村尾信尚がみる今回の韓国の大統領選
6月3日に韓国の大統領選が投開票される。非常戒厳を出した尹錫悦前大統領の弾劾・罷免を受けた異例の選挙は最大野党・共に民主党の李在明氏が優勢という状況。6月3日の「くにまる食堂（文化放送）」では、関西学院大学教授の村尾信尚が今回の韓国の大統領選について語った。
村尾「今回の韓国の大統領選は意外と日本に対する問題は取り上げられていないんです。いつも革新系の野党は日本に対して厳しいことを言うんですけど、今回はトーンダウンしていると感じます」
邦丸「韓国では光州事件などがあって民衆運動がどんどん広がっていって、この中で勝ち得た大統領選挙ですので、韓国の人たちは日本では考えられないくらい関心を持っています。
また年配の方だけではなく若い世代にもこの辺の教育はしっかりされています。日本と韓国が絶対違うのはここですよね」
村尾「光州事件は今でも映画や文学作品で取り扱っているものが多いです。今回の大統領選は中国とどう接していくのか、あるいはロシアと結びつきを深めている北朝鮮にどう対峙していくのか、ここが大きな争点になるでしょうし、また韓国は格差の問題や少子化、出生率も低く、若者たちは将来不安を抱えています。その中でどういう選択をするのかということが問われてます」
邦丸「共に民主党の李在明氏は日本に友好的な態度を示しているようにも見えますが、このあたりはいかがでしょう？」
村尾「日韓関係を見る限り、改めてソフトパワーの大きさを感じます。韓流ドラマ、BTSなどのアーティストが日本の若者の心を揺さぶっています。若い人たちだけに限ってみると韓国に対する感情は良好だと思います。韓国の人たちの対日感情も若い人レベルでは相当親和が進んでいるとみていて、これは大統領候補も無視できないと思うんですよね」
