40年以上温泉を取材するライターおすすめの温泉絶景5選。大自然に圧倒される秘湯体験を!
果てしない海、眼前に広がる山、清らかな川……。心も体も癒やされる、絶景の秘湯に浸かりにいこう。大自然に抱かれつつ贅沢な湯浴みをできる秘湯が、全国にはまだまだ眠っている。
温泉絶景をセレクトしてくれたのは——飯出敏夫(いいでとしお)
温泉&温泉宿の取材に特化し約40年の温泉紀行ライター。近年は山と温泉の取材に没頭し、2022年に『温泉百名山』、2024年に『日帰りで登れる 温泉百名山』(いずれも集英社インターナショナル)を上梓。
まるで海に浸かっているかのような大迫力の天然岩風呂『湯泊温泉 先の湯』【鹿児島県屋久島町】
湯泊(ゆどまり)集落の方たちに大切に守られている湯泊温泉は、メインの浜の湯(男女別)から100mほど奥の岩礁地帯に設けられた「先の湯」が圧巻。満潮時は海水に没するワイルドな露天風呂は2カ所。12~3月にはクジラが見られることもある。
『湯泊温泉 先の湯』
☎0997-48-2806
入浴自由
寸志(300円程度)
アルカリ性単純温泉
鹿児島県屋久島町湯泊1714-28
宮之浦港からバス1時間25分の湯泊下車、徒歩5分
仰ぎ見る九重連山と4種の泉質『九重星生ホテル』【大分県九重町】
日帰り客対応の独立棟に設けられたのが、広々とした露天風呂ゾーンが人気の「山恵(さんけい)の湯」。4種類の泉質の湯を満たす湯船が点在し、正面には九重連山の一峰、三俣山の山容が迫る。
『九重星生(くじゅうほっしょう)ホテル』
☎0973-79-3111
1泊2食2万5300円~
日帰り入浴は10:00~18:30受付(火・金は14:30~、冬期は最終受付時間短縮の場合あり)、不定休。1000円
16室(宿泊は一日10組限定)
酸性・含鉄-硫酸塩・塩化物泉(山恵の湯)ほか
大分県九重町田野230
JR久大本線由布院駅からバス42分のくじゅう登山口下車、徒歩17分
川のせせらぎの音でリラックス『上湯温泉 源泉大露天風呂』【奈良県十津川村】
秘湯感満点の自然環境にあり、上湯川の渓谷美を眺めながらの入浴はまさに、露天風呂の醍醐味。この大露天風呂は「源泉かけ流し宣言」で知られる十津川(とつかわ)温泉郷でも白眉の存在だ。
『上湯(かみゆ)温泉 源泉大露天風呂』
☎090-5009-9041
9:00~17:00
木休
500円
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉
奈良県十津川村出谷220
JR紀勢本線新宮駅からバス2時間15分の十津川温泉下車、車10分
まるで火口? 岩峰そびえる山奥の秘湯『姥湯温泉 桝形屋』【山形県米沢市】
車道の終点から吊り橋を渡り、坂道を歩いて約10分。宿の上部に設けられた露天風呂「山姥の湯」(混浴)の背後には岩肌を露出した鋭峰が南画的な風景を見せる。まさに秘湯の魅力が凝縮された感がある。
『姥湯(うばゆ)温泉 桝形屋(ますがたや) 』
2025年は4月26日~11月5日営業
☎090-7797-5934
1泊2食1万5950円~
日帰り入浴は9:30~15:30、不定休。700円
13室
酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ,Ⅲ)-単純温泉
山形県米沢市大沢姥湯1
JR奥羽本線峠駅から車25分(宿泊者のみ送迎あり、要予約)
ラドン温泉に浸かり、蒜山三座を望む『休暇村蒜山高原』【岡山県真庭市】
大きなガラス窓越しに、四季折々の牧歌的な風景を見せる蒜山(ひるぜん)高原とその背後に連なる蒜山三座を眺望する展望風呂は魅力いっぱい。温泉は単純弱放射能泉で、自家源泉。
『休暇村蒜山高原』
☎0867-66-2501
1泊2食1万5000円~
日帰り入浴は11:30~14:30受付(12~3月は~20:00受付)、火休。500円(タオルは要持参)
60室
単純弱放射能泉
岡山県真庭市蒜山上福田
JR姫新線中国勝山駅からバス1時間20分の蒜山高原[休暇村前]下車、徒歩1分(宿泊者はJR伯備線根雨駅から送迎あり、要予約)
文・写真=飯出敏夫
『旅の手帖』2025年1月号より