白山高校 焼き上がった作品に興奮 63回目の焼成と窯出し
県内で唯一の「穴窯」を備える白山高校で、焼き上がった作品を取り出す「窯出し」が5月16日と18日に行われた。
白山高校では陶芸教育に力を入れており、1993年に初代の穴窯を学校の敷地内に築窯。現在の穴窯は2001年に築かれた2代目だ。
穴窯は作品を焼き上げるのに約70時間を要する。初代の窯時代から数えて63回目となる今回の焼成は5月2日から4日にかけて行われ、昼夜問わずに薪をくべる作業を行い、1300度まで温度を上昇させて焼き上げたという。
窯の温度が下がった後に行う16日の窯出しには、同校美術部のメンバー7人と美術科の竹田一宏講師が参加。窯を塞ぐために組み上げたレンガを外すことから始め、たまった灰などを取り出した。中のスペースを確保すると竹田講師が窯の中へ。500点近くに及ぶ作品を丁寧に運び出した。竹田講師は焼き上がった作品を見せながら、窯の中の位置などによる焼き上がりの違いを説明。釉薬の出方や色の変化に、部員は感嘆の声を上げていた。
「穴窯があるというのは白山高校の大きな特徴。陶芸の魅力を広めていくため、活動を継続していきたい」と竹田講師は話している。
「薪ください」
同校では作品を焼くために必要な薪を募集している。手首ほどの太さがあり、長さが50cm以上の物ならどんな種類の木でも構わないそうだ。
「薪の価格が高騰してしまい、焼き物をするにも苦労しています。ぜひご協力ください」と竹田講師。問合せは同校美術科【電話】045・933・2231へ。