衆院選、自公の過半数割れの背景に迫る。無党派層の変化が結果を動かした?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、10月28日の放送にジャーナリストの二木啓孝が出演。10月27日に投開票が行われた衆議院議員総選挙を総括した。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「(衆院選にて)自民・公明両党は公示前の288議席から、73議席を減らしました。自公の過半数割れは民主党による政権交代となった2009年衆院選以来、ということです」
長野智子「二木さんの注目ポイントから進めていきましょう」
二木啓孝「まず無党派層の動きが大きく変わったという点。無党派層って右から左まであるんですが、どう動いたのか、ということです。野田(佳彦)さんが選挙前から『我々は穏健な保守だ』と言っていた。保守的な無党派層の人たちは、自民党にはお灸を据えたいな、ということで穏健な保守にドッと流れた。前回の選挙まで、自民党はダメだけど保守がいい、という層は維新に行っていた。維新がドカッと増えたわけです」
長野「はい」
二木「維新はもともと11議席だったのが44議席に増えて、今回6つ減らして38でしょう。すると維新に行っていた無党派の保守的なところが『維新もスキャンダル多いしさ』みたいになって」
長野「兵庫県の知事の話はだいぶ影響があった、と、きのう(『文化放送衆議院選挙開票スペシャル~みんなのホンネ~』で)柳ヶ瀬裕文さんが言っていました」
二木「そのようなことや不祥事を起こす人が多かった。それで穏健保守に流れた、というのが1つ。もう1つは、左派的な無党派層っているんです。立憲でもいいけど保守はイヤだね、と、れいわに流れた。れいわはやはり議席を伸ばしています。6議席増やした、言ってみれば組織などの後ろ盾のない無党派層が共感して流れた。左派でも穏健でもない、中間ぐらいの人もいる。左派は嫌いだけど穏健でいきたい、という人が国民民主に行った」
長野・鈴木「あ~!」
二木「国民民主がなぜこんなに増えたの、というと。本当は『民主でもいいけど、中にリベラルがいるからイヤだね』と思ったら『国民民主がいるじゃん』と、そこに流れたから、7議席から28に増えた。つまり無党派層は右から左までいるんですが、この人たちがそれぞれの落としどころに入って、結果、自民党と公明党が減らしてしまった、という構図です」
長野「共産党も減らしました。その左派といわれる人たちがれいわに行ってしまったから、ということですか?」
二木「共産党って既視感、『もう見たよね』という感覚が強いんです。がんばっているんですよ、(他党の)いろんなスキャンダルをバッと出すけど『既に知ってるわい』ということで、政策ではもっと左のれいわに行った、という構図でしょうね」
長野「政権交代というとひとつのかたまりみたいに話してしまうけど、細かくニーズに応えた党があるんですね」