記者まちかど探訪 祖父母の味を中原で 下小田中「ラーメンまるみ」
「宮城ラーメン創業70年」―。そう記された赤い看板が目印の「ラーメンまるみ」。ラーメン激戦区として雑誌でも注目される中原区で、下小田中の道路沿いに、2月3日にオープンしたばかりの店舗だ。
店主の中村直志さん(53)は、会社員だったが体調を崩して退職。区内の店舗で修業をした後、同店を開いた。
なぜラーメン店だったのか。もともと祖父母が宮城県栗原で食堂を経営。そこで人気メニューだったのがラーメンだった。「店は50年前に閉店したけど、店を手伝っていた母がレシピを覚えていて、家でよく作ってくれていたのが美味しくて」と中村さん。母親にレシピを聞き、当時の味を再現。1年かけて今風にアレンジして今の味にたどり着いたという。
豚や鶏のガラをふんだんに使った出汁に、特製醤油を合わせた「中華そば」は、やや甘みを感じるこってり系。チャーシューの代わりに脂身の少ないロース肉が入っているのも特徴だ。「すっきり味が多かった70年前に、このこってりした味を出していたのは画期的で唯一無二。祖父母のスピリットがこのラーメンに詰まっている。この味を中原区で広めたい」と中村さんは話している。