唯一無二のロックバンド・THE BAWDIES、20周年記念盤リリース!ボーカルROYさんにインタビュー
2024年1月1日、結成20周年&メジャーデビュー15周年を迎えた、4人組ロックバンド・THE BAWDIES(ザ・ボゥディーズ)。10月23日には「20th & 15th ANNIVERSARY VINYL COLLECTIONS」がリリースされました。
バイナルコレクションでは、オリジナル楽曲134 曲の中から、メンバーセレクト 20曲に加え、ファン投票で選ばれた15曲の全35曲を 4 枚組 LP に収録。さらに、新曲「COME ON, LETʼ S PARTY」も収録されており、THE BAWDIESの 20年を詰め込んだ作品となっています。
今回、周年を迎えた心境やバイナルコレクションについてなど、Vo&Ba.のROYさんにたっぷりとお話を伺いました!
THE BAWDIES
PROFILE
小学校からの同級生の ROY(Vo&Ba)、JIM(Gt.)、MARCY(Dr.)と高校からの同級生 TAXMAN(Gt.&Vo)によって2004年に結成、2009年にメジャーデビュー。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、メンバーが敬愛するリトル・リチャード / レイ・チャールズに代表されるリズム & ブルース / ロックンロールのルーツを昇華した楽曲誰もを楽しませてくれるライブが各地で噂を呼ぶ。
周年を迎えた現在の心境
――結成20周年、デビュー15周年を迎えた今のお気持ちはいかがでしょうか?
僕ら4人は、バンドを始める前からの仲間で、メンバーによっては小学生の頃から、高校生の頃から一緒だったりと、本当に長い時間を共に過ごしてきました。なので「バンドで20年」と言われても、あまり実感が湧かないというか(笑)。「もっとずっと前から一緒にいるしな」という感覚があります。
THE BAWDIESというバンド自体、とても特殊だと思っていて、ずっとロックンロール一筋。それだけを武器に20年間真っ直ぐ続けてこれたのは、胸を張って「自分たち、よく頑張ったな」と褒めたいですね。
――メンバーの変遷もなく、これまで続けてこられたのは本当にすごいですね。
同じバンドマンの仲間からもよく言われます。「本当に仲がいいよね」って。ただ、僕らはバンドをやるために集まった仲間ではなく、もともと一緒に育った兄弟のような4人なんです。出会いをたどると、全員バスケ部で、同じ目標を持って一緒に成長してきた仲間なんですよ。バスケを引退した後、その延長線上でバンドが始まった、という感じなんです。
なんというか、学生時代の延長のようなもので。クラスで仲のいい4人が喧嘩をしても縁が切れることなく過ごしている感覚に近い。学校に通っている間は別の道に進むことがないように、THE BAWDIESとして活動している限り、僕らが離れることはないんだと思います。THE BAWDIESも、終わりのないバンドだと思っています。
――友達のノリじゃないですが、楽しい感じがずっと続いているんですね。
まさにそんな感じですね。ツアーは「修学旅行」です(笑)。
――20年間のこれまでの活動を振り返って、思い出深いエピソードは何ですか?
僕らがバンドを結成したきっかけは、The Sonicsという60年代のバンドで。初めて彼らの音楽を聴いたとき、その衝撃があまりにも大きくて、「この生々しいロックを世界中の人に広めないともったいない」と思ったのが始まりでした。
そのThe Sonicsが現役で活動を続けていて、2012年には彼らを日本に呼んで、一緒にツアーを回ることができました。僕らにとって彼らは「生みの親」のような存在。そのバンドと同じステージに立てたことは、今でも夢のようです。この先の活動を考えても、それ以上の経験はないんじゃないかと思っています。たとえ世界中をツアーしたり、東京ドームで公演をしたりしても、The Sonicsと一緒にステージに立った経験に勝るものはないと思います。
トレードマークのスーツ「カルチャーを伝えたい」
――今回のコレクションには、歴代のスーツを着用した写真も含まれていますが、THE BAWDIESのスタイルとして「スーツ」を選ばれた理由を改めて教えてください。
The Sonicsをはじめ、60年代のバンドがみんなスーツを着て演奏していたというのが大きいですね。特にThe Sonicsはアメリカのバンドなんですけど、彼ら自身もイギリスの60年代のバンドから影響を受けてて。当時のロックバンドといえば、The BeatlesやThe Rolling Stonesといったブリティッシュビートと呼ばれるイギリスのバンドで、彼らがスーツを着て演奏していたという文化に憧れました。
僕らも音楽だけでなく、そういったカルチャーそのものを伝えていきたいという思いから、スーツというスタイルを選びました。敬意も表して。
ただ、インディーズ時代や自分たちで活動していた頃は、スーツを買うお金がなかったので(笑)。スラックスだけは全員でそろえて、あとはタートルネックやハイネック、シャツとネクタイだけとか、なるべく近づけるようなスタイルで活動していました。
――これまで着用してきた16種類のスーツの中で、ROYさんのお気に入りのスーツはどれですか?
僕は、2011年に初めての日本武道館公演で着用したスーツが一番お気に入りですね。シンプル・イズ・ベストという感じで、ネクタイも高級感があって、とても好き。
――素敵ですね。毎回どんなスーツを着用されるのか楽しみにしています!
ありがとうございます!でも正直、夏は本当に死にそうになってます(笑)。毎年どんどん暑くなっているのに、僕らのスーツの生地はどんどん厚くなってきていて…かなりしんどいです。
新曲MVでは、スーツ早着替えに挑戦!?
――新曲「COME ON, LET’S PARTY」のMVも拝見しました!今回、これまで着用してきた16種類のスーツを早着替えしながら撮影するという内容で、見ていてとてもハラハラしました…(笑)
あのMVは、監督のアイディアなんです。「周年なので、歴代のスーツを早着替えしてバーッと1発撮りでやってみませんか」って言われて。面白そうだなと思って、企画会議も本来は2時間の予定だったんですけど、15分ぐらいで終わっちゃいました(笑)。
それから何も詰めないまま本番を迎えて、監督はきっといろいろ用意してくださっていたと思うんですが。でも、僕らには「今日はスーツの早着替えだ」くらいしか伝えられてなくて。しかも曲自体が3分もない短い曲で、1着あたり20秒で着替えてほしいと言われたんです。脱ぐのも20秒じゃ無理だし、さらに着るのも絶対無理だよって(笑)。とにかく時間が全然足りなかったですね。
結局、何度もチャレンジしましたが、最速のタイムが出たテイクを使ってもらいました。あれが最善の結果です!
――新曲「COME ON, LET’S PARTY」に込めた想いやメッセージがあれば、聞かせてください。
特別なメッセージはなくて、言いたいことはとてもシンプルに、「音楽を聴いて踊りましょうよ」っていう、それだけです。
日本では、音楽というと歌詞を聴いて、そこから何かを考えたり感じたりすることが多いと思うんですが、ロックンロールというのは、もともとアメリカのリズム・アンド・ブルースから派生したもので、とにかく踊って騒ぐことに特化した音楽で。50年代当時のロックンロールの歌詞を見ても、大したことは言っていないんですよ。「あの子がかわいい」「こっちを向いてくれない、どうしよう」みたいな(笑)。でも、それが愛される理由は、歌詞のメッセージが深いからではなく、音楽そのものが体を動かし、気づいたら嫌なことを忘れてしまう。そういう力があるからだと思っています。僕たちが伝えたいメッセージというのは、まさにその「音楽の素晴らしさ」であって、歌詞自体がメッセージではないんです。
もちろん、日本には素晴らしい歌詞を持つ音楽がたくさんある文化なので、歌詞を考えたり知りたくなったりするのも分かります。でも、逆に、音を聴くだけで自然に体が動き出す音楽というのは、あまり根付いていないのかもしれません。ただ、日本には「お祭り文化」がありますよね。「わっしょい、わっしょい」と、意味を深く考えずにみんなで叫んだりする。その瞬間の一体感や、そこから生まれる前に進む力ってすごいと思うんです。僕たちは、それをロックンロールで実現したいと思っています。だから、今回の新曲でもそうですが「パーティーしましょう」「シャウトしましょう」ってずっと伝え続けてます。
ファン投票について選ばれた楽曲について
――今回のアニバーサリーバイナルコレクションにはメンバーのセレクト曲が収録されていますが、ROYさんがこの5曲をセレクトした理由を聞かせてください。
僕は基本的にTHE BAWDIESらしい、ストレートなロックンロールナンバーを集めました。特に、シングル曲ではないものや、アルバムに収録されていない曲を選びました。THE BAWDIESのロックンロールらしさ、濃い部分というか、一番わかりやすく表現されているのに、実はあまり日の目を見ていない曲も多くて。そういったカップリング曲の中から、自分が好きな曲を集めた、そんなセレクションです。
――ファン投票で選ばれた楽曲について、ファンの皆さんからの反響を改めて感じた曲もしくは予想外の選曲はありましたか?
そうですね。基本的にはやっぱり代表曲といいますか、ライブでも定番になっている曲が多く選ばれているな、という印象でした。ただ、意外だったのは、THE BAWDIESは「ストレートなロックンロールナンバー」のイメージが強いと思うんですけど、今回の結果では、1位が「LEMONADE」、2位が「HOT DOG」、3位が「KICKS!」。このうち「HOT DOG」以外はミドルテンポの曲が選ばれていて。そういったメロディアスな曲も評価されているんだなと感じて、とても嬉しかったです。
「HAPPY RAYS」という曲は、これまでライブでの定番曲というわけではなかったんですが、今回選ばれたことで、今後は定番として加えていきたいなと思いました。
――こうして見ると、本当にたくさんの曲をこれまで発表されてきたんだなと感じますね。
本当ですね。それもやっぱり、僕ら自身がロックンロールに出会って以来、全く飽きていないからだと思います。
飽きることがないんですよね。これは精神的なものというより、シンプルに。僕はレコードコレクターでもあるんですが、50年代や60年代のロックンロールのレコードを集めていて、毎日世界中のオークションサイトやお店の新着情報をチェックしているんです。それでも、まだまだ知らない曲がたくさんあるんですよ。
新しい発見が毎日あると、毎日新鮮な気持ちで音楽に向き合えるんです。それがロックンロールの素晴らしいところだと思いますし、これからもずっと続いていくと思います。一生かけてもすべてを聴き尽くせる量ではないので、永遠に飽きることがないですね。
「僕らは“名古屋飛ばし”しません!」
――名古屋にはご当地グルメがたくさんありますが、ROYさんが好きな名古屋名物や、名古屋に来たら必ず食べるものはありますか?
いつも行くのは味仙ですね。打ち上げ会場でよく使っています。でも実は、ライブがあっても名古屋に泊まることがあまりなくて…。東京に戻ったり、大阪に移動したりすることが多いんです。ゆっくりする機会がなかなかないんですよね。
あ、でも、僕の大好きな古着屋さんがあるので、時間があるときは大須や栄に寄ることがあります!
――名古屋に対する印象や、思い出深いエピソードがあれば教えてください。
名古屋って、僕らがデビューした頃から、ライブで飛ばされることが多い地域だと言われていました。「難しい」と感じるバンドが結構多いみたいです。実際、僕自身もデビューする前はそう感じたことがありました。でも、それは名古屋の人たちが、関西特有の熱さを持ちながら、東京の人のように「良いものか悪いものかをきちんと判断する耳の肥えた部分」も持っているからだと思います。だから、良いものだと認められればものすごく盛り上がるし、そうでなければ盛り上がらない。その分かりやすさが名古屋の印象としてありました。でも、一度爆発すると、その熱は長く続いて応援してくれる、そんな印象がとても強いです。
僕らは、名古屋には比較的たくさん来ている方だと思いますし、実際、名古屋を飛ばすことは基本的にありません!!(笑)
――そう言っていただけて、とてもうれしいです!(泣)来年もぜひたくさんライブしに来てください!
ありがとうございます!12月22日に開催される「MERRY ROCK PARADE 2024」にも出演しますし、来年も早くも名古屋でのライブが続々と決まっています。ぜひ遊びに来てください~!
――最後に、20周年を迎えて、これまでの歩みを振り返っていただきつつ、ファンの皆様に一言お願いいたします。
20年と言っても、僕らは全然まだまだです。The Sonicsが今も現役で活動しているように、僕らも80歳、90歳になっても、この4人でステージに立ち続けることが1つの目標であり、夢。その夢に向かって、変わらずに続けていきたいと思っています。
好きなアーティストやバンド、推しがいる方なら、メンバーがいなくなったり、解散してしまったり、音楽性が変わったりといった経験があるかもしれません。でも、僕たちはこれからも何も変わらず、まっすぐ進んでいきます。新曲を聴いてもらえればわかると思いますが、本当にただひたすらロックンロール。
リスナーの中には、「最近THE BAWDIESを聴いていなかったな」とか、「昔はよく聴いてたけど、最近はあまり…」という方もいるかもしれません。でも、いろんな時期があって良いと思います。
ただ、また聴きたくなったり、ロックンロールが必要になったり、元気が欲しいなと思ったときには、僕らのところに来てくれれば、必ず笑顔にさせます。僕らは変わらず、いつでも笑顔で音楽を続けています。自分のタイミングでいいので、いつでも頼ってくださいね。
――ありがとうございました!!
「20th & 15th ANNIVERSARY VINYL COLLECTIONS」
2024年10月23日 RELEASE
■通常盤 [4LP+PHOTOBOOK]VIZL-2352 / 1万5000円
特設サイト:https://www.jvcmusic.co.jp/thebawdies/ANNIVERSARYCOLLECTIONS/
streaming & download:https://thebawdies.lnk.to/ANNIVERSARYCOLLECTIONS_AL
【収録内容】
Disc1
THIS IS MY COLLECTION -ROY-
R1. COME ON, LET’S PARTY
R2. SHE CAN ROCK
R3. SHE’S MY ROCK’N’ROLL
R4. ROCKIN’ FROM THE GRAVE
R5. TWISTIN’ ANNIE
THIS IS MY COLLECTION -TAXMAN-
T1. MY LITTLE JOE
T2. TAKE A CHANCE
T3. THEY CALL IT WHISKEY BLUES
T4. EASY GIRL
T5. LIES
Disc2
THIS IS MY COLLECTION -JIM-
J1. LONELY MAN
J2. LOVE YOU IN EVERY WAY
J3. GET IT
J4. SHA LA LA
J5. STAND!
THIS IS MY COLLECTION -MARCY-
M1. I’M A LOVE MAN
M2. HIGHER
M3. DANCING SHOES
M4. NICE AND SLOW
M5. END OF THE SUMMER
Disc3
THIS IS YOUR COLLECTION
A1. LEMONADE
A2. HOT DOG
A3. KICKS!
B1. B.P.B
B2. I’M IN LOVE WITH YOU
B3. HAPPY RAYS
B4. KEEP YOU HAPPY
Disc4
THIS IS YOUR COLLECTION
C1. EMOTION POTION
C2. JUST BE COOL
C3. RAINY DAY
C4. ROCK ME BABY
D1. IT’S TOO LATE
D2. I BEG YOU
D3. SAD SONG
D4. SKIPPIN’ STONES
公式サイト
https://thebawdies.com/
インフォメーション
X:@THE_BAWDIES
Instagram:@thebawdies
TikTok:https://www.tiktok.com/@bawdies_official
YouTube:https://www.youtube.com/@thebawdies_official
【ライブ情報】
「SUNNY SIDE UP TOUR 2025」
4月12日(土) 梅田 CLUB QUATTRO
4月13日(日) 梅田 CLUB QUATTRO ※追加出演者有り
4月19日(土) 名古屋 CLUB QUATTRO
4月26日(土) 渋谷CLUB QUATTRO
4月27日(日) 渋谷 CLUB QUATTRO ※追加出演者有り
5月17日(土) 福岡 FUSE
5月18日(日) 岡山 YEBISU YA PRO
5月23日(金) 札幌 PENNY LANE24
5月25日(日) 仙台 MACANA
5月29日(木) 高松 MONSTER
5月31日(土) 富山 SOUL POWER
ツアー特設サイトはコチラ
https://thebawdies.com/contents/specialpage/sunny_side_up_tour_2025
※価格はすべて税込み表記です
※掲載内容は2024年12月時点の情報です