まちかどで発見 ポスターで白熱「湧水選挙」 ラップでPRの名水も
開発に負けた水どうめい、そこから「どうめいの泉」創生、これからも共に歩み共鳴、だから湧水選挙は俺が本命――。
これは現在、秦野市で6月30日(月)まで投票を受け付けている「秦野盆地湧水群選抜総選挙」の”立候補者”のひとり、「どうめいの泉」の選挙ポスターのキャッチコピー。どうめいの泉は、地下水の監視用に掘られた井戸を利用して作られた名水スポット。宅地開発の際に所在地不明となった「どうめい湧水」にちなんで名付けられた。ポスターではこの誕生背景を韻を踏んだラップ調のコピーで紹介。そのほか市内の名水スポットや温泉、水道水など計30の投票対象のポスターが秦野市役所前ファミリーマートの屋外掲示板に貼り出されている。
ポスターを眺める市内在住の50代男性は、「おもしろい。改めて秦野の水の豊かさを感じる。ポスターを市外にもっとアピールしても良いのでは」と話す。
選挙ポスターを作成したのは秦野市環境共生課の職員5人。名水スポットは場所や名前が分かりづらいため、各スポットを周知し、投票を啓発するために3月末から選挙ポスターの構想・作成を開始。名水スポットの写真と所在地区、キャッチコピーを盛り込み、4月から掲示している。
制作過程で遊び心生まれ
ポスターを作成した職員の一人・名水担当の露木聖士郎さんは「最初はマニフェストを掲げるイメージでポスターを作っていたんですよね」と振り返る。確かに、丹沢の登山口にある「大倉の清水」のポスターは「登山者たちの喉を潤します!」と、名水スポットの利用者に向けたマニフェスト風の文言だ。しかし制作が進むにつれ表現が緩くなり、どうめいの泉のラップや豆腐工房付近にある「兵庫の泉」の「豆腐(屋)の角には気を付けろ!」のような遊び心のあるコピーになっていったという。
総選挙は名称が挙げられているもの以外にも、市内に点在する湧水や井戸水を生かした親水公園、河川・滝など秦野の名水なら対象となる。秦野にある溢れんばかりの水と個性を持った立候補者たち―。果たしてどの名水に票が集まるのか、今から”湧く湧く”だ。