それは闇バイトの手口! オープンハウス、従業員対象に「トクリュウ型犯罪」防止研修を実施
オープンハウスグループ(東京都千代田区)は12月24日、匿名・流動型犯罪グループ(通称トクリュウ)に関する社員向け研修会を開催したと発表した。この研修は、若者が犯罪に巻き込まれる事態を未然に防ぎ、社員が家族や友人へ注意喚起を行うことを目的に企画された。約600人の社員が、会場での研修やストリーミング配信を通じて参加した。
若者を狙う「闇バイト」の実態
警視庁から講師を招いた講義では、SNSでの「高額バイト」「即日即金」といった言葉を使った勧誘手口や、秘匿性の高いアプリを介した個人情報搾取の実態が説明された。警視庁への相談件数は前年比約3倍に増加しており、多くの若者が犯罪組織に利用されている現状が指摘された。
さらに、学生時代の知人からの誘いで犯罪に関与してしまうケースや、個人情報を人質に取られ逃げられなくなる被害例が報告された。万が一関与した場合、警察相談ダイヤル「#9110」や緊急時の110番通報の重要性も強調された。
参加者からは、「身近な知人がきっかけで犯罪に巻き込まれるリスクを知った」「勧誘の流れを把握したことで周囲へ注意喚起したい」との感想が寄せられた。同社では、研修を通じて得た知識を周囲に共有する啓発活動を積極的に推進し、社会的責任を果たしていくとコメントする。
暴力団に代わる新たな組織犯罪 トクリュウ型犯罪の背景と対策
令和6年版警察白書によると、トクリュウ型犯罪グループは暴力団や準暴力団に代わる新たな組織犯罪として台頭している。これらのグループは、内部統制や資金の流れが不明瞭で、従来の捜査手法では実態解明が難しいとされる。
募集にあたっては、多くの場合XでのDMを経て、Signal(シグナル)やTelegram(テレグラム)といったメッセージアプリへ誘導。「高額」「即日払い」といった文言で、簡単な作業であることを訴えるケースが多いという。
また、一部の資金が暴力団へ流れる例も確認されており、両者の結節点となる人物の存在も指摘されている。
オープンハウスグループの今回の研修は、このような社会的背景を踏まえたもの。詳細は同社公式ウェブサイトで公開されている。