Excelのセル内改行の方法。注意点や改行できない場合の対処法も
Excelを使って資料や書類を作るとき、「Enterキーを押したのに改行できない!」と困ったことはありませんか?この記事では、Excelでの改行方法を詳しく解説します。また、改行する際の注意点や改行できない場合の対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
※本記事ではWindows 11 22H2で操作を確認しています。バージョンによっては操作が異なる場合があります。
Excel(エクセル)の改行方法
Excelはさまざまな方法で改行することができます。以下で紹介する4つの方法をぜひ試してみてください。
セル内改行は「Alt」+「Enter」
通常、ドキュメント内での改行は「Enter」押せばできますが、Excelの仕様は異なります。「Enter」を押すと次のセルに移動してしまい、セル内改行はできません。
セル内の改行方法
改行したい位置にカーソルを合わせて以下のキーを押します。
Alt + Enter
※Macの場合:option + enter または command + option + enterで改行が可能です。
セル内の好きな位置で改行することができます。
セル内の改行の削除方法
改行を削除したいときは、改行した2行目の先頭にカーソルを合わせて以下のキーを押します。
Back Space
改行を削除できました。
自動改行は「配置」の「折り返して全体を表示する」
Excelのセルに長い文字を入力すると横のセルにまたがり文章が表示されますが、入力したセルの右隣りのセルへ文字を入力すると、一部のみしか表示されなくなります。「折り返して全体を表示する」を選択することで、セルの右端まできたら自動で折り返され、文章をすべて表示できるようになります。
自動改行の方法
折り返し機能を使いたいセルにカーソルを合わせ、「ホーム」タブ内の「配置」から「折り返して全体を表示する」をクリックします。
セル幅に合わせた改行ができました。文字列の高さに合わせてセルの高さも自動的に変わります。
自動改行の解除方法
自動折り返しを解除したい場合は、先程の「折り返して全体を表示する」のチェックを外します。
関数・文字コードでの改行は「CHAR関数」「TEXTJOIN関数」
Excel関数・文字コードを使って改行することもできます。 ここで使用するのは、「CHAR関数」と「TEXTJOIN関数」です。「CHAR関数」を使うと、複数のセルに入力されている文字列をひとつのセルにまとめて改行ができます。
「TEXTJOIN関数」は、複数のセルに入力されている文字列を結合し、結合するテキスト間へ指定の区切り記号が挿入できる関数で、CHAR関数を組み合わせるとデータが多い場合も楽に改行が行えます。より効率的に作業したい人はぜひ覚えておきましょう。
「CHAR関数」の方法
①まとめたい文字列と表示したいセルを決めます。
この場合は、A2セルの郵便番号とB2セルの住所をC2セルにまとめようとしています。
②表示したいセルに「=まとめたいセル①&CHAR(10)&まとめたいセル②」と入力して、「Enter」キーを押します。
「CHAR(10)」が改行するという意味です。 この場合はC2セルに「=A2&CHAR(10)&B2」と入力します。
③このようになります。まだ、関数を入力しただけでは改行はされません。
④郵便番号と住所を改行するには、表示したいセルを選択して「ホーム」タブの「配置」から「全体を折り返して表示する(画像の赤枠)」をクリックします。
⑤そうすると、このように改行されました。
「CHAR関数」の解除方法
以上の改行方法は、「全体を折り返して表示する」を再度選択すると、改行前の結合した状態に戻せます。結合前に戻したいときは、CHAR関数を消すことで解除も可能です。また、別の関数を使って改行の削除もできます。ここでは、データが多い際に役立つ「CLEAN関数」を使った解除手順を紹介します。
①B2セルの文章内にこのような改行があるとします。
②この文章を改行なしにしたい場合は、空いているセルに「=CLEAN(文字列)」と入力して「Enter」キーを押します。
この場合は隣のセルC2に、「=CLEAN(B2)」と入力します。
③このように改行なしの文章が生成できました。
「TEXTJOIN関数」の方法
①まとめたい文字列と表示したいセルを決めます。
この場合は、A2セルの郵便番号とB2セルの住所をC2セルにまとめようとしています。
②表示したいセルに「=TEXTJOIN(CHAR(10)TRUEまとめたいセル①:まとめたいセル②)」と入力して、「Enter」キーを押します。
この場合はC2セルに「=TEXTJOIN(CHAR(10)TRUEA2:B2)」と入力します。
「CHAR(10)」が改行するという意味です。「TRUE」を入れることで文字列が入力されていないセルを無視、「FALSE」で文字の入力されていない行列が作れます。
③このように、結合した文章が改行されます。
「TEXTJOIN関数」の解除方法
TEXTJOIN 関数が適用されているセルを選択し、削除キーを押してセル内の数式を削除すると解除されます。もしくは、「CHAR関数」の解除方法で紹介した「CLEAN関数」を使います。
「置換」機能を使って一括改行
改行したい文字列が大量にある場合に役立つ、文字の「置換」機能を利用して、一括で改行を挿入する方法を紹介します。
「置換」で改行をする方法
この方法は、指定した文字を改行に置き換えるというもの。「句読点の位置で改行したい」「半角スペースの後で改行したい」など、一括で置換できる条件がある場合に有効です。
ここでは句読点「。」の後に必ず改行を入れるという設定をしてみましょう。
①一括改行したいセルを選択し、「ホーム」内の「編集」、「検索と選択」から、「置換」をクリックします。
※「Ctrl」+「H」キーで「検索と選択」を表示することもできます。
②タブの「置換」を選び「検索する文字列」のところに「。」を入力します。「置換後の文字列」には、「。」を入力したあと 「Ctrl」+「J」キーを押して、「すべて置換」をクリックします。
※このとき「置換後の文字列」は、見た目は「。」しか入力されていないように見えますが、問題ありません。入力欄の下の小さな黒点の点滅で、入力されているかを判断可能です。
「Ctrl」+「J」は、改行を意味する操作です。つまり、「。」を「。」 +「改行」に置き換えているということになります。
③これで「。」の後に改行が入るようになりました。
「置換」で改行を削除する方法
上記と同じ一括置換を使って大量の改行を一気に削除することもできます。
①一括改行したいセルを選択し、「ホーム」内の「編集」、「検索と選択」から、「置換」をクリックします。
※「Ctrl」+「H」キーで「検索と選択」を表示することもできます。
②タブの「置換」を選び「検索する文字列」のところで「Ctrl」+「J」キーを押します。「置換後の文字列」には、何も入力せずに「すべて置換」をクリックします。
※入力欄に何も表示されていなくても、前回置換した文字が残っている場合があります。うまくいかないときは「Ctrl」+「A」で全選択後、削除をするか置換したい文字を上書きしましょう。
③これで改行が削除されました。
Excel(エクセル)で改行をする際の注意点
セル内改行をするとき、ひとつ注意点があります。 それは、記事の冒頭で紹介した、「Alt」+「Enter」での改行と、折り返し機能で行った改行が混在しているような場合です。
下の画像は、一見すると同じように改行された文字列に見えます。
しかし、関数を使って両者が同じ値かを調べてみると……
「FALSE」と表示されました。これは両者が同じ値ではないという意味です。両者が同じ値場合は「TRUE」と表示されます。
このように見た目は同じなのに値が異なる場合、関数やマクロで処理をするときに面倒なことになるため注意が必要です。
改行できない場合の原因とその対処法
Excelのセル内の改行がうまくいかない場合、以下のことが考えられます。
編集モードになっている セルの行間が狭い テンキーのEnterを押している
編集モードになっている場合、改行が行えないことがあります。セルを選択した状態で「F2」キーを押すかセルをダブルクリックすると、編集モードから入力モードへ切り替えができます。また、セルの行間が狭い状態だと、改行されているのかが分かりにくい場合もあります。セルの範囲を広げることで、改行されているかが分かるようになります。キーボードによってはテンキーが付いていることもありますが、テンキーのEnterを押しても改行はできないので注意が必要です。
まとめ
今回は、Excelのセル内改行の方法を紹介しました。セル内改行の方法は以下のとおりです。また、ここまでご紹介したExcelの改行で使える便利なショートカットキーも紹介します。
【改行方法】
Alt + Enterを入力する 「折り返して全体を表示する」にチェックを入れる 複数セルの文字列をひとつのセルにまとめてから改行したいときは、CHAR関数やTEXTJOIN関数を使う 改行条件を指定して置換機能で一括改行する
【ショートカットキー】
「ホーム」タブ内の「検索と置換」を開く:Ctrl + H 置換機能で改行コードを入れるとき:Ctrl + J
いずれもとても便利で作業効率をアップさせてくれる方法なので、ぜひ覚えて活用してくださいね。
【使用環境】 Windows11 / Microsoft 365
関連記事: IFERROR関数の使い方!画像付きで分かりやすく解説【Excel】 Excel(エクセル)のVLOOKUP関数の使い方を画像付きで分かりやすく解説 「仕事術」記事一覧