市内でも「インフル」急増 昨年末に都内ワーストも
インフルエンザが5年ぶりに都の警報基準を超え、コロナ前(2019年)以来の大流行となっている。昨年末には八王子市保健所管内が、都内で最も定点あたりの患者報告数が多い地域となり、市は手洗いや咳エチケットなど感染予防の徹底を呼びかけている。
インフルエンザは38度以上の発熱や頭痛、関節痛、筋肉痛、体がだるいなどの症状が急に現れ、のどの痛みや鼻水、咳などの風邪に似た症状も見られる感染症。咳やくしゃみなどの飛沫感染、ウイルスのついた手で口や鼻に触れる接触感染などの感染経路がある。例年12月から1月にかけて流行することが多いが、コロナ禍の始まった2020年からの4年間は流行しなかった。
流行の目安は各保健所管内の1定点医療機関当たりの報告数が10人以上で「注意報」、30人以上で「警報」とされ、今冬は第51週(2024年12月16日〜22日)の時点で都内全地域が警報基準を超えた。年末で多くの医療機関が休業する直前の第52週(12月23日〜29日)には、都内で2万3625人(定点当たり56・52人)が罹患し、八王子市は1923人(同106・83人)と都内で最も高い報告数(定点当たり)になっていた。
学級閉鎖も
市内では18カ所ある定点医療機関当たりの患者数が、第50週(12月9日〜15日)に注意法基準を超えた。11月11日には市内の市立小学校2校で、今シーズン初めてのインフルエンザ様疾患による学級閉鎖の報告があった。冬休み前の12月24日時点では市立小学校14校35学級、市立中学校5校6学級が臨時休業。今シーズン累計で市立小中学校47校118学級(小学校34校86学級、中学校13校32学級)が学級閉鎖を行った。
感染拡大の原因として八王子市保健所は「一概には言えないが、コロナ収束後、人の動きが活発になるとともに、マスク着用などの基本的な感染対策がおろそかになったことなどが考えられる」とし、八王子で罹患者が増えたことについては「区部ほどではないが、人口が多く、人の動きがある地域。学校などで感染した子どもから家庭へ拡大したケースもあるのでは」と推測した。感染予防のポイントとして「こまめな手洗いやうがい、規則正しい生活、咳エチケットを心がけ、室内の換気や十分な湿度を保って」と呼びかける。