【リアル給与明細】44歳、営業課長。今のままでは子どもの学費を工面できません……【FPが解説】
読者から寄せられたリアルな給与明細を大公開。質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【44歳 営業課長】
【リアル給与明細】44歳、営業課長の場合
プロフィール
44歳、男性
サービス業の営業課長
▼現状
仕事内容は、クルーズの企画・営業。
労働時間は月160時間、残業は30時間。
ボーナスはなし。
【相談内容】4歳の子どもがいます。今のお給料では子どもの学費や老後の資金を工面できません。どうしたら良いか、教えてもらいたいです。
解説するのは……
◆sino
ファイナンシャル・プランニング技能検定3級 日商簿記検定3級
資産形成や節約に関するアドバイスを得意とし、普段はライターとして活動しています。
現在のお給料は全国平均と比べると高い?低い?
質問者さんは、今のお給料では貯蓄が進まずお悩みなのですね。
ではまず、質問者さんのお給料を全国平均と比べてみましょう。
質問者さんの現在の収入を年収換算すると約417万円になります。
一方、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、質問者さんと同年代の営業職業従事者の平均年収は約643万円*です。
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
質問者さんのお給料は、平均よりも低い水準と言えそうです。
今から始める!子どもの学費と老後資金の準備術
質問者さんは、お子さんの教育費と老後資金を貯めたいのですね。
家計の見直しと無理のない範囲での投資で将来に備えることは十分可能です。
家計を見直して貯蓄を増やす
現在の収入で貯蓄が難しい場合は、固定費の見直しから始めましょう。
特に、通信費や保険料、食費などの見直しで月1万円でも捻出できれば、年間12万円、10年で120万円の貯蓄につながります。
教育費を準備する
お子さんの学費は、高校までは家計の中でやりくりし、大学資金を別途準備するのが一般的です。
・児童手当を貯蓄する
今から高校卒業までの間に180万円貯められるので、そのまま学費に回しましょう。
・NISAを活用する
大学資金の一部を新NISAに使い、毎月2万円ずつ15年間運用すれば、年利6%で約580万円に増やせる可能性があります*。
*……金融庁「つみたてシミュレーター」を元に算出
老後資金を準備する
年金だけでは不足する可能性があるため、今から少しずつ準備を始めましょう。
・iDeCoを活用する
60歳まで引き出せませんが、掛金が所得控除になり、節税しながら老後資金を作れます。
・生活費を見直す
老後に必要な資金は、現在の生活費と年金額の差額です。
ねんきんネットで将来の年金額を確認し、不足分を計算しておきましょう。
まとめ
・固定費の削減をしましょう。
・教育費は児童手当やNISAを活用することがおすすめです。
・老後資金はiDeCoの活用と生活費の見直しで、今から少しずつ備えましょう。