創業90年 横須賀で味わった喫茶店の香りを富山へ【喫茶チェリオ】レトロ喫茶の名物は総曲輪焼きスパとあんみつ
香りたかいコーヒーを飲みながら買い物や仕事の途中に足を休めたり、本を片手に静かな時間を過ごしたり…。友人と待ち合わせして食事やスイーツを楽しみながらおしゃべりに花を咲かせるのも、喫茶店の心地よい過ごし方です。
今回紹介するのは、富山市のまちなか、グランドプラザに面して店を構える老舗喫茶店。
2025年で創業90年を迎え、当時の先進的なトレンドを取り入れたというレトロで上品な空間が魅力の店です。
富山のまちなか グランドプラザに面した「喫茶チェリオ」
店があるのは、富山市のまちなか、雨天でもイベントが開催できる広場や大型ビジョンを備えるグランドプラザの目の前です。
かわいい三角屋根の看板に書かれた名前は「喫茶チェリオ」。
1935(昭和10)年の創業、2025年でちょうど90年を迎えます。富山のまちなかを代表する老舗の喫茶店です。
赤絨毯の階段、花柄のソファ…レトロで上質な空間
ガラス張りでシャープなグランドプラザの印象とは裏腹に、「チェリオ」へ足を踏み入れると店内はレトロであたたかみのある空間。
入ってすぐ正面にある本棚や観葉植物が視線を遮ってくれ、奥のテーブル席では落ち着いてくつろぎの時間を過ごすことができそうです。
2階席へとつながる階段には、踏み心地がよい赤絨毯が。
ちょっぴり優雅な装いに、気分も盛り上がります。
品のよい花柄のソファは、創業当時から布を張り直しながら使っているものなんだとか。
長年大切に使い、受け継がれてきたことがわかります。
創業者が横須賀で触れた喫茶店の文化を 富山に
現在、店を切り盛りするのは3代目の稲垣俊之さん。初代店主は祖父の正二さんです。
「チェリオ」のはじまりは、正二さんが海軍時代に横須賀で触れた喫茶店の文化を富山に持ち帰ったことから。洗練された店の雰囲気に、当時の香りが漂います。
さらに、正二さんは「富山で初めて冷房を導入した!」と周囲に自慢していたのだとか。新しいものやオシャレなものへのアンテナがとっても敏感だったようです。
名物は「総曲輪焼きスパ」 見た目は焼きそばだけど…
そんな「チェリオ」の名物は、総曲輪焼きスパ。
国産牛を使い、オリジナルの焼き肉ダレで味付けした食べごたえのある一品です。
焼きそばのような見た目ですが、焼きスパという名前にもある通り、麺はスパゲティなのが特徴です。
わざと焼き付けるように炒めることで、香ばしさが引き出されて、モチモチの麺の食感と、カリッとした焼き目が食べていても楽しく、満足感があります。
レモンをキュッと絞ると、酸味がいいアクセントになります。
甘味もはずせない! 「白玉クリームあんみつ」
近くにはデパートや商店街がある「チェリオ」。
お買い物の途中にちょっと休憩…というときにオススメなのが、甘味が「白玉クリームあんみつ」。
素朴でありながら老舗ならではの上品さもあって、添えられたチェリーに胸がきゅんとします。
大きなソフトクリームの下には、初代が考案したという自家製あんがたっぷり! 北海道産大納言小豆を使用した上品な甘さのあんです。
食べ進めると下のほうには寒天が。こちらも自家製で、ぷるぷるした食感が楽しく、最後まで食べ飽きません。
デザート感覚のホットサンド「ゆず蜜チーズ」
ちょっと小腹を満たしたい、そんなときにはホットサンド。
ハム、ハンバーグ、卵、チーズ…ホットサンドもたくさんの種類がありますが、定番のメニューの中でちょっと珍しいのが「ゆず蜜チーズ」です。
ゆず蜜のさわやかな香りと、チーズのコクと塩味が絶妙にマッチ!
甘塩っぱさがクセになります。
デザート感覚で食べられるため、若い女性客を中心に人気なんだとか。
100年に向けて つなぐ喫茶店の歴史
「何世代にも渡って愛してくれるお客さんがいる。皆さんの期待を裏切らないよう、この先の世代にも愛される店でありたい」(俊之さん)
あと10年で節目となる100周年。しかし、その後もずっと初代が取り入れた新しくて洗練された喫茶店の文化を守りたいと3代目店主の俊之さんは意気込みます。
ピラフやパフェなど、喫茶店ならではの魅力的なメニューが他にもたくさん揃う「喫茶チェリオ」。
買い物の途中に一息つくもよし、食事を目当てに立ち寄るもよし。ゆったりとくつろげるレトロな雰囲気や創業当時の空気も一緒に味わってください。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2025年7月8日放送
記事編集:nan-nan編集部
【喫茶チェリオ】
住所 富山県富山市総曲輪3丁目6−15−18−1
営業時間 10:00~17:00
定休日 水曜