東海道新幹線60周年!東京駅にある「記念碑・レリーフ」たちを知っていますか?
text & photo:鉄道ホビダス編集部
▲中央乗り換え口からそのまま直進した突き当たり、18・19番線へ向かう階段そばにある東海道新幹線の記念碑。
1964年10月1日に開業した東海道新幹線は、今年(2024年)で60周年を迎えます。これに先立ち、JR東海では様々なキャペーンを開催しており、この記念すべき年を盛り上げています。
そんな中で、起点となる東京駅には東海道新幹線にまつわる様々な「碑」があるのをご存知でしょうか。
【写真】東京駅にある東海道新幹線ゆかりの記念碑・レリーフを探そう!
■「日本国民の叡智と努力」と刻まれた記念碑
18・19番線ホーム下、中央のりかえ口を直進した突き当たりに、一つの記念碑があります。発車標に挟まれる形で設置されており、意外と見過ごしてしまうことも多い碑ですが、ここにはこう刻まれています。
「東海道新幹線 この鉄道は日本国民の叡智と努力によって完成された」
東海道新幹線の開業から3年後の1967年に作られたこの碑は、誰によるものとはされず、当時の日本国民を讃えるものとなっているのがなんとも印象的です。高度経済成長期真っ只中に開業したこの鉄道は、その後日本の重要なインフラの一つとなったことを考えると、感慨深いものがあります。
そして注目したいのが「新幹線」の英訳です。現在こそローマ字がそのまま共通語となった「Shinkansen」や、前身の計画である「弾丸列車」を直訳した「Bullet Train」などが一般的ですが、この碑には「NEW TOKAIDO LINE」とされています。確かに在来線となる東海道本線に代わる新しい幹線という意味での「新幹線」としては正しいですが、今この訳を見ることはほぼありません。英訳が定まってない黎明期だからこそなものでもあり、一つの時代を表しているように思えます。
■十河総裁の新幹線記念碑
▲十河総裁の肖像と座右の銘が刻まれた記念碑。
同じく18・19番ホームの博多方の先端にも新幹線にまつわる記念碑があります。こちらは第4代国鉄総裁であり、その中で東海道新幹線の計画を実現させ、「新幹線の父」とも称された十河信二のレリーフと、座右の銘であった「一花開天下春」が刻まれた記念碑です。
鉄道開通100周年であった1972年の翌年、1973年にこの記念碑は建てられました。実はこの碑の裏面には鉄道開業100周年を記念するプレートも掲げられているほか、東海道新幹線東京〜新大阪間の開業年月日とキロ数、さらには山陽新幹線の新大阪〜岡山・岡山〜博多間開業の開業年月日とキロ数のプレートも掲げられており、この碑一つで東海道・山陽新幹線の歴史を体現しています。
ちなみに、十河は1964年10月1日の東海道新幹線開業時点ではすでに国鉄総裁から退任しており、開通式にも出席していませんでした。とはいえ彼の残した功績は大きく、記念碑という形として後世へ伝えています。
■0キロポストと起点レリーフ
東海道新幹線の起点でもある東京駅には、もちろん0キロポストがあります。こちらは線路と線路の間に設けられており、新大阪までの長い道のりがここから始まることを示し続けています。
そしてホーム上にも起点を示すレリーフが床面に埋め込まれています。足元にあるものなのでこちらもつい見過ごしてしまいがちですが、東西南北を示すコンパスと、中央には「新幹線起点」としっかり書かれています。名実ともに、ここが新幹線の始まりの場所であることが十二分にわかる象徴的なレリーフです。
東海道新幹線にまつわるものだけでも、東京駅にはこれだけの記念碑やレリーフが設けられています。新幹線60周年を機に、その始まりの場所でもある東京駅を改めて探検してみるのも良いでしょう。