塚市役所→平塚市議(2期・議長)→2011年4月 市長就任
就任・期数
2011年4月 初就任/現職4期目
趣味・座右の銘
趣味:スポーツ(バスケットボール・野球・バドミントン等)/好きな言葉:絆
公式サイト/SNS
平塚市「市長プロフィール」
平塚市長にインタビュー -平塚市長 落合かつひろの現在地神奈川県のほぼ中央に位置し、約26万人が暮らす平塚市。富士山と箱根連山を眺望しながら、1年を通じて多彩なマリンスポーツを楽しめる、湘南らしい穏やかな気候が魅力です。夏の風物詩となっている「湘南ひらつか七夕まつり」では、駅前の商店街が豪華絢爛に飾られ大勢の観光客で賑わうほか、Jリーグ・湘南ベルマーレのホームスタジアムがあることから、スポーツ文化が息づくまちとしても知られています。恵まれた環境と都市機能が調和し、あらゆる世代が快適に暮らせるまちとして注目される一方、少子高齢化や防災など、解決すべき地...
湘南人
まとめ
政治家としてのキャリアは異なっても、それぞれの首長に共通するのは「市民と向き合う姿勢」と「地域をより良くしたいという情熱」です。
葉山では自然との共生、逗子では現場主義と財政再建、鎌倉では都市の本質を問い直す対話、藤沢では誰もが活躍できる市民社会、そして平塚では子どもや家族を支える実務的な市政運営。それぞれのまちが、それぞれのやり方で、未来を見据えています。
政治と暮らしをつなぐリーダーたちの行動は、これからも湘南の未来を切り開いていくことでしょう。
留意事項
本記事は2025年9月時点の情報です。