イケオジが豹変!暴走する“勘違いおじさん”のリアル。「今日もキレイだね」大量に届くメッセージに戦慄…
SNSで頻繁に話題にのぼる“勘違いおじさん”。自己評価がやたら高く「まだまだ俺は若い、イケる!」という勘違いのもと、だいぶ歳の離れた女性に好意を向けたり、社交辞令を真に受けて迷惑な振る舞いをしてしまうおじさんは身近にも生息しているようです。
女性バーテンダーの恐怖体験
モモカさん(仮名/28歳)も勘違いおじさんに振り回されたことのある女性のひとり。それはモモカさんが、小さなバーでバーテンダーとして働いていた時のこと。
そのバーは常連のおじさん客が多く、どちらかというとアットホームなスナックのような雰囲気で、お客さんとの距離も近い職場だったそう。常連さんと複数人で飲みに行くことも珍しくなく、普段から和気あいあいとした場所でした。あるピアノ講師もしているスタッフは、常連さんにピアノを教えていたことも。
モモカさんは大のお酒好きで、常連さんとお酒トークで盛り上がることもしばしば。とはいえ、個人的に2人で飲みに行くことはありませんでした。そんなある日の仕事中、「一緒に飲みに行こう」と、常連のタナカさん(仮名/50歳)が誘ってきたそうです。
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紳士的な振る舞いに安心感。誘いに乗ると…
タナカさんは独身なのが不思議なくらい紳士的で、セクハラ発言なども一切ない、まさに“イケオジ”と呼ぶにふさわしい常連さんでした。
タナカさんはモモカさんが働いているバーの近くに住んでおり「近くにおいしいお酒が飲めるお店がいくつかあるから連れて行くよ」とのことでした。
「常連さんと複数人で行くならまだしも、2人きりで行くのはちょっと…」と最初は迷ったそうですが、タナカさんであれば大丈夫だろうと思い、「バーに戻って来る」という条件で誘いに乗ったそうです。
とはいえプライベートの連絡先を教えるのは気が引け、連絡のやり取りは仕事用に持っていたSNSのアカウントで行っていたそう。
穏やかな雰囲気だったけれど
迎えた当日。モモカさんはタナカさんに連れられお寿司屋さん、居酒屋と回り、最後は3軒目としてモモカさんの働いているバーへ。
飲み会は終始穏やかで楽しく、タナカさんも普段と同じような紳士的な態度で、心配することなど何もなかったそう。
しかも最後にはお酒で眠くなってしまい、バーにタナカさんを置いたままモモカさんはそそくさと帰ってしまったんだとか。
何事もなく楽しく終わった飲み会のあと、モモカさんはタナカさんにお礼と、急に帰ってしまった謝罪を送り、安心して眠りについたそう。
しかし、本当に大変だったのはこのあとのことでした…。
どんどん増えるメッセージに戦慄
飲み会のあとから、タナカさんはバーに飲みに来たあとに毎回メッセージを送ってくるようになったのです。「今日も楽しかった」「話せて嬉しかった」「今日もキレイでした」など、内容は少しずつ距離感を超えた言葉になっていったそう。
最初はモモカさんも、ただ「わざわざ丁寧な人だな」としか思っていなかったそうですが、どんどん増える頻度とメッセージの内容に恐怖を感じるようになります。
しかし、バーで直接会うときのタナカさんの様子にはあまり変化がなかったんだとか。
そんな日々が続いたある朝、ベッドから起き上がりスマホを開くと大量の通知が。深夜に届いていたそれらは、なんとすべてタナカさんからの連絡でした。「今起きてる?」「何してる?」など何十通も……。そして最後には「しつこくてごめんね」「こんなおじさんからの連絡、返したくないよね」「じゃあまたバーで」と書かれていたのです。
「しつこいってわかってるなら連絡してこないでよ…!」
朝から背筋が凍ったモモカさんは、恐怖を抑えつつ「寝ていました、すみません」とだけでも返したそう。事件はさらに続きます。
差し出されたジュエリーブランドの紙袋
そんな出来事からすぐのバー出勤で、オープンから運悪くワンオペだったモモカさん。
平日の夕方にお客さんのいない店内でひとり、モモカさんはいつタナカさんが来るのかわからず仕事が手につきません。
そしてそんな時に限ってその日初めてのお客さんとしてやってきたのはタナカさんだったのです。
席に着くや否や、「これ似合うと思って。僕の気持ち」とタナカさんが差し出したのは、なんとジュエリーブランドの紙袋。中には小さなジュエリーの箱が入っていました。
ゾッとしたモモカさんは震える声で「受け取れません!」ときっぱり断ったそうです。幸い、タナカさんは強要せず「そっかー、ごめんね」といって紙袋をしまったそう。
その後、タナカさんは徐々に来店頻度が減り、最終的にバーにほとんど姿を現わさなくなったんだとか。モモカさん自身はというと、バーではその後もしばらく働き続けたものの「もう2度と常連さんと2人きりで飲みに行くのはやめよう」と反省したそうです。
普段のバーでの振る舞いからとても紳士的に見えたタナカさん。なにが勘違いおじさんのスイッチだったのか今でもわからない、とモモカさんは語ります。モモカさん自身、飲み会でも特に気のある素振りを見せたり、無理にお世辞を言ったりしないよう気を付けていたそう。
◇ ◇ ◇
SNSでは「えっ、この発言で!?」といった、さらにあり得ない驚くきっかけで勘違いおじさんに覚醒してしまう話も目にします。
好意がないならハッキリと距離を置く、嘘でも「彼氏がいる」などと言っておくことが、今の時代を生きる女性に必要な防衛術なのかもしれません。
(ヤマコシショウコ/音楽家、ライター)