冬アニメ『わたしの幸せな結婚』第二期連載インタビュー第八回: 薄刃 新役・木村良平さん|「どう乗り越えていくのかをぜひ見守っていただきたい」
アニメ『わたしの幸せな結婚』(原作:顎木あくみさん著、月岡月穂さんイラスト)の第二期(TOKYO MX 毎週月曜 22:30~)が放送中です。
本作の舞台となるのは、日本古来の美意識と西洋文明の流行が織りなすロマンの香り高い明治大正を思わせる架空の時代。継母たちから虐げられて育った少女・美世が、孤高のエリート軍人・清霞と出会い、ぎこちないながらも、互いを信じ、慈しみ合いながら、生きることのよろこびを知っていく――〝愛〟と〝異能〟が紡ぐ、異色のシンデレラ・ストーリー。第二期では、 来春にも挙式を予定し、穏やかな日々を過ごすふたりに思わぬ出来事が訪れ……。
アニメイトタイムズでは、第一期に引き続き、キャストのインタビューを連載形式でお届け。第八回は美世の従兄弟・薄刃 新を演じる木村良平さんです。
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【写真】冬アニメ『わた婚』第二期:木村良平インタビュー【連載第八回】
さらにスケールの大きな物語に変化
──第二期の物語を通じて、第一期からの変化についてはどのように感じましたか?
薄刃 新役・木村良平さん(以下、木村):第二期では、キャラクター同士の関係性がより明確に形を成してきたと感じました。第一期では一人ひとりの立場があり、どう関係が築かれていくのか……例えば美世がどの道を選ぶのかといった、個々の確立が描かれていたと思います。第二期はふたりの関係性が安定しながらも、さらに周囲を巻き込んだスケールの大きくなった物語になっていると感じました。
──第二期キャストトーク付きリアル&オンライン同時先行上映会で発表された、ふたりがまっすぐと前を見つめるキービジュアルも話題となっていました。
木村:確かに、改めて見るとふたりがしっかりと並んで前を見据えているので、頼もしい印象を受けます。第一期からの成長や関係の深化が反映されているのではないでしょうか。
──第二期のアフレコ現場の雰囲気は、第一期と比べて変化がありましたか?
木村:新しく加わった方たちもいたので雰囲気には多少の違いがありましたね。(薫子役の)戸松遥さんがいたり、(芙由役の)井上喜久子さんがいたり。まあ、よく知っているメンバーなのでね(笑)。みんな仲がいいので、和気あいあいとしていました。
──アフレコの合間には、作品について話し合うこともありますか?
木村:そうですね。「こいつは本当に悪いやつなのか?」「この異能って結局どういうことができるんだろうね」みたいな話をしたり。そういうことはみんなで話してました。
──石川さんと木村さんは特に仲が良い印象があります。
木村:彼が19歳のころからずっと知っていますし、たくさんの作品で共演してますからね。そういう意味では、界人もだけど、上田さんも21、2(歳)のころから年中一緒の現場がありますし、(甘水役の)内田夕夜さんなんて、それこそ俺が20代前半のころからご一緒させていただいていますし。本当によく知った仲間ですね。
──キャスト同士で話している中で、印象的だったエピソードがあれば教えて下さい。
木村:収録期間が長かったんです。(インタビュー段階で)最終回を残しているのですが、その前のお話も先日録ったばかりで。月1本録ってるような感じでした。だからこそ、キャストが揃う時、揃わないときもあって、そして長かったので記憶もぼんやり気味で……。なんの話したかなあ……。
あ! 何がきっかけかまでは覚えていないんですけど、映画の話になったんです。確か戸松さんもいた時かな。その時、僕が「久しぶりに『恋する惑星』を見たら、やっぱり最高だった」と話したら、それまであまり会話に参加していなかった(大海渡 征役)三宅(健太)さんが急にテンションMAXになって。
「えっ!懐かしい!すごく好き!あれ、最高だよな! カッコいいんだよ〜!」ってめちゃくちゃ盛り上がったんですよ。それがすごく嬉しかったですね。
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「婦女子の会がかわいくて好きです」
──第二十一話はひさしぶりにほっこりするエピソードも登場しました。木村さんのご印象を教えて下さい。
木村:婦女子の会がかわいくて好きです(笑)。婦女子の会が行われたこと自体は台本を読んで知っていたんですけど、録っている面々はその時にいなかったんですよね。だからあとから映像を見て「ああ、こういう感じだったのか」と。
──堯人さまがそこにいるんだと(笑)。
木村:タカ子さんですね。薫子も元気そうで安心しました。重いシーンが続いていたので。
──薫子は別の場所からの参加ではあったものの、ここで現れると思わず。安心しました。
木村:別の場所にいながらも美世のことを気にかけてくれる薫子、いつでも場を温かくしてくれる葉月が、このタイミングで出てきてくれるって……なんか良いですよね。
──その一方で、「これから何かが起こるんだろうな」と思わせる堯人さまの予言、そして新の「君を困らせるものは、全部俺が壊します」という言葉とこれまでとは違う表情に、少し肝が冷える場面も。
木村:そうですね。収録時点では先の展開を知らずに演じていたので、さらに、いかにもなにかありそうな男に最後に囁かれていたことも含めて不穏だなと。
──木村さんはそのさきの展開をあえて知らないまま演じられていたのですね。上田さんもあえてそうしているといったことをおっしゃっていました。
木村:僕も原作を読まないほうが演じやすいタイプなんです。もちろん作品にもよるんですけど。
──第二期で登場するキャラクターの中で、特に気になるキャラはいますか?
木村:やっぱり薫子ですね。彼女の「友だち」というひとつの切り口がすごく好きだったんですよね。ストレートに「友だちに……」と言うキャラはいないので、それを言える薫子と、それを言われる美世の組み合わせが可愛らしくて。美世はそんなことをこれまで、言われたことがなかっただろうなと。そして、それがあってのその後の展開というのがまた痛ましい。
──でも最後の最後に、絆を深めて。
木村:そうですね。あけすけじゃないキャラクターが多いので、ああいうシンプルな人間って、それだけでホッとします。
「彼らはちゃんと乗り越えられる」
──新の今後の動きが気になるところではありますが、木村さんがもし新に何か声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか?
木村:(少し考えて)……難しい質問ですよね……。どうなんだろう。「まあ、幸せになれよ」かな。いろいろ大変だろうけど、最後は自分で選んだ道を進んでいけるといいね、って。ただ、彼が人生をかけてきた役割を……なんか消化しきれていないような気もするんですよね。なにか見いだせると良いなとは思うんですけどね。
彼は薄刃家のことと美世のことを考え、それこそが自分の使命だと思って生きてきたわけですが……とは言え美世は美世で清霞といることで安定しているわけで、「目的」はまだはっきりしていないんですよね。結局、彼の人生の意味はどこにあるのか、その答えを見つけられるといいなと願っています。
──そういう意味では清霞はストレートな性格なような気がします。
木村:確かにそうなんですけど、僕たちが視聴者としての視点から見ているからこそそう思えるのであって、実際に街や職場で出会ったら、新の方が気さくで話しやすいと感じるかも。清霞のことはむしろ「この人怖そう」と思うかもしれませんね(笑)。
でも、漫画やアニメはキャラクターの本音や素の顔を知ることができるからこそ面白いんですよね。本音を知る機会ってリアルな生活の中ではほとんどないじゃないですか。清霞に限ったことじゃなくて、フィクションの世界を見ていると「本音を知らなかったら、このひと怖いよな」と思うところはありますね。
──今後の展開について、視聴者に楽しみにしてほしいポイントはありますか?
木村:「彼らはちゃんと乗り越えられる」というところですね。いろいろな試練が立ちはだかりますが、どう乗り越えていくのかをぜひ見守っていただきたいです。甘水腹立つとは思いますけど(笑)、安心して最後まで見届けてもらえたらと思います。
[インタビュー・逆井マリ]
作品概要
あらすじ
「異能」の名家に生まれながらも
その才を持たず、家族から虐げられて育った少女・美世は、これまでに数多の婚約者たちが逃げ出し〝冷酷な軍人〟
と噂される久堂家当主・清霞のもとへ嫁ぐ。
始まりは、誰もが不幸な結末を予測する政略結婚だった。
だが、清霞は美世の偽りない純粋さに心解かれ、美世もまた、そんな清霞の芯にある優しさに心温められていく。
「旦那さまの力になりたい」――。
そう願うようになった美世は、亡き母の深い愛のもとに封印されていた「夢見の力」を開花させ、ついには清霞の危機を救う。
ふたりはお互いの存在によって幸せを知り、末永く寄り添い合って生きていくことを誓うのだった。
しかし、来春にも挙式を予定し、穏やかな日々を過ごすふたりに思わぬ出来事が訪れる。
清霞の父・正清に招待され、隠居先の屋敷へ向かったふたりを待ち受けていたのは、清霞の母・芙由の激しい罵倒。
美世は「久堂家の嫁」として認められるべく、奮闘する。
そこにまとわりつく怪しい視線の理由も知らず......。
ときを同じくして、屋敷の付近で相次いでいた
「鬼」の目撃情報を調査していた清霞は
国家転覆を企てる「異能心教」と交戦し......。
「厄災が来る」――。
帝都の平和を揺るがす、新たな事件の幕が開ける。
ふたりは、祝福された未来へ辿り着くことができるのだろうか?
キャスト
斎森美世:上田麗奈
久堂清霞:石川界人
薄刃新:木村良平
五道佳斗:下野紘
久堂正清:置鮎龍太郎
久堂芙由:井上喜久子
陣之内薫子:戸松遥
堯人:石田彰
甘水直:内田夕夜
(C)顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会
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