村上佳菜子さん『愛されるスケーターになりなさい』
昼から夜へと生まれ変わる夕暮れのひと時……Magic Hour。そして、海と緑に囲まれた癒しのリゾートホテルの優雅なリラックス空間で、素敵な景色と音楽を楽しみながら、幅広いジャンルのお客様を迎え、さまざまな話題でトークする番組。
今月のゲストは、プロフィギュアスケーターでタレントの村上佳菜子さん。
最上階10階にある 『エグゼクティブ オーシャンビュー テラス スイート 1007号室』で
東京湾を眺めながら、お話伺います。
今週は人生に影響を与えた人物とは?というお話からさらに村上さんに迫っていきます!
コーチからの言葉『愛されるスケーターになりなさい』
村上さんの人生に影響を与えた人、一人目は山田満知子コーチ。
伊藤みどりさんや浅田真央さん、宇野昌磨さんなど数々の選手を育ててきた方です。
要:山田先生はどんな指導をされるんですか?
村上:スケートの技術の教えもするんですけど、人間としての学びもあって。私が言われて一番覚えているのは“愛されるスケーターになりなさい”と“初心を忘れない”ということですね。
要:うんうん
村上:この二つはすごく言われ続けてた言葉でもあって。先生からは優勝して結果を残しても、みんなから愛されないスケーターだと忘れられてしまうけど、みんなから愛されれば、もし結果が残せなくても、みんなの心に残るから、と。そういうスケータになりなさいって、小さい頃から言われていて。
要:深いね
近藤:村上さんみんなから愛されるキャラクターですもんね!
村上:いやいや!ありがとうございます(笑)でもやっぱりもう、先生自身がみんなから愛されていて、全国のスケーターが先生を慕っているので…こういう人になりたいなっていうのは、ずっと思っていて。
近藤:村上さんも今コーチとかなさってると思うんですが、何か山田先生から受け継いだことってありますか?
村上:そうですね、そういう機会がある時は“ダメ”と良くない言葉をいうのではなくて、“こういう風にするといいよ”だったりとか、選手たちがスケート好きでいられる教え方っていうのをやっぱり心がけていますね。
要:否定するのではなくてね、よりよい道にいけるような、道しるべをつくってあげられるような言葉をね。
村上・近藤:パパ…!
近藤:子育てとかも、同じですよね。
要:同じだね、でもやっぱり言葉選びとか、難しいですよね。
村上:ですね、だからイメージがしやすい、想像力の部分を大事にして言葉を選ぶようにしてます。補足軸を作るんだよ、じゃなくて、竹トンボみたいにっていうと、想像できるじゃないですか!
お姉さんで友だちで尊敬する人
続いて、影響を受けた人物2人目は浅田真央さん。
高校・大学の先輩であり、小さい頃から一緒に練習をしてきたそう。
村上:小さい頃からずっと背中を見て育ってきて、本当に練習熱心なんですよ。私はいつもさぼることを考えていたんですけど(笑)
要:あははは(笑)
村上:真央ちゃんはいつもちゃんと練習をして帰るっていうイメージがあって。私もそれで自分を奮い立たせて練習することができていたので。こんなに努力家なことはいないだろうなって、小さい頃から思っていました。
近藤:いまでも交流はあるんですか?
村上:お互いに全然違うことをやっているので、頻繁には難しいですけど、、時々あっています。本当にお姉ちゃんで友だちで、尊敬する先輩でもあるっていう。
要:何か印象的な言葉とかありますか?
村上:もらったというよりも、衝撃をうけた言葉なんですけど、、私たち引退するタイミングが一緒だったんですよ。
要:うんうん
村上:その時に“真央ちゃんはすごくたくさん期待をされて、プレッシャーに感じたりとか、苦しかったりしなかったの?”って聞いたら『なんで、私もみんなが思っている期待と同じ方向を見ているから、プレッシャーとかって感じたことないよって』言ってて。なるほど!って。
要:すごいね
村上:本当に衝撃的で、もう本当にそう思って行っているのが、さすがだなと思いましたね。
『張っていた糸がプツンと切れた感じ』
現在はプロフィギュアスケーターとして活躍している村上さん。現役引退を決めたのは、どのタイミングだったのか、伺いました。
村上:実はソチオリンピックが終わった時点で、満知子先生に“あんたは引退した方が良いよ”って言われて。
要:言われたんですか!それはどういう、、、?
村上:でもこれは、私のことをすごい思ってくれての言葉で、“この先の方がもっと苦しいよって。ここでやめるのが、輝かしいスケート人生だと思う“って言われたんですね。
要:うんうん
村上:でも3歳からスケートをやっているので、そういわれても『まだできる』っていう気持ちがすごくあったんです。だから先生にやらせてくださいってお願いして、平昌オリンピックの手前までをタイムリミットにして頑張ろうと思って。結局ギリギリの日本選手権でやりきったと思う事が出来たので、引退を決意しましたね。
近藤:それが、2017年、23歳の時ですね。
要:ここがベストなタイミングだったわけですね
村上:演技が終わって、最後のポーズをしたときに、張っていた糸がプツンと切れた感じでしたね。
現在は、プロフィギュアスケーターのほか、タレントとしても活躍されている村上さん。
引退を決意した後のセカンドキャリアは、どのように考えていたのか、伺いました!
村上:当時はセカンドキャリアって考えていなくて、、どうやっていくか、幼稚園の先生とか色々なことを考えていたんですけど、、先に引退した、織田信成さんがテレビのお仕事をしていて、私小さい頃からバラエティーが好きだったので、いいな~と思っていたんです。
要:うんうん
村上:でも、いいなで入れる世界じゃないからな~と思っていた時期に、色々なことが繋がってうまくいってMCとかをやらせていただいたりして、今に繋がっている感じなので、自分でも想像していなかったです
近藤:実際に入ってみて、戸惑ったこととかはありますか?
村上:そうですね、言葉で表現するって難しいなと思います。VTRとかを見て、意見を求められるじゃないですか、その気持ちを身体では表現できるんですけど(笑)
要・近藤:あはははは(笑)
チャレンジしてみたいのは、コメディ
村上さんは、最近ドラマにも出演され俳優としても活躍されていました。
村上:いやいやいや!ちょっとお声がけいただいてチャレンジさせていただいたんですけど、、、今回はスケートの先生の約で、イメージが湧きやすかったんですけど、、役を自分に落とし込むのって、すごく大変じゃないですか?
要:入ってこない役もありますからね、、、
村上:入ってこない時ってどうするんですか?
要:えーっと、、、適当にやる!
村上:えー!(笑)
要:もうね、入ってこないものは絶対に入ってこないので、人にゆだねるというか、監督さんとか制作の皆さんに意見を聞いて、、、一つでもそうか!と納得できるものがあれば、それでいいと思うんです。なんか俳優って自分で背負うものはあまり無くて、、、
村上:いやでも!それは天才だからだと思います。だって、スケートってオーバーに大きくバーンとやれば伝わるんですけど、役者はもう本当に小さい眉毛の動き・瞬きとかが表現に繋がるじゃないですか、、、それを、適当には絶対できない…!
要:でもそれも多分、スケートと同じで、レッスンとか経験とか、トレーニングを積めばできるかなっていう。だから僕は、俳優は技術だと思っています。
近藤:次にチャレンジしてみたい役とかありますか?
村上:えー!なんか面白いやつとかやりたいです!
(TBSラジオ『要 潤のMagic Hour』より抜粋)