バレーボール2025男子世界選手権の注目選手 フィリピンで12日開幕
51年ぶりメダル狙う日本はトルコ、カナダ、リビアと同組
バレーボールの2025男子世界選手権が9月12日から28日までフィリピンで開催される。G組の男子日本代表(世界ランキング5位)は13日にトルコ(16位)との初戦に臨み、15日にカナダ(11位)、17日にリビア(75位)と戦う。
各組上位2チーム(計16チーム)が20日からのファイナルラウンドに進み、日本は1974年メキシコ大会以来51年ぶりのメダルを狙う。
世界ランキング1位のポーランドはオランダ(19位)、カタール(20位)、ルーマニア(22位)とともにB組、前回優勝のイタリア(2位)はウクライナ(14位)、ベルギー(17位)、アルジェリア(88位)とともにF組に入っている。今大会の注目選手を紹介しよう。
ウィルフレド・レオン
ポーランド代表のウィルフレド・レオンは世界最強のアウトサイドヒッターと呼ばれる。身長201センチ、最高到達点は実に385センチ。抜群の身体能力から放たれるスパイクとサーブは強烈だ。
出身はキューバで、なんと14歳でキューバ代表に選出。17歳だった2010年のシンガポールユースオリンピックで金メダルに輝き、同年の世界選手権では銀メダルを獲得した。
その後、2015年にポーランドの市民権を取得。2019年にポーランド代表デビューすると、2021年東京オリンピックで5位、2024年パリオリンピックで銀メダルを獲得し、2023、2025年のネーションズリーグで優勝した。
クラブでは、現在は石川祐希も所属するイタリア・セリエAのシル・サフェーティ・ペルージャで2024年までプレー。2024-25シーズンからはポーランドリーグのボグダンカLUKルブリンでプレーしている。
破壊力満点のジャンプサーブやスパイクに目を奪われがちだが、相手のブロックを冷静に見極めてコートの空白を狙うアタックも見せる。チームのピンチでも冷静な状況判断で流れを変えることが“世界最強”と称される理由だ。
ポーランドは2014年ポーランド大会、2018年イタリア・ブルガリア大会を連覇したが、2022年のポーランド・スロベニア大会は決勝でイタリアに敗れて準優勝。今大会で王座奪還を狙っている。32歳でも衰えを見せないレオンが、その立役者となるか。
シモーネ・ジャネッリ
イタリア代表のシモーネ・ジャネッリは200センチの長身セッター。2015年に19歳でイタリア代表に選ばれ、ワールドカップで正セッターとして銀メダルを獲得した。
前回2022年の世界選手権で金メダルを獲得。自身もMVPとベストセッター賞に輝いた。所属するシル・サフェーティ・ペルージャでは石川祐希とチームメイトとしてプレーしている。6、7日にLaLa arena TOKYO-BAY(千葉県船橋市)で行われた日本代表の壮行試合では、日本に連勝した。
長身ながら繊細かつ大胆なトスワークで試合をコントロールする技術は一級品。高さがあるため、トスだけでなくブロックやサーブでも大きな役割を果たす。
イタリアのスピーディで相手に的を絞らせない攻撃はジャネッリがいればこそ。パワー偏重の傾向が強い近年の男子バレーにおいて、世界で最も輝きを放つセッターの一人だ。
イタリアは1990年ブラジル大会から世界選手権3連覇し、前回大会も制したバレー王国。29歳と脂が乗り切っているジャネッリが連覇へ導くか。
髙橋藍
今大会、日本代表が上位進出を果たすには髙橋藍の活躍が不可欠だろう。石川祐希とのダブルエースでメダルを狙う。
京都府出身で、東山高3年時に春高バレーで優勝。自身もMVPに輝いた。日本体育大に進学し、2021年にイタリア・セリエAのパッラヴォーロ・パドヴァに入団。2023年、セリエAのヴェロ・バレー・モンツァに移籍し、2024年7月からSVリーグのサントリーサンバーズ大阪に加入した。
日本代表としても2021年東京、2024年パリオリンピックに出場。2023年ネーションズリーグで銅メダル、2024年ネーションズリーグでは銀メダル獲得に貢献した。
身長188センチだが、長身ブロッカーが林立する世界の舞台でもコースを巧みに突くスパイクで得点を重ねる。ジャンプサーブやレシーブも含め、総合力に優れたアウトサイドヒッターだ。
端正なルックスと明るい人柄で女性人気も高い。試合やイベントで高い動員力を発揮し、メディア露出もしながらバレー界の発展に貢献している。
まだ24歳になったばかり。日本バレーの“新時代の旗手”として、歴史を変える活躍が期待される。
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記事:SPAIA編集部