蛍光灯生産終了カウントダウン！LEDの思わぬ壁
今、街で少しずつ広がっている、2027年末で蛍光灯の生産が終わるというニュース。
これは「水銀に関する水俣条約」に基づく規制の一環で、水銀を使う蛍光灯は、段階的に姿を消すことになっています。
LEDへの交換、進んでいますか？
店頭の在庫も減ってきているようなので、街で「蛍光灯からLEDへの切り替え」について聞いてみました。
電源工事からしないといけないものだと思うので、全部の機器を変えなきゃいけないとなると大変なので・・・ちょっと困るなと思います。
いずれは変えると思いますけど、なるべく粘っていかないと金額がかかるものなので。可能な限り今のままでいきたいって感じですね。
ほとんどLEDとかじゃないですかね。あんまり自分の周りには影響はしないのかなと思っています。
電気代とか、長く使える期間とかも考えて、ほとんど蛍光灯は無いかなと。
まだLEDに交換していない人もいるようですね。
蛍光灯の生産が終わっても、買っておいたものを引き続き使うことは可能なので、店舗に在庫があるうちに購入しておく人もいるようですが、使わない状態でも蛍光灯は劣化するので、やはりLEDへの交換を検討することが必要です。
街では、電源工事のことを気にする声がありましたが、家庭の場合ほとんどは工事の必要はなく、今ある照明器具にそのままLEDランプが使えます。
その電球でほんとに大丈夫・・・？
ただ、いざ交換してみると、思わぬところでつまずくケースがあるようです。LED交換時の注意点について、電気トラブル相談センターの小野寺隆さんに伺いました。
電気トラブル相談センター・株式会社ジェイグリッド 代表取締役 小野寺 隆さん
もともと蛍光灯からLEDっていうコンセプトで作られているものがありますので、全く適合しないというものはないんですけれども、特殊な電球に関しては、実際に行ってみたらサイズが合ってなかった、そのまま挿して使ってた、ブレーカーが落ちてしまったなんていうこともありますので、電球交換をすることはユーザー様の方で問題ないんですけれども、適合しないランプを無理やり入れることによって、他に影響が出てしまうということはあります。最近DIYでやられる方も多いんですけれども、中にはですね、海外製品など一部に日本の基準に適合しないようなものもあったりするので、ネットの情報に惑わされないようにですね、間違った情報も出回ってますので、ぜひ専門家の方に相談していただくっていうのがよいのかなとは思います。
交換する際には、むやみに交換せず、一度よく確認しましょう！
近年のDIYブームで海外製の安価な照明器具や、古いレトロな器具を使う家庭が増え、それをLEDに交換しようと、YouTube等で見て、自らやってしまう危険なケースも。こういう場合、型番や器具の写真を電気店に持ち込んで一度見てもらう事をお勧めします。
また、このタイミングで悪質な業者の勧誘にあったり、誤った工事をされてしまう場合もあるそうなので、相談窓口や業者についても良く調べる必要がありそうです。
交換が進まない現場も
ここまでは家庭の話でしたが、オフィスや店舗はどうなのかというと･･･こちらは、すぐにはLEDに交換できない大変な現場があるようです。再び電気トラブル相談センターの小野寺さんの話です。
電気トラブル相談センター・株式会社ジェイグリッド 代表取締役 小野寺 隆さん
看板のようなものですと、チカチカしているようなものも受けられますけれども、中に入っている電球そのものもですね、蛍光灯のケースがまだまだ多くて、紫外線に当たっていて、過去の型番がわからなかったりとか、そういったものですと、どれぐらいの光量であったりだとか、というのがわからない場合もありますので、実際に中を覗いてみないと、どういうタイプの種類の電球が入っているのかというのもわからないものですから、調査と工事というふうに2段階でやるような形になるかと思います。早め早めの交換作業をされることをお勧めしたいなと思います。
店舗の看板に使われている蛍光灯を交換する場合は、業者の手配が欠かせませんが、看板のタイプも様々なので、対応するLEDを確認するのに時間がかることがあるそうです。
また、オフィスや工場、マンションの共用部分で使われている蛍光灯だとLEDに交換する場合、電源工事が必要になることが多いんです。蛍光灯の生産終了が近づくと業者の人手不足が予想されるので、早めに動いたほうが良いですね！
公共施設や、オフィスなど大掛かりな交換作業に関しては、自治体で助成制度や相談窓口を用意しているところもあるので、制度を上手く活用するのも。
いきなり真っ暗にならないように、切れる前に確認と交換が必要です。
（TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート：糸山仁恵）