「断熱」で実現する暮らしやすい家とは?健康や家計に優しく脱酸素化にも貢献
流山北小学校で県内初の「断熱ワークショップ」を監修した竹内昌義さん。昨年10月5日に、「白井再生可能エネルギー協議会」開催のフォーラムで「断熱」の大切さを熱く語りました。
窓から始める断熱で、健康で快適な生活を
「断熱男(だんねつお)」と呼ばれる断熱の第一人者・竹内さんによると、「脱炭素化政策が欧米などに比べ遅れている日本も、断熱されていない建物の改修を進めれば、無駄なエネルギー消費を削減でき、Co2排出も抑制できる。しかも住環境も快適になる」とのこと。
改修に特に重要なのは、建築の開口部。
日本でいまだ主流のアルミサッシ窓を、熱伝導率が1000分の1の「樹脂サッシ」に替えれば、夏の暑さや冬の寒さの室内への出入りを遮断し、冬に多い結露でカビが出てアレルギー疾患につながるような問題も解消。
さらに健康と脱炭素化の後押しになるそうです。
政府もここ数年やっと家の断熱に本腰を入れ、規制の甘かった基準を引き上げ、今年4月からは、数年前までは日本の最高基準だった断熱レベル4を全国の新築住宅に義務化。
さらに2030年には、ZEH(ゼッチ)(太陽光パネルなどエネルギー創出と断熱でエネルギー収支がゼロ)の家へと、急ピッチに日本の家の変革が進められるようです。
さらに重要な既存の建物への断熱対策
「ただ、新築住宅の変化だけでは2050年の脱炭素化達成は困難。既存の建物への断熱こそ重要」と訴える竹内さん。
エアコンが入っても夏暑く冬寒い住宅や学校、公共施設の窓には予算問題もあり、既存の窓に内窓を付ける「二重窓」、壁や天井、床の断熱材補強改修を推奨。
ワークショップや講演で全国を駆け巡り普及活動を展開中です。
講演では、ホームセンターや通販サイトなどでも購入可能な、自分で設置可能な二重窓キットやツインポリカ、手軽なハニカム状の断熱ブラインドなども紹介。
「まずは、お財布にも健康にも良い断熱で。脱炭素実現を!」と呼びかけていました。
冷暖房の温度調整による「我慢の省エネ」から、積極的に断熱して「エネルギーを使わず快適に過ごせる生活」へ。
できることから断熱に踏み出してみませんか。