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ヌトミック、新作音楽劇『何時までも果てしなく続く冒険』 出演者コメントなど見どころを紹介

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ヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』

2025年1月17日(金)~19日(日)吉祥寺シアターにて、ヌトミックの新作音楽劇『何時までも果てしなく続く冒険』が上演される。

ヌトミックは作曲家・演出家の額田大志を中心に、音楽の方法を活かした作劇で活躍する演劇カンパニー。2022年には『ぼんやりブルース』が第66回岸田國士戯曲賞の最終選考に選出された。本作は新作の日本語音楽劇で、ヌトミックの劇場長編作品は4年ぶりとなる。

出演者は俳優の佐山和泉、矢野昌幸、ヌトミックの長沼航、原田つむぎのほか、ベルギーと日本を拠点に古楽から現代音楽までを歌い上げるソプラノ歌手の薬師寺典子、そしてトラックメイカー/シンガーの ermhoi が演劇作品に初出演。さらにギタリストの細井徳太郎、ドラマーの渡健人、シンセサイザーの額田大志が加わり全編生演奏で上演。

開催約1ヶ月を前にし、本公演のみどころをいくつか紹介する。

アフタートークゲスト決定

劇団としては4年ぶりに劇場にて新作を上演するにあたり、「言葉」や「言語の語り方」を音楽との結びつきの中で考え、それを表現としてどのように提示できるかという点に取り組んでいる。その中で脚本・演出・音楽を手掛ける額田が、日頃刺激や影響を受けるクリエイターを呼び、上演後のアフタートークを開催。作品を多角的に紐解いていく。ゲストは、いとうせいこう、柴崎友香、つやちゃん。

いとうせいこう

つやちゃん


作・演出・音楽を手掛ける額田大志より作品最新情報

音楽リハ(左から)渡健人、ermhoi、薬師寺典子、細井徳太郎

音楽のリハーサルに望む出演者。ermhoi と薬師寺典子は俳優としても出演し、スタイルの異なる歌声が混じり合う上演となる。

俳優稽古(左から)佐山和泉、ermhoi、矢野昌幸、長沼航

戯曲を読み合わせる出演者。口語や文語が入り混じり、話しかける対象もシームレスに変わっていく台詞について、演じ方を皆で話し合う。

■作品の概要(更新版)
11年前の新宿で亡くなった一人を巡り、姉、親友、偶然居合わせた人々などが、口々に「その日」の記憶を語り出す。飛び出す様々な言葉は、それぞれの記憶と紐づきながら、幾度も「その日」へと繋がっていき、ときにはあるはずのない記憶に塗り替えられていく。やがて死者が語り出し、永遠に続く記憶の旅はある事実へと辿り着き……。

■音楽について
エレキギター、シンセサイザー、ドラムを中心に、ほぼ全編に渡って演奏が続く。作品の軸となるフレーズが物語の進行に応じて、様々な形で反復/変奏され続けていくミニマル・テクノのようなストイックな演奏となる。一方で、ギターの細井徳太郎による音響的なアプローチも随所に挿入され、上演が進むにつれて、徐々に音楽ジャンルが変容していく様も味わえる演奏になっている。さらに音楽の流れに合わせて、演者による歌やラップのような台詞がシームレスに重なり、特にermhoi、薬師寺典子によるバックグラウンドの異なる発声が一つになる瞬間は、他では聴くことのできないサウンドとなっている。

稽古風景解禁、出演者・ミュージシャンからのコメント

■ermhoi ― トラックメイカー/シンガー
台本はある。ストーリーも面白い。でも言葉の読み方にも色々あり、立ち振る舞いにも色々あり、それによって物語は何通りにも違って聞こえてくるし、毎回意味が変わってくる。役者なのか演出家なのか、その場にいる全員の思考が常に回り続けるような稽古は、それはそれは不思議。

■薬師寺典子 ― 声楽家
普段は現代音楽を歌っています。新しい世界に飛び込むつもりで参加したヌトミックのリハですが、知見の広い共演者達からベリオやラッヘンマン、ファーニホウについて話しかけられ、世界は地続きだったとホクホクしています。ライヒが絶賛したという額田さんの音楽も楽しみです。世界の最小単位と繰り返しについても、ぜひ様々な人に見て頂いて、感想を頂けたら嬉しいです。

■佐山和泉 ― 俳優
このお話の気持ちたちに、この音楽劇の音や言葉や音楽や、空気や光景や、何かがよきものとしてちょっとでも届いたり追いついたりが叶ったらいいな。そんな気持ちでいる稽古序盤です。さてどこまで行けるかな。楽しみです。

■矢野昌幸 ― 俳優
今作は演劇公演になるのか、音楽のライブになるのか。渋くなるのか甘くなるのか知らず。「やっぱ自分の踊り方でおどればいいんだよ」ありがとうございます。暗黒大陸目指します。何卒よろしくお願いいたします。

■長沼航 ― 俳優
演劇を初めてまもないときに立った吉祥寺シアター。その舞台に、ヌトミックの本公演で戻って来れることが嬉しいです。しかも、強力な俳優・音楽家の皆さんとの共演、楽しみすぎる! この数年でヌトミックが扱ってきた主題、培ってきた技術を丸ごと投入した大事な作品になりそうです。劇場でお会いしましょう。

■原田つむぎ ― 俳優
ある日の稽古で出てきた「群雄割拠」という言葉。幾人もの実力者たちが対立するさま、とのことなのですが、今回争ってはいないものの、色んなジャンルやスタイルの強力な出演者たちによるヒリヒリとしたぶつかり合いと、反対に不思議な調和が見られそうな予感があります。ヌトミック4年ぶりの劇場長編作品、劇場にいない間にゆるやかに題材としていたことに正面から向き合うことになりそうです。気合いを入れて準備していますので、吉祥寺シアターまでぜひお越しください。

■細井徳太郎 ― ギタリスト・シンガーソングライター
「額田大志」という名前を初めて見たのはおよそ10年前に六本木 Super Deluxeで開催されていた"Jazz Summit Tokyo"でのことだった。石若駿、新井和輝、常田大希、中山晃子、井上銘、寺久保エレナ(敬称略)今をときめく同年代のミュージシャンたちが参加していたイベント、その中に彼の名前もあった。彼の音楽を演奏するのは2度目のことで、彼の演劇を共に作るのは初めてのこと。とっても楽しみです。

■渡健人 ― 音楽家・ドラマー
ドラムを担当する渡です。豪華なメンバーの中に参加できること光栄に思います。
まだ稽古が始まったばかりですが、額田からは既に果てしない音楽の構想が伝えられています。これまでのヌトミック作品ともまた違うアプローチが試されているように思います。今後の稽古も楽しみです!

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