本場ロシア風のピロシキを求めて。「ロシア菓子 ソーンツェ」【福岡県糸島市】
福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。72回目の今回は、福岡県糸島市にある、ロシア菓子 ソーンツェの「ピロシキ」です。
ピロシキを売っているお店って、少ない気がしませんか?
パン好きさん達と話す時に、たまに、ピロシキが話題に上ることがあります。そして、かなりの高確率で「ピロシキ=ツンドラ」とおっしゃる方がひとりはいる。ツンドラのピロシキとは、福岡市民の方にはお馴染み(らしい)の、老舗のロシア料理のお店の名物です。数年前に惜しまれつつも閉店された同店は、ファンの方達の熱いラブコールに応える形で、缶詰の『ボルシチ』や冷凍の『ピロシキ』を復刻版で販売されています。(購入は、明太子のふくやさん直営店か、通販でどうぞ)※まわしものではありません。
そして実は、筆者はツンドラのピロシキを食べたことがありません。そんな私にとってのピロシキのイメージは、「揚げパンの一種なのかな?」という、うっすら、ぼんやりの知識の「もや」の中で、カレーパンのお仲間くらいの存在です。揚げた生地の中に挽肉入ってるよね?それがカレー味だとカレーパンで、じゃない方がピロシキですか?(ざっくりし過ぎ)
こんな「もや」の中にいるのも、まさにモヤモヤするので、これを機に調べてみました。以下、いろいろな文献より抜粋させて頂きますと、、、
“ピロシキはロシアの伝統的な家庭料理のひとつです。サイズは握りこぶしと同じくらいか、もしくはもう少し大きいくらいの大きさで、ラグビーボールのような形をしています。小麦粉を練ったパン生地の中には肉・魚・卵・米などの色々な具材が入っており、オーブンで焼いたり油で揚げたりして作ります。ロシアでの人気や、お馴染み度は、日本でいうおにぎり的存在とも言えます。
また、本来ピロシキの具材にルールは無く、主食やおかずになりそうな具材だけでなく、ジャムや煮つめた果物が入っている甘いピロシキもあり、おやつやお茶の時間に食べられることもあります。コンソメやボルシチなどのスープ類に添えたり、朝と夜のお茶の時間に食べたりもします。”
だそうです!なんと、揚げなくても良いのね、おかず系じゃ無くてもいいのね、等等、目から鱗、俄然興味が湧いてきました。
しかし、タイトルにも書きました通り、ピロシキを売っているお店はとても少ない。 そして販売されていたとしても、揚げパンの中に春雨と挽肉、筍など、中華まんの具っぽいものが入った、「日本流のピロシキ」であることがほとんど。もちろんそれも美味しいのですよ。
ですが今回は、新たに知った「ロシアのおにぎり的存在」の本場風ピロシキが食べてみたい、、、そんなことを話してましたらね、あったんですよ、なんと糸島に!「ロシアのお菓子とピロシキ売ってるお店」がーーー!(感涙)
店名は「ロシア菓子 ソーンツェ」さん。人気の観光エリア糸島市にありながら、大きな道路の一本内側、静かで狭い住宅道路を慎重に運転しながら進むと、、、これはもはや、個人のお宅の一部ではないか?くらいの小さな可愛いお店を発見!隠れ家を見つけたような喜びがありますね♪
店内には所狭しと、店主さんお手製の焼き菓子やピロシキ、ロシアや東欧の輸入品が並んでいます。わわわ、ほんとだ!ピロシキ揚げてない!しかも形も、三角だったり四角だったり、、、様々!どれも初めてお目にかかるものばかりで、嬉し、楽し、からの挙動不審(笑)
何を買おうか、どれを買わずに我慢するか、悩みまくって、脳内かなり忙しい。落ち着け、じぶん。そう、やはり、お初となる「揚げていないピロシキ」これを買わねば始まらない、とピロシキから2種。初めて見る焼き菓子をひとつ、購入することにしました。ピロシキの具材も、めっちゃ悩みました。今思えばスイーツ系のピロシキも買うべきだったか?とも思いますが、珍しい焼き菓子への興味も拭いきれなかったので、今回はおかず系から2種(^^)
人生初!揚げていないピロシキを実食
左:ベジタブル / 右:チキン&きのこ〜サワークリームソース〜
クミン(カレーによく使われるスパイス)入りのミックスベジタブルと、きのことチキンのサワークリームソース。まずは生地なのですが、つるんとした見た目、サクフワッとした食感。そして思っていたのよりは生地厚めです。それはたぶん、ジャパニーズピロシキの揚げパン生地(薄め)と、ついつい比べてしまうからでしょう。
そしてオーブンで焼いてあるのでオイリーさが皆無。素手で持てます。これは食べやすくて良いですねぇ。
パクッとひとくち、うんうん、流石、ロシアのおにぎり、毎日の食卓に並んでも飽きないようにでしょう、具材の味付けも濃過ぎず、ちょうど良い塩梅の優しいおかず感。サイズも、2つはペロリといけそうな、まさにおにぎりのような満足感です。
今までにはなかった、サッパリとしたピロシキの食後感に、良い意味での「素朴な風情」を感じ、にわかに親近感が増します。これは日々のランチにちょうど良いなぁ、、、ピロシキ2つと、何かしらスープで大満足ではないか!
あともちろん、食後のおやつも忘れずに、、、って、忘れてた。おやつ買ってるやん(おいおい)
こういう忘れ物は、何か得した感じがして嬉しいですね(セルフフォロー)
チェック柄の可愛らしい袋(※後述)も嬉しくなってしまう、その名も「メダヴィーク」という蜂蜜と練乳のケーキ。ロシアの生ハチミツ使用、と書いてあったのが気になって選びました、、、(^^)
果たしてそのお味はと言いますと、書いてある通り、濃厚、ではありますが、それは心地よい重厚感のことであり、こってり、とは別方向のハチミツの深みを味わえる美味しいケーキでした♪
知らない食べ物を食べるのが大好きな筆者にとって、気になるものが目白押しのソーンツェさん。おやつ系ピロシキや、焼き菓子を買うのはもちろんのこと、今度はあのレトロ可愛いチェック柄の袋の写真も撮らなきゃ!です。(撮らなかったことを絶賛後悔中 泣)
追伸:
紙袋、後日ゲット&撮影できました!
店舗情報
ロシア菓子 ソーンツェ
住所:〒819-1124 福岡県糸島市加布里4丁目5−11 [map]
営業時間:11:00〜17:00
定休日:月・火・水・日曜日
※詳細はInstagramのカレンダーをご確認ください。
駐車場:有り
Instagram:@russiansweets_solntse