【寒川 イベントレポ】寄合オーケストラ MUSIC FES - 世代を越えて響き合う、音楽の寄り合い
秋の気配も残しつつ、冬の訪れを感じる2025年11月23日(日)「寄合オーケストラ MUSIC FES in さむかわ」が、寒川町民センターにて開催されました。
寄合オーケストラは、茅ヶ崎で音楽教室を開く清水音楽工房が企画する地域密着の音楽イベントです。
清水音楽工房については、こちらの記事も併せてご覧ください。
清水音楽工房 - “教える”ではなく“つくる”音を育てる場所
寄合オーケストラとは
このオーケストラは、清水音楽工房が立ち上げた“寄り合い”という企画から誕生しました。
「上手い・下手ではなく、みんなで音を作る楽しさを味わえる場所をつくりたい」
そんな想いのもと、プロもアマチュアも、年齢も性別も関係なく、“みんなで”を大切にしています。
練習当初、弦楽器と管打楽器の音の違いに驚くメンバーも多かったと言います。
「弦楽器の音ってこんなに柔らかいんだ」
「管打楽器ってこんなにまっすぐ耳に響くんだ」
その“違い”こそが、この寄り合いの醍醐味でもあります。
ファミリーからシニアまで幅広い来場者
当日は開場前からすでに列ができ、小さなお子さま連れからシニア世代まで、幅広い層が来場しました。
通常、演奏会では撮影・録画禁止が一般的ですが、「SNSに掲載する際は、温かいコメントを添えてお願いします」という粋なアナウンスも。
MCの挨拶では「これはMUSIC FESです。踊ってもいいですし、一緒に盛り上がってくださいね」という言葉とともにスタートしました。
曲目紹介
吹奏楽ステージ
マーチ ブルースカイ
序曲 春の猟犬
アルヴァマー序曲
筆者も吹奏楽部出身。
特に「アルヴァマー序曲」は、吹奏楽経験者なら一度は耳にしたことがあるほどの有名な曲です。
私自身も、コンクールでこの曲を演奏した思い出があります。
当時の苦しくも、仲間と音を重ねる楽しさに満ちた日々が一気に蘇り、
気づけば心の中で大きな声援を送っていました。
弦楽アンサンブルステージ
アイネ・クライネ・ナハトムジーク
ブランデンブルグ協奏曲 第3番
弦楽アンサンブルのステージでは、冒頭で指揮棒が手から抜け落ちるというハプニングも。
しかし、これもフェスならでは。
客席は笑いに包まれ、温かな拍手が起き、会場全体がひとつになった瞬間でした。
ブランデンブルグ協奏曲第3番では、各弦楽器が絶え間なく掛け合うように音を重ね、まるで弦楽器同士が“魂で会話している”かのような迫力あるステージでした。
オーケストラステージ
ロマネスク
舞踏会の美女
威風堂々
中でも特に感動したのは、吹奏楽の名曲「ロマネスク」。
オーケストラの曲が吹奏楽の曲にアレンジされることは多いのですが、
今回はその逆、“吹奏楽からオーケストラ”への逆アレンジが行われていました。
弦楽器が加わることで表現の幅が一気に広がり、曲の雄大さと繊細さがより深く伝わる、圧巻のステージでした。
寄合オーケストラの見どころ
年齢層がとにかく幅広い
最年少は中学2年生、最年長は70代まで。
世代を超えて一緒に音を奏でられる場は、まさに“地域の新しいコミュニティ”。
函館からの参加者も
寒川と函館の二拠点で活動する「からすの弦楽器教室」からは、
なんと9名もの方がこの日のために参加。
地域を越えた交流が寄合オーケストラの広がりを感じさせます。
オーケストラにはない楽器も登場
19世紀以降に登場したサクソフォーンやユーフォニアムなど、
一般的なオーケストラには編成されない楽器も登場しました。
“音を楽しむこと”を大切にしている寄合オーケストラならではの自由なスタイルです。
カラフルな衣装で彩るステージ
通常の演奏会では白・黒の衣装が多いですが、
寄合オーケストラは色とりどり。
個性豊かな衣装がステージを華やかに彩っていました。
まとめ
清水音楽工房で2年ほど前から始まった「寄り合い」企画が、
これほど大きなオーケストラへと成長しました。
音楽の楽しさ、人と人がつながる喜びを、演奏者だけでなく来場者までもが共有できた今回のMUSIC FES。
少子化や部活動改革が進む中で、世代や経験を越えて一緒に音楽を楽しめる場所は、これからの“新しい部活動のかたち”になるのかもしれません。
次回の開催は2026年11月29日を予定しているとのこと。
来年もまた、どんな“寄合いの音”が生まれるのか楽しみです。
寄合オーケストラ MUSIC FES in さむかわ
開催日時
2025年11月23日 13:30〜
開催場所
会場名:寒川町民センターホール
住所:〒253-0106 神奈川県高座郡寒川町宮山165
駐車場:あり
参加費
無料
主催
清水音楽工房