東日本大震災が起きた2011年に真っ先に来日してショーを開催した「ポール・スミス」が14年ぶりに日本で再びショーを開催
「ポール・スミス(Paul Smith)」は3月19日、東京・上野の表慶館でランウェイショーを開催し、2025年秋冬コレクションを発表した。「Rakuten Fashion Week TOKYO 2025 A/W」における支援プロジェクト「バイアール(by R)」としてのショーであり、サー・ポール・スミス(Sir Paul Smith)も来日した。
日本とサー・ポール・スミスとの絆は深い。東日本大震災が起きた2011年に日本を支援するためにトランクひとつで単独で来日し、10月に東京でショーを開催。フィナーレには日の丸を掲げて登場し、震災の傷跡がまだまだ大きく残る日本を励ました。それから14年が経ち、再び日本でショーを開催するとあって、会場には多くの関係者が詰めかけた。
2011年に開催された「ポール・スミス」のランウェイのフィナーレ
今シーズンのテーマは「フォトグラフィー」。写真家で実父のハロルド・B・スミス(Harold B. Smith)の作品にインスパイアされたコレクションで、「ポール・スミス」の代表的なストライプ柄のニットやポール・スミス自身が撮影した蘭の花がプリントされたシャツなど、英国のテーラードをベースにした力強いプレゼンテーションだった。
ポール・スミスが育った英国のノッティンガムで「ビーストン・カメラ・クラブ(Beeston Camera Club)」を創設したという父・ハロルドは、「あらゆるものの中にインスピレーションを見つけることができる。もし、見つけられないならもう一度見てみることだ」と、よく話していたという。ポール・スミスにとってこうした言葉がファッションデザイナーの資質を育んだという。
前日には大阪で取材だったというサー・ポール。その精力的な姿勢は14年前と全く変わっていない。今回のショーのフィナーレでは、祝福の投げキッスであった。