瀬戸内タイラバYouTuberが伝授! 「潮なし時」のタイ釣りテクニック!
みなさん、こんにちは。瀬戸内タイラバYouTuberの「つりばか3号」です。
今回は私が長年の経験から学んだ、潮流が弱い状況でのタイラバ釣りのコツについてまとめてみました。潮流がなぜタイラバ釣りに影響するのか? そして、潮流が緩い状況、すなわち「釣りにくいタイミング」でどうやってタイを釣っていくのか? そのあたりについて詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
タイラバ釣りにおいて、潮流が釣果に影響を与える理由
私の経験上、タイラバ釣りで「潮流」が重要な理由はおもに2つあります。
タイの活性への影響
まず1つ目は、潮の流れはタイの活性に関係します。実は、タイって意外と泳ぎ回っておらず、潮上から流れてくるエサを待っているのがほとんどなのです。とくに瀬戸内海のタイは、エサが流れてくるポイントに定位して待つ習性があります。あたかも、「渓流のマス類が川上に頭を向けて定位し、川虫が流れてくるのを待っている」かのようにです。ですから、潮が速い場合は潮流によってエサが流れてくるため、タイの捕食行動が活発になるということです。
潮流があるとエサが流れてくる。その1つにミミイカがいる釣れるエリアの範囲に影響
2つ目の理由は、釣りができる範囲が広がることです。潮流に乗って船が動くことで、より広いエリアを探ることができます。とくに砂地のポイントではタイの群れが点在していることが多いので、広範囲を探ることが釣果UPのために重要となります。
私の経験では、冬~春にかけてはある程度まとまった群れで行動しているため、ポイントを絞り込むことができるものの、初夏~秋のタイは10尾程度の小さい群れで広い範囲を行動していることが多いように感じます。そのため初夏~秋には、潮流が速ければ潮流を利用して広範囲を探ることができ、群れに遭遇する確率が上がるんです。
魚が点在するサンドウェーブなどは広く探れることが有利にな
以上を考えれば、潮が緩いときにタイが釣れにくい理由は明白になります。
潮流が弱いとまずタイの活性が下がります。エサが流れてこないため、タイが捕食モードに入りにくくなるのです。次に、探索範囲が狭まることも大きな要因です。船の移動が少なくなり、タイの群れに遭遇する確率が下がります。とくに広い砂地のポイントではこの影響が顕著に表れます。
潮が緩い状態でタイを釣るための3つの方法
ではどうやって潮が緩いタイミングでタイを釣るのか? 私が実践している潮なし時の攻略法を3つ紹介したいと思います。
潮が流れる場所を探す
1つ目は、潮のある場所を探す方法です。私のメインエリアである瀬戸内海のような島の多い海域では、潮の変化にタイムラグが生じる場所があります。これを利用して、全体的に潮が弱くても局所的に流れているスポットを見つけ出します。
この方法は実行できれば常に活性が高いタイを相手にできるので、ひじょうに効率的なタイラバを展開することができます。ただし、潮が流れているスポットを絞り込むことは経験と知識が必要な高度な技術で、経験の浅い私では成功率は2割程度です。ベテラン漁師さんや遊漁船の船長さんは、かなり的確に潮が動いているスポットを知っているので、やはり経験が必要な方法だと思います。
島がたくさんある海域はどこかに流れているところがある魚探で直接魚を探す
2つ目は、魚群探知機で魚を探す方法です。潮が緩いと魚が少し浮き上がるため、魚群探知機で見つけやすくなります。見つけた魚群に直接タイラバを落とし、リアクションバイトをねらいます。
潮が緩い状態では活性が低いのですが、タイラバがフォールして1回目の巻き上げの際はかなり魚が反応する確率が高めです。通常のタイラバをしていても、船が移動後、初めて落としたときにヒットする経験をした方は多いのではないかと思います。
これは、初めのフォールでタイラバを見つけたタイが着底まで見て追いかけていて、巻き始めでバイトするためだと思っています。活性が低い潮なし時のタイでも、ファーストフォールだけには反応する可能性があるのです。
ただしこの方法では、1回の試行で反応がない場合は先の理由から粘らず、次のポイントに移動することをおすすめします。
潮止まりで浮き上がった魚は魚探に映りやすいピンポイントの地形を釣る
3つ目は、地形を釣る方法です。この方法は2つ目と似ているのですが、2つ目の方法が魚探に映る画像を頼りに釣れるスポットを探すのに対し、こちらは海図を利用して釣るスポットを探します。
詳細な海図を見ると、岩盤や砂の盛り上がりなど、特徴的な地形を確認することができます。このような周りの底質と違う、あるいは海底の凹凸が明確な場所は、タイが集まりやすい条件となります。とくに高松沖では、サンドウェーブと呼ばれる砂の山の頂点付近にタイが集まりやすいと私は考えています。
この方法は魚探に映るタイを探すよりも運任せにならず、効率的に探ることができるのですが、詳細な海底地図が必要となります。私は自作の海底図を使用していますが、海図を作るためのデータ取りと解析に時間がかかるのが難点です。市販の「ニューペック海図」などを活用すれば、同じような方法で釣ることができると思います。
ピンポイントの極端な地形は魚が着きやすいのでランガンしてねらう
潮の流れが緩いときは「ドテラ流し」も有効
風を利用した「ドテラ流し」という方法もあります。これは潮と風の方向が一致する場合に有効で、風で船を流しながら広範囲を探ることができます。ただし、瀬戸内海ではこの条件がそろうことは少ないので注意が必要です。潮と風が逆になってしまうと、船の位置が変わらないため、ほとんど同じ場所を釣ることになってしまいます。
ドテラ流しは潮の流れがあまりない地域で(風がある場合に)有効な方法となります。
「ドテラ流し」で風を利用して船を流すのも有効
船長が魚を探してくれている!?
潮止まりもいつでも釣れる準備を
最後に、遊漁船での釣りについても触れておきたいと思います。ここまでの内容から、潮が緩い時間帯、いわゆる「潮止まり」にタイが釣れにくい理由は理解してもらえたと思います。しかし潮止まりの時間帯であっても、遊漁船の船長は頻繁に船を動かして釣れそうな場所を探しています。潮が止まっている状況でも、船長は一生懸命船を動かしてタイのいるところを見つけようとしてくれているのです。
釣り人は船長のこうした行動を理解し、適切に対応することが重要です。船長が船を動かすたびに素早くタイラバを上げ下ろしし、新しいポイントに着いたらすぐにタイラバを落として釣りを始めましょう。「釣れないから休憩しよう」という考えは避け、常に釣りの準備をしておくことが大切です。
こんなピンポイントにいる魚をねらっているのかも?
潮止まりに釣れたビッグフィッシュ!
潮止まりは釣れない時間帯であることは紛れもない事実です。しかし同時に、大物が釣れるチャンスでもあるのです。なぜか大型の個体は潮止まり前後に釣れることが多いのです。「動いていた潮が緩んだタイミング」「止まっていた潮が動き出すタイミング」そんなビッグフィッシュのタイミングを逃さないためにも、粘り強く対応することが大事だと思います。
これらの方法を参考に、潮なし時でも積極的に攻めてみてください。潮なしで釣ってこそ、真の意味で「タイラバマスター」になれるはずですよ!
#316【高松タイラバ】潮で変えるアフター鯛の攻略パターン!
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レポーター
プロフィール:つりばか3号
瀬戸内海タイラバYouTuberの「つりばか3号」です。名前のとおり瀬戸内海にてマイボートのタイラバをしており、その様子を動画にしてYouTube配信しています。魚探を利用した釣りが得意で、魚探データから海図を作ったりしています。タイラバのノウハウや、魚探の使い方、海底地形と釣れるポイントの関係などについて発信したいと思います。
YouTube:【高松沖タイラバ】つりばか3号のフィッシングドキュメンタリー