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参議院選挙の結果は「全体を見ないビュッフェ」のようだった

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、7月28日の放送に政治ジャーナリストの角谷浩一が出演。「参議院選挙の総括」をテーマに、選挙の結果について解説した。なお今週、長野智子は夏休みとなっている。

角谷浩一「(参議院選挙における自民党の敗北は)石破さんのせい、と言い切れるのか、と。石破さんはどこかで責任をとらなければいけない、けじめが必要、という声はわからないでもない。でもなぜそうなったのか、という根本の話は、石破おろしをしたい人たちの荒っぽいお金の使い方、また裏金づくりだったんじゃないですか、と」

鈴木純子(文化放送アナウンサー)「はい」

角谷「それから旧統一教会の話はどうなったのか。全部うやむや。自民党がそれは決着して、選挙で勝てば白紙委任を受けた、といままでやってきた。でも今回、負けているんだから。既にあなたたちのやり方がノー、と言われているのに」

鈴木「トップをすげ替える方向に転換している感じがあります」

角谷「今回の選挙、全体を見るとね。立憲民主党は、弱っている自民党を追い込む、もっと議席を増やさなくてはいけなかった。だけど議席は前回どおり」

鈴木「22から横ばいでしたね」

角谷「これがダメだった。代わりになる政党だと有権者に思われなかったんでしょう。野田さんは『消費税のことをやる』などいろいろ言っていたけど、この人、じつは増税派じゃないですか、ということも国民に見抜かれていた。そう考えると野党がまとまるどころか、立憲民主党に期待が集まらなかったというところが、国の政治全体の停滞を示している。石破さんもダメだけど野田さんもダメ、という結論が日本の政界全体の問題点にあるんだと。それから日本ファーストというのが各保守系の新興政党から言われましたね」

鈴木「はい」

角谷「そのとおりだ、と投票した方、多いと思う。けれど、この50年ぐらいの日本の政治の歴史を見ると、55年体制といって自民党と社会党、共産党が勢力としてあって。民社党、公明党などがもう少し勢力を持って。93年の細川政権ができるまでずっと55年体制だった。わかりやすくいえば自民党にするか社会党にするか、このどちらか。小選挙区制になる前、中選挙区制時代のほうが2大政党に近い雰囲気があったんです」

鈴木「はい」

角谷「自民党か社会党か。右か左か、みたいなわかりやすい選挙ができた。ところが今回の選挙、政党がたくさんできて、どこを選んでいいかわからない、と。昔は荒っぽくいえば『朝ごはん、洋食にするか和食にするか』みたいな選び方で良かった。それがバイキング、ビュッフェ状態になった」

鈴木「ありとあらゆる食事が、ね」

角谷「ここはこれが食べられます、ここはこんなのがあります、と。博多華丸・大吉さんから教わったんですけど、朝のホテルのビュッフェはまずお盆を持たずに手を後ろに回してひと通りぐるっと回る。どんなものがあるかまず見る、それがバイキングの基本だと」

鈴木「全体像をまず把握する」

角谷「俯瞰で見ることが大事で。なぜかといえば並んで、出てきたものから『お、うまそうだ』と、家で食べているものもどんどん食べる。カレーまでかける。来たもの、来たもの、どんどんよそって。後半に『えっ、こんなのあった? もう無理だ』となるじゃないですか。今回の選挙、そんな感じなんですよ。全体をみんなゆっくり見たのかな、と」

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