特殊詐欺 被害総額1億6900万円超 「今すぐ」「あなただけ」に注意
港北警察署管内の2024年1月から11月末までの特殊詐欺発生状況は61件で、被害総額は約1億6900万円にのぼった。前年比で18件減だが、被害総額は約2200万円増。預貯金詐欺は、そのうち最も多い22件で、被害額の前年比も約3・3倍の約2000万円だった。手口は、親族・警察官などを装い「口座が犯罪に利用されている」などの名目で、被害者のクレジットカードや預貯金通帳等を騙し取るもの。警察官や税務署職員がキャッシュカードを預かりに来たり、暗証番号を聞いたりすることはないため、対策は、このような言葉が出てきた場合はまず疑うこと。親族を装う者からの連絡も、そこで話を完結せずに家族等に相談するなど一呼吸おいて判断することが重要だ。
また、発生件数は特殊詐欺ほど多くないが、区内でも大きな被害総額を記録したのが、SNS型投資・ロマンス詐欺。被害総額は約3億9500万円と特殊詐欺の2倍を超え、1件に対する被害金額の大きさが分かる。投資詐欺は、SNSやその他非対面の連絡手段から投資を勧め、金銭等をだまし取るもの。ロマンス詐欺は、同じく非対面での連絡手段を用いて被害者と複数回やり取りすることで恋愛感情や親近感を抱かせ、金銭等をだまし取るもの。いずれの手口も、やり取りが始まってから、詐欺だと気づくまで当人同士が会わないことがほとんどだ。対策としては、「かならず儲かる」「あなただけ」といった文言に注意し、会ったことのない人から金銭の話が出たら、まず疑うことだ。
生活安全課の高橋敏行課長は「覚えのない番号からの着信にはスマホの場合は応じない、固定電話の場合は留守電設定にする。その場で判断せず一呼吸を置いて、誰かに相談や、ネットで番号を調べて欲しい」とした。