猫の『寿命を削るダメな飼い方』4選 外飼い、喫煙…知らず知らずに猫を苦しめる行為とは
1.外飼いする
好奇心旺盛な猫のために、家の外を自由に出入りさせている方も多いかもしれません。しかし、猫の外飼いにはさまざまなリスクがあります。
ひとつは、感染症になったり寄生虫が付着するリスクが格段に上がることです。野良猫と接触する機会が増え、猫白血病ウイルスや猫免疫不全ウイルスなどに感染しやすくなります。茂みの中にはノミ・ダニなどの寄生虫が潜んでいることもあるため、野良猫と会わなくても健康に負担をかける可能性があるでしょう。
ふたつめは、交通事故や野良猫との喧嘩で致命的な怪我を負う可能性があることです。骨折や裂傷、脳挫傷、場合によっては命を落とすこともあります。
たとえ病気や事故に遭わなくても、外に出る習慣がついた猫はテリトリーが広がりやすくなります。悪天候や災害時など外に行けないときに無駄にストレスを溜める可能性があるため、家の中だけで飼うことをおすすめします。
2.タバコを吸う
家族の中に、タバコを吸う人はいないでしょうか。タバコは人間の健康にも害を及ぼしますが、猫にとっても悪影響があると言われています。
研究により、悪性リンパ腫のリスクが上がることが報告されています。猫の近くで喫煙しないといっても、衣類やカーテン、カーペットに付いた有害物質が、「三次被害」を引き起こす可能性があります。付着した有害物質を猫が舐めると、体内に混入してしまうことが関連するのではとされています。
また、タバコの吸い殻や灰を猫が誤飲してしまうケースも数多く報告されています。「ニコチン中毒」に陥った猫は、高血圧や痙攣など重篤な状態になるだけでなく、命を落としてしまうことも。愛猫の健康のために、禁煙に挑戦してみるといいかもしれません。
3.おやつを与えすぎる
猫を可愛がるあまり、おやつをあげすぎてしまう飼い主さんは少なくありません。満足そうな愛猫の表情を見ると、悪いと分かっていてもついつい与えすぎてしまう気持ちになるのでしょう。
しかし、おやつの与えすぎは、肥満になるリスクを高めてしまいます。肥満の猫は糖尿病や尿路結石のリスクが高まることが知られています。
肥満を防ぐためには、1日の摂取カロリーを決めることが大切です。愛猫の体重から、適切なカロリーを計算してみましょう。総合栄養食を与えた上で、与えてもいいおやつの量を割り出します。おやつは小さく刻むことで、与える回数を増やすこともできます。
摂取カロリーの調節とともに、適度な運動で消費させることも忘れてはいけません。キャットタワーやキャットウォーク、飼い主さんとの遊びなどを活用して、健康的な体作りを心掛けましょう。
4.避妊・去勢手術をさせない
猫を飼うにあたって、避妊・去勢手術をするかしないかは重要なポイントになるでしょう。さまざまな考え方がありますが、させなかった場合のデメリットについて知ることは重要です。
避妊・去勢手術をしない場合、性ホルモンや生殖器に関わる病気のリスクを減らすことができません。子宮や卵巣、精巣の病気を発症する猫の数は多く、これらを予防できるのは避妊・去勢手術の大きなメリットといえます。
また、発情行動やマーキングを抑制できないこともデメリットのひとつです。発情しても発散することができないため、精神的に負担をかけてしまうことになります。
実際に、避妊・去勢手術をした猫の方が、していない猫より寿命が長いという報告も。病気になったりストレスを抱える機会が少ないので、結果的には避妊・去勢手術が猫の健康を守ることにつながります。
まとめ
猫のためと思って取った行動が、猫の体に負担をかけてしまうことがあります。
今回紹介した内容を意識して、愛猫とより健康で幸せな時間を過ごしていきましょう。
(獣医師監修:葛野莉奈)