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吉祥寺・井の頭公園内の『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』で、フランス仕込みのガレットを

さんたつ

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吉祥寺駅から徒歩10分。井の頭公園内にある『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』は、四季の移ろいを感じられるカフェ。画家で人形作家の吉田キミコさんがオーナーを務め、店内にはビンテージのインテリアや吉田さんの描いた絵が飾られている。フランス産のそば粉で作った名物のガレットはシンプルで味わい深い。

カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館(かふぇ・どぅ・りえーぶる うさぎかん)

アーティストたちのサロン「カフェギャラリー宵待草(よいまちぐさ)」に次ぐ吉田キミコさんのカフェ

吉祥寺と聞いてまず思い浮かべる場所のひとつが井の頭公園だろう。敷地は井の頭池がある辺りだけだと思っている人も多いかもしれないが、総面積は池のおよそ10倍で約43万平方メートルもある。池のあるエリアから動物園(井の頭自然文化園)の方面へ歩いていくと、いかにも絵本に登場しそうな木造の『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』を見つけた。

井の頭公園と住宅地の境目にある、森の中にたたずむカフェだ。

店頭にあるメニューを見るとどれもおいしそう。店内はメルヘンチックで、童話のようにウサギやクマがお茶を入れてくれそうな雰囲気だ。ビンテージ家具に囲まれたレトロな印象の空間だが、『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』がオープンしたのは2006年。建物は歴史が古いが平成生まれのカフェだった。

カウンター席からは公園内の森を眺めることができ、目の前をワンコと一緒に散歩する人たちが頻繁に通り過ぎていく。店内は犬の同伴が可能。

スタッフさんによれば、ここはオーナーで画家・人形作家の吉田キミコさんがオープンさせたカフェで、吉田さんと縁の深いフランスの郷土料理ガレットと、ハーブティーを中心に提供しているのだという。ちなみに店名にある「リエーブル」とは、フランス語で野ウサギを意味する。

白と緑を基調にした店内。

「以前はこの辺りに住む人がちょっとした買い物をする商店だったそうですよ。ほら、昔は食品や日用品を一緒に販売しているようなお店があったじゃないですか。この商店の方が引退すると聞いて、オーナーが店を譲り受けたんです」

店を譲り受けたオーナー・吉田キミコさんだが、以前に井の頭公園の中にあった「カフェギャラリー宵待草(よいまちぐさ)」も経営していた。「カフェギャラリー宵待草」は、アーティストや起業家たちのサロン的な存在で、その中には小説『下妻物語』などで知られる作家・獄本野ばらさんもいた。今でも交流は続き、原作が映画化された『ハピネス!』(2024年公開)では作中に吉田さんの絵画が登場している。ちなみに吉田さんのファンは世界各国にいて、この『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』も近年とくに増えている外国人客に好評を得ているとか。

地下1階のギャラリーでは吉田キミコさんの作品が見られる

フランスに留学し、絵を学んでいた吉田キミコさん。絵の技術はもとより、フランス文化にも造詣が深かった。そんな吉田さんの好きなものがぎゅっと詰まっているのがこの店だ。

カウンター席に飾られていた吉田キミコさんの作品。モチーフにしばしば少年、少女や動物が登場する。

吉田さんは2010年に「カフェギャラリー宵待草」を手放し、新しい経営者に引き継ぐと、それまで並行して運営していた『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』に拠点を移す。2階の屋根裏部屋をアトリエ兼住居にし、1階ではカフェを運営しながら創作活動をしていたそうだ。

地下1階には吉田さんの作品が展示してあり、誰でも見ることができる。

現在、吉田さんはここに滞在してはいないが、ふらりとやってくることもあるという。タイミングよくお会いできたらラッキーだ。

カウンター席に座りふと見上げると、壁にかかっている絵から目が離せなくなった。描かれている人物は笑顔ではないけれど、動物たちとは親しげでなんだか楽しそう。いつまでも見続けていたくなる不思議な魅力がある。

地下1階のギャラリー。額に入れられた絵画や本、人形の衣装など、さまざまな創作物が展示されている。

店内には絵画だけでなく、写真の作品や、書籍も飾られている。ぜひ実物を見てアーティスト・吉田キミコさんの世界を目の当たりにすることをおすすめしたい。

ガレットはフランス産のそば粉を使い、現地のレシピを再現

主なメニューはフランス産のそば粉や小麦粉で作ったガレットとクレープ、そして系列店の吉祥寺駅北口にある『モンタナ』のカレーだ。現在、『モンタナ』はカレーつけ麺店になっており、今は『カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館』でしか提供していないカレーのメニューもある。

「オーナーはフランスで特に親しんでいたガレットとハーブティーを提供したいという思いが強かったそうです。オープン当時は都内でもそば粉のガレットを提供する店は少なく、この店の名物になりました」

オーダー時は1ドリンク&1メニュー(食事かデザート)が必須だ。フードメニューはガレットやカレー、クレープなどのデザートがあり、種類豊富なハーブティーのほか、コーヒーや紅茶、ジュース類、ビールもある。

今日は名物のガレットを選ぼう。食事やデザートには450円をプラスして好きなハーブティーが選べるハーブティーセットがお得だというので、生ハムと卵とチーズのガレット1250円とブルーエルダーフラワー(単品700円)をオーダーした。

ポット提供のハーブティーはカップ2杯分楽しめる。

まずはハーブティー、ブルーエルダーフラワーを飲んでみましょう。ラベンダーがベースになっており、カップに注ぐと濃い紫色。

ほわわ〜んと、花の香りにうっとりしながら一口飲むと、砂糖を入れなくても後味にほんのり甘みがある。レモンを入れてしばらく放っておいたら赤みがかった紫に変わっていた。そんな変化も楽しい。

お茶に含まれていたバタフライピーがレモンの酸に反応し変色するが、味はそのままだ。
彩りがキレイな生ハムと卵とチーズのガレット1250円。ミニサラダがついてくる。

ハーブティーの香りに癒やされたところで、フランス産そば粉で作ったガレットもいただきます〜! 端っこのほうはカリッとしていたけど、全体的には想像以上にもっちり。仕上げにかけてあるグリュイエールチーズと生ハム、固めにゆでたブロッコリーを生地で包みこみ、半熟玉子を絡めて食べてみた。ときおり差し込んでくるピンクペッパーの上品な香りとパプリカパウダーの風味が華やかで、次のひと口へと誘ってくれる。

とろ〜りとした卵を絡めて食べるとさらにおいしい!

「ガレットはうちの名物なのでみなさんオーダーされるんですけど、見た目よりボリュームがあるんですよね〜」とスタッフさん。そうですよね、やっぱり……。ガレットをおやつ感覚でオーダーしたけれど、そもそもフランスでは食事として食べられていると知ったのはオーダーした後だった。やってしまった……。

おなかに余裕があればクレープかカレーも食べたかったが今日はとんだ誤算。再訪した時の楽しみにとっておこう。2杯目のエルダーフラワーを飲み干すとますます満腹になった。腹ごなしにもう少し公園を散歩してみようかな。

カフェ・ドゥ・リエーブル うさぎ館(かふぇ・どぅ・りえーぶる うさぎかん)
住所:東京都武蔵野市御殿山1-19-43/営業時間:10:30〜18:00/定休日:無/アクセス:JR中央線・京王電鉄井の頭線吉祥寺駅から徒歩10分

取材・文・撮影=パンチ広沢

パンチ広沢
ライター・ドローンパイロット
学生時代、爆笑問題さんにインタビューしたのをきっかけに阿佐ケ谷に住み始め、以来30年もの中央線沿線ウロウロLIFE。グルメ、旅、エンタメいろんな仕事を幅広く担っているが、とどのつまり人の話を聞くのが好きなんだなあと思う今日この頃。2024年二等無人航空機操縦士の資格を取得しドローン関係の仕事も開始!

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