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山本譲二「俺はバンドを組みたいんだ!!」活動50周年コンサートに向けた意気込み

YOUNG

“メタル化計画”が話題を呼び、メタル楽曲「言論の自由」をリリースしたことで知られる演歌界の巨匠:山本譲二。そんな彼がシンガーとしてのキャリアの総決算、メタル化計画の締めくくりとして、2025年5月25日に『山本譲二 デビュー50周年記念コンサート ファイナル』を開催する。山本は当コンサートで演歌とメタルの融合を試みようとしているらしい。本当にそんなことができるのか? 本人に直撃してみた。

ゲストの吉幾三は何をしでかすかわからない!

YG:譲二さん、今日は黒い革のコートが決まってますね! まるでブラック・サバスのトニー・アイオミみたいです。

山本譲二:ブラックうんちゃらさんのことはよく知らないけど、それって褒めてくれてるんだよね? ありがとね。ロックの雑誌の人に褒められるのはありがたいですよ。演歌界では俺だけだろうから。

YG:間違いないです。さて、今回は5月25日に行なわれる『山本譲二 デビュー50周年記念コンサート ファイナル』についてうかがいたいと思っています。会場の“ティアラこうとう大ホール”はけっこう大きな箱ですよね。約1,200人収容とか。

山本:大きなところだよ。2階席もあるし。立派なホールです。

YG:今回のライヴは、デビュー50周年記念だけにいろいろな仕掛けを考えてらっしゃるようですね。

山本:ゲストに吉幾三とHATTALLICA(メタリカの公認トリビュート・バンド)が来ることになってます。あくまで予定だけど。

YG:吉さんとHATTALLICAは、昨年リリースされた“J&J feat. HATTALLICA with 長谷川太一”名義のメタル楽曲 「言論の自由」のメンツですね(「言論の自由」は2024年発売のシングル『妻よ…ありがとう』に収録)。

山本:「言論の自由」、やれたらいいんだけどね。でも吉がどういうつもりなのか、俺にはさっぱりわからないんです。アイツのことだから、楽屋で飲んだくれてステージに上がって来ないかもしれない。

YG:いや、それはさすがにないですよね? コンサートのポスターや新聞広告には吉幾三さんの姿がしっかり写っていましたし。

山本:ポスターを作るとき、吉に「写真を入れていいか?」と尋ねたんです。そしたらアイツ、「俺の目のところに黒いマジックで線を引いておいてくれ」とかワケのわからないことを言ってたな…。ともあれ、状況が状況なので、ヤツはステージに上げますよ。そうでないと困る(笑)。

YG:つまり、ほぼフル・メンバーで「言論の自由」を披露できるかもしれない?

山本:自分の中ではそのつもりでいますけどね。あとは吉が俺の話をちゃんと聞いてくれるかどうかだなぁ。

メタルで結ばれたHATTALLICAとの絆

YG:一方、HATTALLICAとは「言論の自由」の後も良好な関係を築いているそうですね。

山本:うん。一回、飲みに行ったよ。あとライヴも観させてもらいましたね。

YG:HATTALLICAが出演した、2024年11月30日の『LEGEND OF ROCK PREMIUM supported by MUSIC LIFE CLUB』(EX THEATER ROPPONGIで開催)にも行かれたとか。

山本:そうそう。でも会場で大変なことが起きちゃってさ。ライヴ中に司会の方が、「今日は会場に山本譲二さんがいらっしゃってます!」って言っちゃったの。言わなくていいのに。そのとき俺は2階席にいたんだけど、仕方がないからスクッと立ち上がってメタルのポーズ(メロイック・サイン)を掲げましたよ。そしたら会場が「ウォーッ!」って盛り上がっちゃってね。「なんだ、こっちの業界でも俺の名前が浸透してるじゃん」って、ちょっといい気になっちゃった。

YG:HATTALLICAは譲二さんが昨年末に行ったクリスマス・ディナー・ショウにもゲスト出演していたそうですね。HATTALLICAの演奏をバックに譲二さんが数曲歌ったという噂を聞きましたよ。

山本:ヤツらに「クリスマス・ディナー・ショウで、俺の楽曲をメタル風にしてくれないか?」って頼んだら、本当にやってくれてね。俺の演歌の曲が“ギャギャギャーッ! ゴゴゴーッ!”ってとんでもないアレンジに生まれ変わっていた。「言論の自由」のときもそう思ったけど、アイツらは本当に才能があるね。俺の予想の斜め上を行っていましたよ。結局、クリスマス・ディナー・ショウでは4曲ほどHATTALLICAと一緒に演奏しました。

YG:今回のライヴでも、同じ風景が見られる?

山本:クリスマス・ディナー・ショウ同様、やっても数曲だろうね。ほら、俺は基本的に演歌の歌手ですから。会場には今まで応援してくれて来た演歌のファンもたくさん来る。そういう人々に向けて、しっかり演歌は歌います。自分の代表曲に関してはオリジナルに近い正統なアレンジでやろうと思っていますよ。ファンのみなさんの望みは叶えたいですから。

中には「メタルなんかやらないで演歌だけやっていればいいのに」という方もいるでしょう。でも、今回の50周年記念コンサート・ファイナルだけは許してくださいよ。俺の名前はメタル界にも浸透しつつあるし、そこで掴んだ新しいお客さんもいる。そして、メタルのお陰でHATTALLICAという仲間にも出会えた。「50周年で新しく生まれ変わった俺の姿も見てください!」「こんな音楽もありますけど、いかがですか?」って提案したい気持ちもある。

YG:つまり今回のライヴは、譲二さんが培ってきた演歌の心とメタルの魂が融合した、キャリア総決算的な内容になる?

山本:だろうね。少なくとも、今までの演歌界にはなかったような内容になるでしょう。もしかしたら、吉やHATTALLICA以外の人もゲスト出演するかもしれないし。

YG:それは気になりますね! 我々が想像もつかないような展開があるかもしれない…!?

山本:まあまあ、焦りなさんなって。今、マネージャーががんばってるから、そのうち何か発表があるかもしれないね。首を長くして待っていてくださいよ。

マイ・ニュー・ギアはゴダン製

YG:話は変わりますが、最近、新しいギターを購入されたそうですね? 機種はゴダンの“Multiac Grand Concert Deluxe”。カナダ製でナイロン弦のエレガットですね。

山本:実は今回のコンサート ファイナルでは、ギターの弾き語りのコーナーを設けようと思っていて。それ用にギターを買いに行ったんです。

YG:それが今年の1月だそうですね。渋谷の楽器店に行ったとか?

山本:そうそう。どこだっけ? シブイケだっけ?

マネージャー氏:イケシブ(IKEBE SHIBUYA/池部楽器店 渋谷旗艦店)です。

山本:そもそもはマーティンのギターを買おうと思ってたんですよ。何百万かの。でも、高いギターはおいそれと練習なんかに使えないじゃない? それで、あくまで練習用としてこのギターを買ったんです。ところが、これがすごく弾きやすくてね。ボディも抱えやすいし、ネックも指板も俺にバッチリ合っていた。だから今回のコンサート ファイナルでもこれで弾き語りをしようと思ってます。

YG:ちなみにこの“Multiac Grand Concert Deluxe”はマイケル・ジャクソン、ヴィンス・ニール、ビリー・アイドルなどとの活動でも知られるアメリカのギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスも使用していますよ。

山本:そのスティーヴさんはよく知らねえけど、すごいギタリストなんだろうね。彼とお揃いだなんて、いい偶然だな。

YG:運命かもしれませんね。ところで最近の譲二さん、ギターの弾き語りをするケースが増えていません?

山本:そうね。俺は売れる前、スナックやキャバレーでギターの弾き語りをしていた人間なんですけど、それを知らない人がけっこう多い。知り合いからは「えっ? 譲二さんギター弾けたんですか?」「能ある鷹が爪を隠し過ぎですよ」なんて言われたりしてね。

昨年(2024年)8月に黒柳徹子さんの『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演させてもらったときに、弾き語りをやらせていただいたんです。それから「譲二さん、ギターを弾いてください!」っていう声がいろんなところで増えていって。

そんな流れもあって、今、USENでやってるインターネット・ラジオ番組『元気はつらつ歌謡曲 “ジョージのぶち好きやけー!”』では、自分がギターを弾いてゲストの方に歌ってもらうコーナーをやってるの。これ、毎週やってるんですよ。毎回、収録のために練習しないといけないからけっこう大変なんだよなぁ(笑)。

インターネット・ラジオ番組『元気はつらつ歌謡曲 “ジョージのぶち好きやけー!”』の収録模様。この日のゲストは、歌手の北山たけしさんと秋山涼子さん。

俺はバンドが組みたかった!

YG:これを機に譲二さんがエレクトリック・ギターを弾き始めたりしたら、世間に衝撃が走ると思いますよ。

山本:面白いことを言うねぇ〜。

YG:譲二さん、レスポールとかめちゃくちゃ似合う気がするんですが。

山本:レスなんたらって、どういうの?(レスポールの写真を見て)おお、悪くないねぇ。いい音しそうじゃない?

YG:その流れで、“「みちのく忘れ雪」ギター弾いてみたコンテスト”に出場していたギタリスト達を集めてライヴができたら最高ですね!

山本:面白い企画だな。でも、それって需要あんの?

YG:ありますよ! メタルのファンはけっこう保守的で厳しい方もいますが、「言論の自由」はかなり好意的に受け入れられていましたから。譲二さん、吉さんの“本気”が伝わったんだと思います。

山本:そう言ってくれると本当にありがたいね。5月25日の50周年記念コンサート ファイナルは“山本譲二メタル化計画”の集大成でもある。だからここでメタル化計画は一旦終わることになると思うんだけど、俺個人としてはまだまだ続けたいの。なんなら自分のバンドを組みたいっていう夢もある。今、初めて言いましたけど。

YG:マジですか!?

山本:俺の原点はザ・ビートルズなんですよ。高校1年生の頃に聴いて心を打たれて。当時、俺の周りにはバンドを作ってキャッキャ言われてるようなヤツらもいた。彼らが本当にうらやましくてね。でも、その頃の俺は高校球児だから、野球の練習をしなければならなかった。それはそれで楽しかったんだけど、バンドっていう夢は諦めちゃったんです。

それが70歳を超えて、HATTALLICAやヤング・ギターさんと巡り会えて、改めてギターをやろうって思ったし、エレキ・ギターをやってみたいという欲も出てきた。それならバンドやりたいな、ってなるのが普通でしょう? バンドをやるのはこれからの目標、夢のひとつです。男たるもの、夢を持ってそれを実現するためにがんばることは、すごく大事なことですから。

YG:おっしゃるとおりです。

山本:そんなわけで読者のみなさん、よかったら5月25日に行なわれる『山本譲二 デビュー50周年記念コンサートファイナル』にぜひいらしてください。俺の50周年のファイナルですから、絶対にみなさんをびっくりさせるようなことをやりますんで。メタルの方々も、演歌好きのご両親を誘って来ていただけると嬉しいですね。応援よろしくお願いします!

取材後、スタジオの空き時間を利用して山本譲二はギターの練習を始めた。「みちのくひとり旅」を囁くように弾き語り、映画「ゴッドファーザー 愛のテーマ」などをつま弾いていく。時間を忘れ没頭する様は、まさに“永遠のギター少年”だった。『デビュー50周年記念コンサート ファイナル』でのジョージの進化が今から楽しみだ!

山本譲二 使用ギター:Multiac Grand Concert Delux

ゴタンの“Multiac”シリーズはエレクトリックとアコースティックの融合を追求したいギターで、その中でもこの“Multiac Grand Concert Deluxe”はクラシック・ギターの演奏性と優れたライン・サウンドを備えたモデル。ソリッド・シダー・トップ&チェンバード構造のボディが温かく豊かな響きを生み出し、広めの指板とエルゴノミックなデザインによりクラシック奏法にも最適。LRバッグス製のカスタム・プリアンプを搭載し、レコーディングやライヴでも高い表現力を発揮するプロ仕様の1本だ。

山本譲二デビュー50周年記念コンサート ファイナル 概要

日程:2025年5月25日(日)
開場 14:30 / 開演 15:00
会場:ティアラこうとう 大ホール(江東公会堂)
ゲスト:吉幾三、HATTALLICA

山口県下関が生んだ一人の甲子園球児は歌手への一歩を踏み出した。鳴かず飛ばずの苦節時代を乗り越え「みちのくひとり旅」が大ヒット。デビュー50周年を迎え行き着く旅の終りは…盟友・吉幾三や、昨年話題を呼んだ“山本譲二メタル化計画”から実現したメタル・バンド・メンバーもゲスト出演。男・山本譲二の50周年の物語をお見逃しなく!

詳細・お問い合わせ
山本譲二デビュー50周年記念コンサート ファイナル | ティアラこうとう | 公益財団法人 江東区文化コミュニティ財団

山本譲二の冠番組『USEN C-42ch 元気はつらつ歌謡曲 “ジョージのぶち好きやけー!”』
山本譲二の「ジョージのぶち好きやけー!」-USENがお届けするオリジナル番組! | USENの音楽情報サイト「encore(アンコール)」

山本譲二 公式Xアカウント
@georgepromotion

(インタビュー、文&写真●尾谷幸憲 Yukinori Otani)

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