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風街ぽえてぃっく2025 第二夜:街編【ライブレポート】松本隆 作詞活動55周年記念

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2025年09月20日 松本隆作詞活動55周年記念オフィシャル・プロジェクト「風街ぽえてぃっく2025 第二夜:街編」開催日

《街編》第1部のオープニングはクミコ「接吻」


『風街ぽえてぃっく2025』の第二夜である《街編》は、2025年9月20日(土)に東京国際フォーラムホールAにて開催された。

第1部のオープニングを飾ったのはクミコで、2000年のデビューシングル「接吻」からスタート。「接吻」が収録されたデビューアルバム『AURA』は全曲・松本隆が作詞を手がけたアルバム。メジャーデビューを果たしたのが45歳の時で、あれから25年の年月が経ったことをしみじみと語り、曲は「バス通り裏」へ。この曲は1976年に松本隆がプロデュースを手がけた森山良子のアルバム『日付のないカレンダー』に収録された名曲だ。

氷川きよし+KIINA.の個性が際立つ「赤いスイートピー」


続いて田島貴男が登場し、大滝詠一の1972年のアルバム『大瀧詠一』より「指切り」を披露。1990年のピチカート・ファイヴのアルバム『月面軟着陸』に収録された、ピチカートバージョンで演奏された。2曲目は「守護天使」。この曲は2002年のOriginal Loveのアルバム『ムーンストーン』に収録の1曲だが、田島のソウルフルな歌声で観客を魅了したところで、氷川きよし+KIINA.へバトンタッチ。

5歳の時にこの曲と出会った時のときめきや感動を鮮明に覚えているという「赤いスイートピー」を披露。氷川きよし+KIINA.の個性が際立つ、力強い「赤いスイートピー」になった。そして最新曲「白睡蓮」(しろすいれん)へ。作詞は松本隆で、GLAYのTAKUROが作曲したこの曲では、哀しみと希望が交差する歌詞が客席に大きな感動をもたらした。

「硝子の少年」の星屑JAZZアレンジバージョン


それまでのしっとりとしたアダルト路線から、一気にきらびやかな雰囲気で登場したのが、ミッツ・マングローブ、ギャランティーク和恵、メイリー・ムーによる3人組・星屑スキャット。オリジナル曲だけでなく、カバーのセンスの良さにも定評がある星屑スキャットだが、まずは少年隊の「バラードのように眠れ」をカバー。そして、もう1曲はなんとKinKi Kidsのデビュー曲であり、ミリオンヒットになった「硝子の少年」を星屑JAZZアレンジバージョンで。今年結成20周年を迎えた彼らのキャリアを感じさせる、ゴージャスなステージであった。

続くは安藤裕子。『風街ガーデンであひませう2017』に出演した際にも歌われた、C-C-Bの「ないものねだりの I Want You」を披露(2017風街ver.)。安藤裕子のボーカルの個性が際立つシティポップ風のアレンジが印象的であった。そして、大滝詠一作曲による、薬師丸ひろ子の大ヒット曲「探偵物語」へ。どこか安藤裕子の世界観にも通ずる名カバーであった。

佐藤竹善から感じる大滝詠一と松本隆への深いリスペクト


そして、親しみやすい笑顔で登場したのは佐藤竹善。青森県に住む学生だった彼がまだ見ぬ世界を見せてもらったという、大滝詠一のアルバム『A LONG VACATION』から、「雨のウェンズデイ」「恋するカレン」をカバー。大滝詠一と松本隆への深いリスペクトを強く感じるステージになった。

続いて登場したのは、さかいゆう。冨田ラボのアルバム『Shipbuilding』に収録された、「眠りの森 feat. ハナレグミ」のカバーからスタート。転調を繰り返す非常に難解な曲だが、歌唱力に定評のある、さかいゆうはみごとに最後まで歌い切った。今日は自身の誕生日だとトークを始めると、バックバンドから「♪ハッピーバースデー」のサプライズもあり、客席からも惜しみない拍手が送られた。そして、『風街オデッセイ2021』でも披露された松田聖子のカバー「SWEET MEMORIES」。キーボードを弾きながらSoul Ballad Arrangeを披露した。

そして、1部の最後を飾ったのは、松本隆の盟友・南佳孝。大ヒット曲「スローなブギにしてくれ(I want you)」を披露した後、アルバム『SEVENTH AVENUE SOUTH』に収録された「SCOTCH AND RAIN」で1部の幕を閉じた。

「Simple Song」をポエトリー・リーディングで披露する松本隆


15分の休憩を挟み、登場したのは鈴木茂。スクリーンには1975年の名盤『BAND WAGON』のジャケットが映し出され、「砂の女」「微熱少年」を披露。年齢を重ねても、ひとたびギターを抱えればギター少年に戻ってしまう、鈴木の瞳の輝きがとても印象的であった。

そして、このイベントの主役である松本隆が登場。南佳孝のアルバム『SPEAK LOW』に収録された「Simple Song」をポエトリー・リーディングで披露。主役の登場がこの一幕というのも、松本隆の美意識の高さを感じさせるようであった。

決して色褪せることがない松本隆が描き出す世界


そして舞台は、第2夜のクライマックスとも呼べるコーナーへ。出演した女性アーティストによる松田聖子のカバーという贅沢な時間となった。山本彩は「渚のバルコニー」「Rock'n Rouge」、大原櫻子は「白いパラソル」「時間の国のアリス」、清水美依紗は「ガラスの林檎」「制服」、そして新妻聖子は「風立ちぬ」「瑠璃色の地球」をカバー。発表から40年以上の歳月が経過している曲であっても、松本隆が描き出す世界は決して色褪せることがないということを改めて実感できたコーナーだった。

日本のレジェンドたちによるバックバンドの紹介が終わったところで、満を持して綾瀬はるかの登場。福島の会津若松で行われていた “会津藩公行列” のイベント終わりに駆けつけた綾瀬は「瞳はダイアモンド」「赤いスイートピー」を披露し、本編は幕を閉じた。

エンディングははっぴいえんど「春よ来い」


そして、アンコールに再び登場したのは鈴木茂。はっぴいえんどの「花いちもんめ」をみごとに披露。そして最後に田島貴男、佐藤竹善、さかいゆうが登場し、はっぴいえんどの「春よ来い」でエンディングを迎えた。

約3時間半にわたるステージではあったが、時折スクリーンに映し出される松本隆の歌詞をしみじみと噛みしめた方も多かったはずだ。最後は出演者全員がステージに登場し、綾瀬はるかから松本隆に花束贈呈が行われた。客席にいた細野晴臣が紹介される一幕もあり、“細野さんがいなければ はっぴいえんども今の松本隆もなかった” という言葉がとても印象的であった。

もともと、『風街オデッセイ2021』でイベントは終了するつもりだったそうだが、周りからの強い薦めもあり、今回の『風街ぽえてぃっく2025』の開催に至ったそう。本人的には最後のイベントだと笑いながら語っていたが、60周年のイベントが開催されることを願い、会場を後にした。

PHOTO:CYANDO


Information
~松本 隆 作詞活動55周年記念 オフィシャル・プロジェクト~風街ぽえてぃっく2025

WOWOWでの放送が決定!
・第一夜:風編 11/23(日・祝)午後4:45〜
・第二夜:街編 11/23(日・祝)午後7:30〜

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