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抹茶ブームが「定着」値段が4倍にも…生活に関わる大きな影響も一部で「死活問題」

Sitakke

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いま世界的に注目を集めている、抹茶。
需要が高まるのはうれしいことですが、悩みを抱えている人もいます。

さわやかな香りや美しい色合いが人気の、抹茶。
札幌市の老舗日本茶専門店には、国内各地から厳選された日本茶が並びます。

「京都の宇治で作られた商品です」と教えてくれたのは、玉木商店玉翆園の玉木康雄社長です。
 
訪れた世界各国のお客さんも大注目。

「抹茶が大好きなんです。週3~4回飲んでます」
「色がキレイなんです」
「抹茶ラテはアメリカでも人気」

外国人観光客を魅了する「抹茶」ですが、玉木社長は「原料原価で4倍に跳ね上がった」と話します。

「抹茶」の世界で何が起きているのか?深掘りします。

日本茶専門店の「玉翠園」では2024年から外国人観光客が急増し、2025年8月時点では、売り上げの2割を、海外の客が占めるまでになりました。

玉木社長は「お茶の味にほれ込んでくれて、自分たちの国の食文化に合わせる、毎日の生活リズムの中に組み込もうとして買いに来てくれることはうれしい」と話します。

抹茶はいま、世界的なブーム。

「ヘルシーでクールな飲み物」として人気が高まり、抹茶を含む緑茶の輸出額は、5年連続で過去最高を更新。
日本で生産する1割以上が海外向けとなりました。

一方で、国内では、原料不足による価格高騰が深刻です。

大手も2倍に値上げ…「死活問題」も

大手メーカーの「伊藤園」は、9月から、抹茶製品の19品目を最大で2倍に値上げしました。

本格的な茶道教室や、外国人観光客向けの体験も行っている、お抹茶サロン「wa no cocoro(わのこころ)」でも大きな影響が出ています。

鈴木志保里代表は「稽古に使う抹茶が手に入りにくい状況になっている。本当に死活問題で、抹茶がないと稽古ができない」と教えてくれました。

抹茶を購入できず、知り合いから譲ってもらうことでかろうじて稽古を続けているといいます。
さらに、価格の高騰で、茶道教室の運営も…

「本当は受講料にも反映させたいところだが、なかなか毎月通ってくれる人に急に値上げというのも難しい。いつかは考えなければならない苦しい状況です」

そもそも、人気に応えるために抹茶の増産はできないのでしょうか?

日本有数の茶葉の産地、福岡県の八女市の八女美緑園・江島一信代表に聞きました。

「ここの茶畑に関しては、全部てん茶(抹茶の原料)にした。できるだけ抹茶ブームに乗って、生産量を上げないといけないので。7割くらいは抹茶にシフトしている」と話します。

そもそも、一般的に「緑茶」としてイメージされる「煎茶」や「玉露」と、粉末状になっていて「点てて」飲む「抹茶」は、どちらも原料となる葉は同じです。

こちらの生産者は、単価の高い抹茶のもとになる「てん茶」の割合を3割から7割に増やし、工場をフル稼働。

しかし、茶葉を乾燥させるための「炉」が県内に4か所しかないため、抹茶をこれ以上生産することは難しいのだといいます。


普段飲む「せん茶」に影響が

生産地では「抹茶ブーム」のゆくえを心配する声も。

福岡県茶商工業協同組合・流通部会の木屋康彦部会長は「海外輸出が出てきたことで、量のバランスが変わってしまった」と話します。

「てん茶が増えることで、煎茶の原材料がてん茶に流れていっているので、日常のお茶に影響が出てきている」

静岡のお茶市場に聞いたところ、抹茶の輸出が増えたため抹茶の原料となる「てん茶」向けに茶葉を生産する農家が増えているそうです。

この結果、私たちが普段飲む「せん茶」に回る量が減少傾向になっているというわけです。

さらに「せん茶」が減った余波で影響を受けているのが、私たちがよく飲むペットボトルのお茶。

大手メーカーの伊藤園によりますと、希望小売価格は現在、税別180円ですが、10月からは税別200円になります。

背景には、もちろん物価高騰があるわけですが、「せん茶」の供給量が減っていることも一因だそうです。

このお茶不足、2026年以降はどうなっていくのでしょうか。
京都で150年以上続く宇治茶の老舗、碧翆園の堀井社長によると

・産地では増産の動き
・世界でも定着が進み供給不足は続く見通し

鹿児島で新しい工場が建設されるなど産地では増産の取り組みが進められているそうです。

これにより、ある程度の増産が期待されていますが、海外では抹茶が一時的なブームで終わらず、定着してきているということで、今後も供給不足は続く見通しだということです。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年9月2日)の情報に基づきます。

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