【キシャメシ】真夏に背脂の雪が降り積む圧倒的背徳感、「新潟油そばモジャ」で漢の花道を飾れ

6/30(月) 17:55配信

「背徳」「背徳感」。そのままであれば「徳に背く」「モラルに反する」という後ろめたい意味なのだが、やはり言葉ってのは生き物で、令和の今は「背徳＝後ろめたくて旨い」の意味でも使われる。反対に「ギルトフリー（罪悪感なし）」なんてワードもあるが、これこそ食のジャンルにおいて「徳に背く」ことが、いかに人々を魅惑するかを物語っているのではないか。

新潟市東区東明に「圧倒的背徳感」と看板を掲げる店があるので紹介しようと思う。新潟市東区の「新潟油そばモジャ」がその店。

写真を見てわかるとおり、まあ目立つ店構えである。2024年の11月オープンらしい比較的新しい店だが、すでに「背徳を求める」熱狂的ファンから熱い支持を集めている。評判を聞きつけて記者も一度訪店したことがあるが、確かにうまかった。その時は初めてということもあり最もオーソドックスな「新潟油そば」（税込960円）をノートッピングで注文したので、旨かったが「圧倒的背徳感」を味わうまでには至っていない。

ただ、なんとなくわかったのはモジャにおける背徳感の正体は「脂」＋「味濃さ」＋「量」という暴虐なのだ、と。

これまで記者は、ざっくりと「油そば≠脂そば」と思っていた。「汁なしラーメン」くらいの感じで、脂っこいイメージはそれほどなかったが、ここのはしっかり背脂をガンガンに降らせているからすごい。それだけに背徳感を味わうならばもっとトッピングで攻めるべきだった、と後悔した。そこで本日、2回目の訪店である。

おすすめの食べ方が書いてある。オノマトペが「ジョジョの奇妙な冒険」と「やる気マンマン」風

店内はŁの字型のカウンターとテーブル席×3というスペース。なんか、いろいろ「赤い」。いかにも漢（おとこ）メシな店にもかかわらず、意外にも女性客がけっこう来ている。おびただしい色紙の中に、芸人のや団のサインがある（ラーメン界隈で、これはポイント高い）。

カウンターに座って注文する。ここは麺の大盛無料。新潟油そばのほかにも背徳背脂麻婆麺など魅力的なメニューもあったが、基本形の新潟油そば大盛に「背徳背脂」（200円）と「Wチーズ」（200円）をトッピング。いったい、どうなってしまうのかぁ（©ガチンコファイトクラブ）。

モジャネギは追加トッピングしておくべきだったか…

オープンキッチンを眺める。どんぶりにタレを入れてから背脂をひとしきり振る、これがモジャのデフォルト。そこに茹で上がった麺、そしてチャーシューやメンマなどの具。その上から再び背脂をガンガンに振る。これぞ「背徳背脂」。さらに大量のとろけるチーズ（ダブル）。なんという「IＱ低い系メシ（でも好きだぜ）」。見ていて思わず笑みがこぼれた。

「新潟油そば」＋トッピングで「背徳背脂」と「ダブルチーズ」。背脂がネギトロみたくなっている（笑）ちなみに丼の底にも背脂の層があるのだよ

はい、着どーん。見た目は真夏の雪まつり。今日は「身体にやさしい」とかいらない、がっつり行く。

背脂の雪山を掘り起こすと、しょうゆダレがしっかり絡んだブラックな極太麺が、湯気とともに顔を出す。ノータイムでずるっと行く。・・・うっめぇや、これ。ぐいぐい攻め込んでくる濃厚さ。濃い醤油味のとがりを、背脂がマイルドに緩和している。わかる？背脂って味をマイルドにするんよ。信じられないほど、バランス良し。濃厚な旨味だがしょっぱいのとは違う。