刷毛の跡までリアルに 埴輪ミニチュア
有年楢原の赤穂市立有年考古館で、地元の古墳で出土した埴輪を基にした埴輪マスコットが同館オリジナルグッズとして販売されている。
高さ10センチほどのミニチュアながら、表面の線刻や刷毛の跡など細部まで学芸員が監修した本物志向だ。
同館から東約350メートルの辺りにある蟻無山古墳群で見つかった埴輪をモチーフに▽円筒埴輪(1500円)▽馬形埴輪(2000円)▽水鳥形埴輪(1800円)の3種。いずれも実物の5分の1程度の大きさで、水鳥形は他の古墳で出土したものも参考にデザインを決定した。
有年横尾の陶芸作家、山中舜之さん(33)=工房槿(むくげ)=が粘土を焼成して製作。初回は各5体ずつ作り、売り切れ次第追加生産する。
監修した市教委文化財課の山中良平学芸員(36)によると、埴輪は製作された年代や場所によって全体的な形やデザインだけでなく、表面についた刷毛筋の向きといった細かい点が異なることがあり、そうした特徴の違いによって埴輪が出土した古墳の築造年代や交流のあった地域を推定する手がかりになるという。
「土器や考古学に興味、関心を持ってもらうためのオリジナルグッズなので、細かいところまでこだわりました」と山中学芸員。蟻無山古墳群では他にも朝顔や舟をかたどった埴輪も出土しており、今後シリーズ化していくことも検討しているという。問い合わせは同館TEL49・3488。