アニメの音響監督って中間管理職なんです・・・音響監督の愚痴!
宮藤官九郎さんがいろんな職業の愚痴を聞く番組。
11月1日の放送は、音響監督の愚痴!
Tさん
・音響監督歴15年
・︎これまでに『劇場版 すTぷり』『はTらく細胞BLACK』『テルマエ・ロマE ノヴァエ』などのアニメ作品のほか、洋画の吹き替え、ゲームやラジオ、音声ドラマなども。
Yさん
・︎音響監督になっておよそ10年。
・︎これまでに『BのBの』『魔都精兵のスレイB』『七つのT罪』など、数々のアニメ作品を担当。
T:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、チームや作品にもよりますが、音響監督って、中間管理職なんです。
宮藤:音響監督っていう仕事は、実写映画にはないですよね。
T:そうですね。
宮藤:だからピンとこないんですけど、どういう仕事か教えてもらってもいいですか?
T:アニメで言うと、アニメを作る監督がいて、その下になるんですけど、音響を専門に担当する監督、ディレクター。
宮藤:ああ。絵は作画監督っていうのがいますよね。
T:います。で、その上に普通のもう全部の監督がいますよね。
宮藤:宮崎さんとかは、そこにいるわけですね。
T:はい。そのところに音響を担当する監督がいて、その音響のバランスだったり、あとこれも作品によって監督が全部やる人もいるんですけど、基本的には、音楽のタイミングどこでかけるかとか、あとは一番最初で言うと、収録のときの演出は基本音響監督が中心になって。
宮藤:じゃあ、声優さんと関わるのは音響監督?
T:音響監督が多いです。
宮藤:そういうことなんだ!え、宮崎さんとかやらないんすか?
T:宮崎さんとかは・・・
一同:笑笑
宮藤:宮崎さんの話ばっかりしてるけど笑 どうしてもそうなっちゃうんだけど笑
T:宮崎さんとかはやられるやれる。自分でやられる方もいらっしゃるし、監督は全部現場にいるんだけど、基本その役者とのやり取りは音響監督がやる。
宮藤:そうなんだ!
T:アニメとかで言うと一番多いのが「翻訳家」にちょっと近いかもしれないすね。監督が「こうしたい」って言ったときに、その動かずに声優さんにやってもらうにはこういうふうに言うっていうのを特化した。
宮藤:そうか!へえ~!
Y:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、化け物みたいな先人がたくさんいて、ぜんぜん椅子が空かないんです。
宮藤:これはね、どこの業界もそうですよね。
Y:特に定年もないし。だから結局、アニメの監督と音響監督で、普通の事務作業とかじゃないんで。ここで「感覚が合う」とか「話が合うよね」とか、長くやっていくとやっぱチームができていくんで、そこに新人が入ってくのがマジで大変で。
宮藤:そうか。あの人とじゃないとやりたくないとかなるわけですね。
Y:やっぱ指名が多いですね。アニメの監督から音響監督指名が多いので、その間を縫って、見つけていただいて、指名をちょっとずつもらっていくみたいな。
宮藤:なるほど。「やってみたらよかった」と。「違う人でやってみたら意外とよかった」みたいな。なるほどね。
Y:逆に夢はあるんで。定年無いから、なんか何十年かして「あいつまだいるな」って言われたら楽しいなと思いますけど。
宮藤:「まだやってんだ!」みたいな。
Y:「どかないかな」って言われたい。
宮藤:どかないですよ~!「どかないかな」と思ってもどかないどかない!
一同:笑笑
T:アニメの世界は、もしかしたらちょっとその雰囲気が変わってきた部分もあるかなとは思ってて。今、アニメの監督も若くなってきたんで。音響監督は大ベテランもいっぱいいるんですけど、そことちょっとやるの辛いというか。
宮藤:そうですよね。若い監督はね。
T:若い監督何にも言えなくなっちゃう場合もあるので。そうすると、僕らも若いとは言わないんすけど、僕ら世代が選ばれる可能性は増えてきましたね。
Y:「監督若いから」とか「プロデューサーも同世代でやりたいから」みたいにもらうことあります。
宮藤:なるほどね。そりゃそうですよね!
T:ただやっぱり、大きいタイトルとかは、もう諸先輩方から食いつぶして・・・
一同:笑笑
(TBSラジオ『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』より抜粋)