“小学生の甲子園”に出場 チームの特徴は「メリハリ」 土曜は半日、祝日は練習なし
■練習は短時間で効率的に 土日の活動は「発表会」
メリハリがチームの特徴となっている。磐田市の中泉クラブスポーツ少年団は、“小学生の甲子園”と呼ばれる「高円宮賜杯全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」への出場を決めた。土日祝日は丸一日活動する少年野球チームが一般的な中、土曜日は半日練習で祝日は休み。限られた時間を最大限活用する工夫を凝らしてチームを強化している。
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中泉クラブスポーツ少年団は8月15日に開幕する「マクドナルド・トーナメント」に静岡県代表として初出場する。チームのモットーは「野球を通じて心・技・体を磨くこと」。技術だけではなく自主性や協調性、感謝の気持ちや目標に向けて努力する姿勢など、チームでの活動を人間力向上の場と位置付けている。
チームは土日の日中と平日の夜に活動している。ナイター練習は曜日ごとに学年を分け、1時間半ほど体を動かす。日曜日は公式戦や練習試合が多いため、朝から夕方まで活動するケースが多い。一方、土曜日は試合を除いて半日で終了する。“野球漬け”にしないのは、習い事や勉強、家族と過ごす時間も大切にしてほしい思いが込められている。
活動時間は限られているが、チームは全国大会出場を目指してきた。そこで、重視してきたのが「メリハリ」。平日はキャッチボールを中心に基本を大切にし、土日は実戦練習や試合で戦術や連携を深めてきた。チームを指揮する松井隆雄監督は、こう話す。
「練習は短時間で集中して、いかにパフォーマンスを高めるのかを意識しています。平日練習と自宅での自主練習で個のスキルを上げて、土日は平日取り組んだ内容の発表会というイメージです」
■指導者は会議で方向性の確認 時に練習の盛り上げ役
松井監督らコーチ陣は、効率的に練習するために事前にメニューを組む。チームの方向性や指導がぶれないようコーチ会議を開いてチームの課題を整理し、目標に向けた計画を立てている。そして、練習中は指導者が時に盛り上げ役となり、選手のモチベーションを高めているという。
「まだ選手たちは小学生なので、遊びたい気持ちが当然あります。ただ、グラウンドに来たからにはオンとオフをしっかりつけて、真摯に野球に向き合うように指導しています」
長時間練習すれば、上手くなるとは限らない。限られた時間を活用すれば結果を残せると、中泉クラブスポーツ少年団が証明している。
(間 淳/Jun Aida)