野菜ってどうやってできるの? かまいしこども園児がわくわく苗・種植え 収穫を楽しみに…
釜石市天神町のかまいしこども園(藤原けいと園長、園児79人)で、園児による野菜作りがスタートした。普段食べている野菜の成長の過程を知り、植物を育てる楽しみや食への関心を高めてもらう取り組み。本年度は元釜石市地域おこし協力隊員で兼業農家の三科宏輔さん(29)を菜園学習講師に迎え、3~5歳児クラスの47人が6種の野菜を育てる。
8日、同園で行われたのは野菜の苗や種を植える作業。始めに講師の三科さんはトマトの苗を手にしながら、「野菜も小さい種から成長して大きくなる。みんなで観察しながら一緒に育てていこう」と園児に呼び掛け。「いつもありがとう」「大きく育ってね」など、やさしい言葉をかけると元気に育つことも教えた。
3歳児が育てるのはトマトとピーマン。各4本の苗を2人1組でプランターに植え付けた。三科さんは「トマトには水をやりすぎない」ことなど栽培のポイントを伝授。「虫も野菜を育てるお手伝いをしてくれている」と話し、8月の収穫までの間、葉や虫の観察も行っていくことを伝えた。
4歳児はナスと枝豆を植えた。まずは土壌作りから挑戦。プランターの底に水はけを良くするための小石を敷き詰め、培養土を入れた。ナスは苗4本、枝豆は種から育てる。園児らはふかふかの土の感触も味わいながら作業を進めた。土で汚れた手指を広げる園児に、「土の中にはいろいろな菌がいて、野菜の成長に重要な役割をしてくれる」と三科さん。植え付けを終えた水谷暖月ちゃん(4)は「楽しかった。豆が小さくてかわいかった。早く食べたいから、大きくなっていっぱい実をつけてほしい」と収穫を心待ちにした。
5歳児は園庭に設けられているミニ菜園でニンジンとジャガイモを植えた。半分に切った種イモの断面に腐敗防止の灰を付け、土の上に置いてさらに土をかぶせた。ニンジンは種をまいた。講師の三科さんはこれから1週間に1回、園を訪れ、園児たちと一緒に成長の具合を見ながら、必要な世話をしていくという。園児らが育てた野菜は給食の食材に活用される。
キリスト教の精神を保育に取り入れる同園では、命を大切にする心を養うことも教育の柱の一つ。藤原園長は「人間だけではなく、動物や植物にも命があることを常々教えている。野菜を育てる過程で、そうした部分も感じてもらえれば。できた野菜をいただくことで感謝の気持ちも芽生える。少しでも心に残る活動になれば」と願う。同園では20日に、初の試みとなる田植え体験も予定している。