島の特産や歴史にちなんだ御菓子で長く愛される名店 淡路島で90年の歴史を誇る「御菓子処 長手長栄堂」で宇治抹茶かき氷にほっこり 洲本市
淡路島洲本市に、1930年の創業から90年余りの歴史を持ち、地元の人たちから愛され続ける和菓子屋「御菓子処 長手長栄堂」があります。今回は同店の茶寮に、季節の和スイーツを味わいに訪れました。
「御菓子処 長手長栄堂」の本店は、洲本市街地の目抜き通り・堀端筋にあります。ここからは「コモード56商店街」や「レトロこみち」もすぐそば。市街地散策の途中に気軽に立ち寄れるロケーションです。
ゆったりとした広い店内。手前にある大きなショーケースには、様々な御菓子がずらりと並びます。仕入れの物も合わせると、なんと常時40~50種類が店頭に並ぶのだそう。
淡路島にちなんだ店舗オリジナルの御菓子を多数扱うのが特徴の同店。淡路島特産の素材を使い、島の昔話や景勝地をテーマにした和菓子は、どれも上品で味わい豊かです。
お店で一番人気の「あわじオレンジスティック」。1994年に、全国菓子博覧会で最優秀賞に輝いた逸品です。砂糖漬けにしたなるとオレンジの皮とビターチョコレートのハーモニーが絶妙な同商品。現在、神戸阪急をはじめ関西の百貨店数店でも購入できます。
お買い物を楽しんだ後は、本店奥にある茶寮(イートインスペース)で一服。こちらでは季節の甘味や、お店で販売されるお菓子をドリンクとともに楽しむことができます。
記者は夏の定番・宇治抹茶かき氷をチョイス。もちろん、トッピングは全部乗せです!
「これぞ日本のかき氷」と言った趣の一品。茶寮のレトロな雰囲気と相まって、ふと昭和にタイムスリップしたような懐かしい気分になります。
高級抹茶を使ったシロップは爽やかな風味で、甘みはしっとり。「金時餡」は、粒の舌触りが良く、優しい甘さの中にふんわりと小豆の風味が感じられます。
こちらは、おうすと季節の生菓子のセット。京都の老舗・丸久小山園の「松柏」という銘柄の抹茶は、まろやかな苦みです。「七夕」と名付けられた生菓子は、鮮やかな青い餡子が目を引く葛餅仕立て。ガラスの抹茶茶碗との組み合わせは、初夏の季節感に満ちています。
現社長の長手康祐さんは同店三代目。京都での修行経験を活かし、同店の創業時からのお菓子作りの伝統をさらに豊かに充実させて来ました。
「長い年月の中で時代の状況が移り変わっても、地域の人に親しんでもらえるお菓子づくりを続けたい」と長手社長。島外のファンも増えたことについて、「ウチの御菓子を食べながら、島旅の話に花が咲くような楽しみ方をしてもらえたら嬉しいです」と笑顔を見せます。
基本を大切にしながら、淡路島のいろんな恵みを愛情豊かに盛り込んだたくさんの銘菓を生み出し、広く愛される同店。ほっと一息つきたいときに、ゆっくりと訪れたいお店です。
場所
御菓子処 長手長栄堂
(洲本市本町5丁目3-26)
営業時間
9:00~19:00
定休日
不定休
TEL
0799-24-1050