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宮城県の一目千本桜はもう咲いた?気になって仕方がないので実際に見てきました【柴田町・大河原町】

ローカリティ!

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宮城県で桜の名所のひとつと数えられる白石川土手沿いの桜並木(一目千本桜)を楽しむにはもう少し時間がかかりそうだ。ピンクの花びらが見え始めているところもあるが、全体的につぼみはまだ固い。

白石川堤(しろいしがわづつみ)の桜はJR東北本線の船岡駅と大河原駅を中心として、柴田町船岡土手内から大河原町金ケ瀬(かながせ)まで、白石川を見下ろすように土手の上に植えられている。その距離、なんと8キロ。すぐそばにある船岡城址公園とともに、公益財団法人日本さくらの会が選定している「さくらの名所100選の地」に宮城県で唯一選ばれている。

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地図の上が南、船岡城址公園のスロープカーは車両故障のため運休していた(2025年4月5日現在)

白石川の源流は一目でたくさんの桜を望むことができるとされるこの地のほぼ真西、蔵王連峰の金山峠付近である。降雪量が多い蔵王山系の雪解け水を集める白石川はこの地域の農業を支える大切な水源ではあったが、たびたび氾濫(はんらん)していたようだ。1982年5月に発行された『大河原町史』には『年中行事のように田畑の冠水があった』と記されている。1917年(大正6年)から始まった白石川の改修工事は満6年半の歳月を経て、1923年10月に完成。川幅を広げ、流路を変え、堤を築く工事が行われた。

遠くに見えるは蔵王連峰、山頂付近にはまだまだ雪が残っている

白石川河畔の桜は、水害の憂いから解放された故郷にいる人たちがいつまでも笑顔になれるようにと、1923年大河原町出身のある個人が町に寄贈したことが始まりとされている。初めての植樹から100年が経ったが、いまも訪れる人たちを笑顔にしていることは疑う余地はないだろう。

今回は満開とはいかなかったが、どこかに咲いていまいかと、いつもよりも「花」に気持ちが向いていたことに気づいた。開花前だったため花見客が少なくて、ゆっくり鑑賞できたからであろう。

白石川堤は堤防沿いの一本道。一本一本、友人やパートナーと開いた花を探して、「一番桜、見つけた!」と叫んでみてはいかがだろうか。

いつ開花するのか、いつ見頃を迎えるか、今週末には人々を楽しませることができるのか気になるところである。

船岡駅から約1キロのところにある「しばた千桜橋」。白石川堤と船岡城址公園をつなぐ陸橋。鉄道写真を撮影する愛好家にも人気のスポットである。

黄色いレンギョウとの組み合わせが楽しみな桜のトンネル
阿部哲也

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