【超穴場スポットの全貌】「小学3年生」のパパママには絶対知ってほしい「地図と測量の科学館」 地図記号がどんどん覚えられる理由
小3で地図記号を習う前に行っておきたい、国土地理院の「地図と測量の科学館」(茨城県つくば市)をご紹介。日本地図を鳥のような視点からみられる3Dメガネ、測量に関する展示など幼児期から地図記号に親しめるのでSTEAM教育の一環としてもおすすめ。
こんなに楽しく学べる「地図と測量の科学館」(画像ギャラリー)新小4の娘と新中1の息子を育てる茨城県在住のエニママライター北林日菜です。
茨城県つくば市にある国土地理院の「地図と測量の科学館」に行ってきました。幼児や低学年でも楽しめる工夫がたくさんあるこの施設の魅力をご紹介します。
「もう少し早く来ておけばよかった……!」というのが訪問後の私の第一声でした。
娘が小3の1学期、地図記号のテスト対策に付き合って調べるのに苦労したのですが、あのとき「地図と測量の科学館」に来ていれば一発で覚えられたじゃん……と後悔したほどだったのです。
地図と測量の科学館って?
「地図と測量の科学館」は、日本唯一の国家地図作成機関である「国土地理院」の施設で、地図や測量に関する歴史、原理や仕組み、新しい技術などが総合的に展示されています。
「誰もが楽しみながら体感できる施設」とうたわれているとおり、地図記号のクイズや測量に関するゲームなど、子どもでも体験しながら楽しく学ぶことができます。
週末に時間ができると、よくつくば市に遊びに行っている我が家。幼稚園のときに行ったことはあったのですが、今回はもっと理解が深まるのではないかと思い、娘が小学生になって初めて訪問しました。
地図記号で顔をつくる? 自然と覚えちゃう不思議なしかけ
最初のおすすめは、1階ラウンジの地図記号の展示です。
「地図記号であそぼう」のコーナーでは、マグネットのついた地図記号が置いてあり、福笑いのように顔を作ってみる体験など、遊び感覚で地図記号に親しむことができます。
そのすぐ横には「地図記号あてクイズ」があります。私の小学生時代には存在しなかった老人ホームや自然災害伝承碑などの地図記号などもあり、子どもと対等に競いながら楽しめました。
屋外で体を動かしながら学べる「地図記号クイズラリー」の用紙もこのエリアに置かれています。
1階ラウンジの「記号あてクイズ」のコーナー。カードをめくると、正解と一緒に記号の由来が書いてあり覚えやすい仕掛けになっています。
さらに学びたいなら、2階の「地図記号の由来」の展示へ。こちらには、膨大な数の地図記号の種類や由来、変遷などが書かれた表がずらっと貼られています。
娘は地図記号の変遷がおもしろかったよう。「煙突」の煙を表している部分が明治時代から何度も変化している様子を確認していました(どんなふうに変化しているかは施設で確認してくださいね!)。記号の由来となる実物の写真もあり、スマホでいろいろと調べる手間もありません。
小3のとき、娘のテスト対策でいろんなサイトを調べたのが馬鹿馬鹿しくなってしまったほどです。お子さんに地図記号をマスターさせたいみなさんはぜひお早めに!
ガリバー気分で日本を空中散歩
「地図と測量の科学館」で学べるのは地図記号だけではありません。入館すると真っ先に目に飛び込んでくるのは床一面の巨大な日本地図。その名も「日本列島空中散歩マップ」。
3Dに見える赤青メガネをかけて、地図の上を歩くとあら不思議。空中散歩気分が味わえるんです。
「空中散歩マップ」。身長150cmの人なら上空150kmの宇宙から見ているような眺めになるように設計されています。
床に書かれた地図の凸凹がわかるようになる、赤青メガネ。
日本列島と周辺の海底が立体的に見えるのが面白いところ。日本列島を取り囲む海の上を歩くと、海溝のデコボコまではっきりわかります。小3の娘は「海の中にも山や谷があることを初めて知った」とびっくりしていました。
小6の息子は北海道の十勝平野や宮城県などの場所を挙げ、「社会で習った畑や田んぼの多い場所が、本当に平地なんだと実感した」とのこと。
私もこの展示で「つくばほど真っ平らな土地って意外と珍しいんだな」と気づき、後日まさに筑波山地域の関東平野が「ジオパーク」に認定されるほど稀有な地形であることを知りました。これも体験しなければ気づけなかったことです。
子どもも大人も知的好奇心が満たされる、ぜひ体験してもらいたいおすすめの展示です。
まだまだある子どもが夢中になる展示
2階には測量や伊能忠敬についてくわしく学べる常設展示室があったり、屋外展示もあったりとボリュームたっぷり。その中でも、我が子が特に食いついた展示をご紹介しますね。
2階に貼られているのは、明治10年代、平成10年代、令和元年の東京中心部の地図。皇居とその周辺部が、3つの時代に分けて掲示されています。
小6息子と私は「昭和時代もここはお墓だったよ!」「昭和初期はこんなに軍の関連施設が多かったんだね」など、地図の間を行ったり来たりして飽きずに比較しました。
奥から令和元年、平成10年代、明治10年代の写真パネル。
小3娘がはまったのは「3D分県パズル」。都道府県(一部例外あり)のピースを組み合わせて、日本列島を完成させます。なんと3Dプリンタで作成しているので、ピースがデコボコしており、立体になっています。単に都道府県の形を知るだけでなく、組み立てながら地形への興味も自然とわきます。
「この県と県の間には長い山脈があるのか」など、触って気づくことも。
ちなみに新年度になって小4に進級した娘。「都道府県」の単元に入ったので「地図と測量の科学館」に行き、こちらのパズルやコンピューターのクイズゲームなどを通して、理解を深めているところです。
日本列島の広さを身体で感じられる屋外展示
屋外の「地球ひろば」ではより大きなスケール感の展示を楽しめます。
直径22mの「日本列島球体模型」では「日本の最東端ってこんなに遠くにあるんだ!」と日本の領域の広さにびっくり。また、地図作成のための空中写真撮影や航空磁気測量に使用された測量用航空機「くにかぜ」も展示。地球5周半に相当する距離を飛行したという機体をじっくり見られます。
「地球ひろば」の「日本列島球体模型」では、地球の丸さを実感できます(中央の赤いコートが娘)。
のりもの好きの子には測量用航空機「くにかぜ」初号機も刺さりそう。
海外や日本各地からも訪れる穴場スポット
地図と測量の科学館の入り口では、「マッピーくん」がお出迎え。
この施設には来場者が「どこから来たか」を世界地図や日本地図などにシールで貼る展示があるのですが、世界各国、日本各地に色とりどりのシールが貼られていました。また研究施設や大学が多いつくばという土地柄か、見学した当日も何人もの外国の方がいて、展示には英語説明も併記されていました。
小さな子連れから老夫婦まで幅広い層が来ていましたが、施設自体は広々としていて混雑は感じませんでした。地図記号を学習する小3のお子さんはもちろん、それ以外のお子さんにもおすすめの穴場スポットです。
つくば市には、以前私がレポートした「サイエンス・スクエア つくば」(現:AIST-Cube(アイストキューブ))という、おすすめ学習施設もあります。
ぜひあわせて訪れてみてはいかがでしょうか。
(2025年2月訪問。学年の表記は訪問時)
地図と測量の科学館
住所:〒305‐0811 茨城県つくば市北郷1番
電話:029‐864‐1872
開館時間:9時30分~16時30分 ※最終入館受け付けは16時で終了
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は順次翌日)/年末年始(12月28日から1月3日)/臨時休館日あり
入館料:無料
詳細はHP:https://www.gsi.go.jp/MUSEUM/