倉敷美観地区の静けさにひたる。「阿智神社」早朝参拝
倉敷の高台にたたずむ地元の鎮守さま「阿智神社」へ早朝参拝へ行ってみました。檜皮葺きの本殿。東西の参道。そして鶴形山からのながめ。まだ人気のない倉敷美観地区のすがすがしい空気も独り占めです。 (2024年12月8日撮影)
明け方の倉敷美観地区(倉敷館)
冬の朝6時台。まだ静寂につつまれている倉敷美観地区。中橋のたもとの観光案内所「倉敷館」が暗がりの中に浮きあがっています。「倉敷館」は大正6年に建てられた擬洋風建築で、国登録の有形文化財でもあります。銅板葺きの塔屋。白い板張り。いつもとはちがう早朝のまちの気配にハッとさせられますよ。※「くらしき川舟流し」のチケット購入はこちらです。
【倉敷館 観光案内所】
所在地:岡山県倉敷市中央1-4-8
TEL:086-422-0542
開館時間:9:00~18:00(12/29、12/30は10:00~16:00)
休館日:12/31、1/1
本町通り
倉敷川沿いを貸し切り気分で少し歩いた後は、ひとつ奥の路地へ。古い町屋が軒をつらねる本町通りです。水をまく人。犬の散歩をする人。ジョギングする人。鶴形山の南麓の旧街道のくらがりの中では、商いの町の営みがもう始まっていました。
東参道
幻想的な提灯のあかりに導かれるように、神社の東参道をのぼっていきます。倉敷美観地区から最短で境内へ行けるルート。階段はすこし急ですが、右側には坂もあって坂道ダッシュをする学生さんたちの姿も見られました。パワフルな朝活に背中をおされながら、一段一段。いざ「阿智神社」へ。
烏骨鶏
「阿智神社」のある鶴形山にのぼる前から、ニワトリのけたたましい鳴き声がまちに響き渡っていました。階段の途中に鳥小屋を発見。金網のむこうをのぞきこんで見ると、朝を報せてくれている烏骨鶏が2羽。足取りも、鳴き声も、軽やかに。
随身門
石段をのぼり随身門をくぐると、倉敷の総鎮守「阿智神社」の拝殿前へ到着です。12月初旬でもまだ色づいていたもみじを撮影する人々。朝一番の参拝をすませた団体さん。みんなそれぞれの場所で、静かに、日の出前のマジックアワーの空を見あげていました。
絵馬殿
ぎしぎしと、床板をふみしめながら斜面に張り出す懸造(かけづくり)という建築様式の絵馬殿へ入りましょう。倉敷のまちが一望できますよ。刻一刻と色が変わっていく空をゆっくりながめたり、かつて海だった頃の景色を思い描いてみたり。こころ落ち着けるスペースです。
拝殿
拝殿でしっかりと手を合わせてふりかえると、空が赤く染まり始めていました。
朝焼け
濃紺、藍色、オレンジ、茜色、錆色など。あらゆる色に変化しながら、ゆっくりと一日がはじまってゆきます。
本殿
苔むした盤座(鶴石・亀石)のむこうに見えるのが、檜皮の葺き替えが完了したばかりの「阿智神社」の本殿です。30年ぶりの美しい姿の社殿は必見ですよ。本殿周辺は引き続き、2027年まで修築事業が行われるんだとか。
西参道
随身門の下で朝日を浴びる倉敷美観地区を眺めたあとは、JR倉敷駅方面へと続く西参道へ向かいました。赤や黄色の落ち葉がかさかさと音をたてる小径ぬけると、右手には阿知の藤棚。左手にすすむと小さな鐘楼が見えてきます。
鐘楼
ちょうど鶴形山トンネルの上あたりからは、白壁の路地が見えますよ。路地の左側には趣ある鐘楼。路地の右側には、大イチョウの美しい観龍寺。路地をぬけた先、倉敷公民館、有隣荘、大原美術館までが一望できる絶景スポットです。
盤座
古い家々や、新しいマンション群。えびす通り商店街のアーケードの屋根を見下ろしながら、鶴形山をどんどんくだっていきます。大きな大きな盤座のかたわらを通り過ぎたら、西参道の入り口の鳥居です。ほんとうに山まるごと神域なんですね。
【阿智神社】
所在地:岡山県倉敷市本町12-1
TEL:086-425-4898
参拝時間:一日中参拝可能
太陽
澄んだ空気の中。たっぷりと「阿智神社」の早朝参拝を楽しめました。きらきらと朝の太陽がまちを照らし始めても、まだまだ寒さ厳しい冬の朝8時。早朝からオープンしているお店でちょっと温まってから、倉敷美観地区の観光におでかけくださいね。