【茅ヶ崎 イベントレポ】C×JAZZ 壷阪健登×デューク・エリントン - スイング・ジャズの巨匠と若きトリオの邂逅
2025年11月27日(木)から30日(日)までの4日間、「C×JAZZ(シー・バイ・ジャズ) 壷阪健登×デューク・エリントン」が開催され、初日の茅ヶ崎市民文化会館小ホールでの公演を観てきました。
「C×」シリーズ、ジャズ・ピアニスト壷阪健登を迎えて新展開
撮影:阿部章仁 画像出典:神奈川芸術文化財団
神奈川県民ホールが主催する「C×(シー・バイ)」は、2021年に始まったコンサートシリーズです。
Composer・Classic・Contemporaryの3つの「C」を軸に、オルガンやバロック音楽などさまざまなジャンルを自由な発想でクロスさせてきました。
今回新たにジャズと融合する「C×JAZZ」が始動し、その幕開けを飾ったのが、横浜市出身のピアニスト・壷阪健登さん率いる若きジャズ・トリオです。
ツアーは茅ヶ崎、川崎、三浦、葉山の4会場を巡り、ジャズ界の巨匠デューク・エリントンをテーマに展開されました。
スイング・ジャズの帝王、デューク・エリントン
撮影:阿部章仁 画像出典:神奈川芸術文化財団
デューク・エリントン(1899~1974年)は、ワシントンD.C.生まれの作曲家・ピアニスト。
半世紀以上にわたりビッグバンド「デューク・エリントン・オーケストラ」を率いたジャズ界の巨匠で、「スイング・ジャズの帝王」とも称されます。
壷阪さんは「デュークの音楽は、まさにジャズの歴史を体現する揺るぎないクラシックでありながら、いまだに解き明かしきれない謎に満ちています」と語ります。
その言葉のとおり、第1部ではデュークの楽曲と壷阪さんのオリジナル曲が交互に演奏され、両者を行き来する構成が、謎を解くための挑戦のようで印象的でした。
エリントン・トリビュートの組曲も披露
撮影:阿部章仁 画像出典:神奈川芸術文化財団
第2部では、デュークの生い立ちや人柄に触れつつ、盟友ビリー・ストレイホーンや師匠であったウィリー・スミスなど、彼と深く関わった人物にも言及。
彼らの曲に続いて演奏した『イン・ア・センチメンタル・ムード』は、壷阪さんが初めて人前で演奏したという思い入れのあるデュークの代表曲。
お互いの歴史を重ねるような構成が素敵です。
さらに人気曲の『A列車で行こう』へと続く流れは、観客を魅了しました。
また、今回の公演のために作曲された『Suite for Duke’s Fables』(神奈川県民ホール委嘱作品)は、組曲の制作をライフワークとしていたデュークに捧げる4曲構成のオリジナル作品。
厳かな序章から軽快なリズム、しっとりとしたピアノソロなどを経て、最後はアップテンポに転調して駆け抜ける、ストーリー性豊かな組曲でした。
茅ヶ崎市民文化会館での初お披露目に立ち会うことができ、光栄でした。
撮影:阿部章仁 画像出典:神奈川芸術文化財団
デューク・エリントンがコットンクラブに出演してから約100年。
現代のジャズシーンを牽引する三人のエネルギー溢れるパフォーマンスに、新たなデューク・エリントン像と音楽の無限の可能性を感じることができました。
出演者
C×JAZZ 壷阪健登×デューク・エリントン
開催日時
2025年11月27日(木)19:00開演
開催場所
茅ヶ崎市民文化会館小ホール
住所:神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎1-11-1
駐車場:あり ※近隣の指定駐車場利用で1時間無料
参加費
一般 3,000円
5歳~24歳 500円
主催
神奈川県民ホール(指定管理者:公益財団法人神奈川芸術文化財団)