詩森ろば(演出)、林田麻里・李 千鶴(出演)によるユニットdialogue+1 第一弾として『The Breath of Life』を上演
2025年9月10日(水)~9月17日(水)下北沢OFF・OFFシアターにて、serial number presents dialogue+1『The Breath of Life』が上演されることが決定した。
dialogue+1は、演出 詩森ろば、俳優 林田麻里/李 千鶴で構成されるユニット。この度、3年間にわたり、女性ふたり芝居を連続上演することが発表された。
第一弾はイギリスの劇作家デヴィッド・ヘアーの『The Breath of Life』。今はここにいないある男を巡る、元妻と元愛人による対話劇。辛辣さと孤独と仄かな友情の萌芽。女性なら身に覚えのある不可思議な関係性を余すところなく炙り出す2時間となる。
2年目は女性劇作家の手による今では考えられない理由で精神病院に収監された女性ふたりの何十年にも渡る物語。そして3年目は詩森ろばの書下ろしを上演する。
『The Breath of Life』ものがたり
イギリスのとある島の海岸沿いにあるテラスハウス。
その家の住人であるマデリンの元に、フランシスが訪れる。
専業主婦だったフランシスは現在流行小説家となり、夫の長年の不倫相手だったキャリア・ウーマンのマデリンとの回想録を書きたくて訪れたのだ。
若い新しい恋人ができた夫は、シアトルに行ってしまっており、彼を失った妻と愛人二人の対話が始まる。
演出 詩森ろば コメント
まずはこのふたりの俳優とやると決めてから上演する戯曲を探し、心に深く刺さる2本の戯曲に巡り合った。どちらを上演する? という話し合いから、どうせならどちらもやろう、せっかくだからわたしも書下ろす、と3年間のユニットを組むことにした。その後のことはわからないけれど、まずは3年やってみる。では上演順を決めようと稽古場を取り、読んでみたときの鮮烈さは忘れられない。この三人でカフェに行けば時間を忘れて話し込むのが通例なのだけれど、戯曲のあまりのディープさに、読んだだけなのにヘロヘロになり、終わったあと打合せと称して食事に行ったのに、運ばれてくる美味しい蒸し餃子を食べることさえ億劫で、なんなら半分白目みたいな状況で、まずは『The Breath of Life』をやりましょう、と決めて早々に解散した。林田さんも李さんも、演劇へのがめつさがわたしと似ている、なんなら上回るひとたちで、わたしはその点でいつも負けたくないと思っている。『アンネの日』で初めて組んでもらった時に、ふたりのただならぬ相性を感じ、ユニット名はふたりの対話にオマケのわたし、という意味を込めてdialogue+1とした。あんなヘロヘロで黙々と蒸し餃子を食べながら決めた戯曲が、いまは若い女のところに行ってしまった男を巡る元愛人と元妻の対話劇というのも我がことながら面白い。閑散とした避暑地の島で繰り広げられる、あからさまにもほどがある女性たちの本音。痛々しくて、でも見覚えがあって、客席できっとあなたも身悶える。わたしたちの3年間のはじまりにぜひお立合いください。