【調査】『おでん豚汁』という謎のグルメは「おでん」なのか「豚汁」なのか?
寒いこの時期を代表するグルメに「おでん」と「豚汁」がある。どちらも食べれば体がポカポカと温まる料理だが、両方を同時に食べる機会は滅多にないことだろう。
なぜなら「おでん」も「豚汁」も “汁物” だから。同じジャンルゆえ、逆に交わることはない……と思われていた。ところがどっこい、世の中には『おでん豚汁』という料理があるらしい。お、おでん……豚汁だと?
・料理の真理
『おでん豚汁』の存在を知ってから気付いたことだが、先述の通り同じジャンルの料理は交わらないことがほとんどなのではないだろうか?
例えば「ショートケーキパンケーキ」がイメージできなければ「酢豚ホイコーロー」もそう。「すき焼きしゃぶしゃぶ」や「ハヤシライスカレー」も普通にしていたら見かけない。
例外は「ナポリタンミートソース」のような料理だが、それもあくまで力技。ひょんなことがきっかけであるが、料理には「同じジャンルは交わらない」という真理があるようだ。
・どっち?
それを踏まえて『おでん豚汁』である。おでん豚汁とはおでんなのか? それとも豚汁なのか? どう考えても成立していなさそうな料理であるため、実際に食べてみるしかないだろう。
さて、その『おでん豚汁』は「ごちとん」で販売されている期間限定メニューである。ごちとんは都内に5店舗、横浜と大阪にそれぞれ1店舗ずつを展開している豚汁の専門店だ。
ちなみに「ごちとん」はアークランドサービスホールディングスの系列なので「かつや」や「からやま」の姉妹店と考えていいだろう。
情報によれば『おでん豚汁』は2023年に発売されており、当時は販売期間を延長するほどの人気を博したとのこと。また今年は赤だしを使用した『赤だしおでん豚汁定食』を販売しているとのことだ。
・食べてみた
というわけで、ごちとんの大手町店で『おでん豚汁』を食べてみることに。価格はライスと漬物付きの定食が1199円で、単品が979円となっている。やがて運ばれてきた『赤だしおでん豚汁定食』はというと……
豚汁のような……
おでんのような……?
スープに関しては圧倒的に豚汁寄りである一方で、タマゴやモチ巾着は豚汁にはない具である。さあ、ここまではおでんも豚汁も五分と五分。……が、一口食べて勝負はついた。ズバリ、おでん豚汁とは……
豚汁である!
・圧倒的に豚汁
順当と言えば順当な結果だが『おでん豚汁』は完全に豚汁であった。そのまんま「おでんの具が入った豚汁」であり、豚汁のようなおでんでは決してない。DNA的は100%豚汁と一致している。
もちろん料理としてもソツなく成立しており、タマゴやモチ巾着も特に違和感はなかった。むしろ一般的な豚汁には無い“ゴージャスで楽しい豚汁”といった印象だ。
これも食べてみてわかったことだが、汁物と汁物が合体した場合、主となるのは汁がある方。つまり今回で言えば「豚汁」のようだ。逆に汁がおでんなら、具が豚肉や大根でも「おでん」になるのだろう。
調査の結果『おでん豚汁』は「おでんの具が入った豚汁」であり、味も文句なく美味しい。もう1つ、私が思っている以上に “豚汁の懐の広さ” を感じさせる料理でもあった。
参考リンク:ごちとん
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.