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創立60周年、より洗練されゆくシャルドネハウス「ジャカール」

ワイン王国

醸造責任者のジョエル・ヴェイスさん。トゥールーズ大学農業工学科卒業。ワイン醸造学博士号を取得。前職はワインジャーナリストで、2019年より現職。日本料理とのマリアージュに興味津々

各品種の最高の土地からエレガントなスタイルを

白い花束のような可憐なアロマと凛とした酸。シャルドネの美しさが際立つのが「ジャカール」だ。軽やかで洗練されたスタイルは多くの人々に愛され、特に若い世代の女性人気が高いことで知られる。
設立は1964年。ジャカールは意欲あるブドウ農家が集結して立ち上げた協同組合のトップブランドで、現在の組合員は約1000人、総栽培面積は1500ヘクタール。そのうち300ヘクタールがジャカールの生産に使われている。サステイナブルなプロジェクトにも積極的に取り組んでいる。醸造責任者のジョエル・ヴェイスさんはこう語る。

醸造責任者のジョエル・ヴェイスさん。トゥールーズ大学農業工学科卒業。ワイン醸造学博士号を取得。前職はワインジャーナリストで、2019年より現職。日本料理とのマリアージュに興味津々

「私たちの強みは、高品質のブドウをふんだんに使えるところにあります。シャルドネはコート・デ・ブラン地区、ピノ・ノワールはモンターニュ・ド・ランス地区、ムニエはヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区と、それぞれの品種の“最高の土地”のものばかり。さらに、ジャカールを象徴するシャルドネは、モンターニュ・ド・ランスのトレパイユ村やヴィレ・マルムリー村など、シャルドネに秀でたプルミエ・クリュ(1級畑)から採れるふくらみのある味わいのブドウにも恵まれているので、理想通りのキュヴェを造ることができるのです」

それを象徴する一つが間もなくリリースされる『ブラン・ド・ブラン 2016年』だ。ヴェイスさんによれば16年は猛暑で果実に凝縮感があり、糖度が上がったという。そのアロマが素晴らしかったので、ファーストプレスに気を遣い、酸味をきれいに保ちつつ、ドザージュを少なめにするなどして、ジャカールならではのフレッシュ感を表現したそうだ。

『ブラン・ド・ブラン 2016年』品種:シャルドネ100% 日本では2025年4月以降発売予定 アヴィーズ、シュイイ、クラマン、オジェの四つのグラン・クリュから。レモンや菩提樹、アーモンドの香り。フレッシュでジューシーな味わいと豊かなアロマ。「太陽を浴びたような凝縮感のある果実味が、明るい陽光に満ちたイタリアのリヴィエラを思い起こさせます」(ヴェイスさん)

60年の経験と溢れるエネルギーで前進

また、注目したいのが『アイ 2018年』だ。アイ村のピノ・ノワールだけで造られたキュヴェだが、シャルドネハウスのチャレンジ精神が感じられ、興味深い。
「これは、ブレンド前に行う区画ごとのテイスティングでパーフェクトだった区画のもの。これだけでシャンパーニュを造りたいと、創作意欲をそそられました」とヴェイスさんは笑顔を見せる。

『アイ 2018年』品種:ピノ・ノワール100% 輸入未定 アプリコットやミラベル、マルメロの香り。繊細でまろやか、華やかなキュヴェ。「ロットごとのテイスティングで出合った運命のキュヴェ。味も香りも完璧で、これだけで素晴らしいシャンパーニュになると確信しました」(ヴェイスさん)

今年、メゾンは60周年を迎え、ポップアップストアをメゾンに設置、生産者やゲストともに盛大にお祝いしたという。
「皆さんとの絆が感じられ、とても幸福でした。人で例えるなら、60歳は、思慮深い大人でありながら、若いエネルギーに満ちた年齢。多くのチャレンジもできます。ジャカールは、まだまだこれからです」

メゾンは2024年に60周年を記念し、今年の秋、ポップアップストアを設置。世界中からの愛好家やメゾンに貢献する農家など、多くの人々が訪れた
日本では10月に記念パーティーが行われ、60人のゲストが集まり賑わいを見せた

商品の問い合わせ先:国分グループ㈱ TEL. 03-3276-4125

text by Kimiko ANZAI

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