何度でも生まれ変われる"夢の仕事"?! ポン・ジュノ監督が描く逆襲エンターテインメント|ミッキー17
第92回アカデミー賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督最新作『ミッキー17』。3月28日(金)の公開に先駆け試写会に参加したSASARU movie編集部が映画の見どころをレビューします。
主演は『TENET テネット』(20)『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(05)のロバート・パティンソン。何度も死んでは蘇生させられ、どん底の「使い捨てワーカー」であるミッキーが、ブラックすぎる企業の権力者への逆襲を描くエンターテイメント作品です。誰も予測できないミッキーの反撃に最後まで目が離せない!
史上最低のブラック企業にミッキーが立ち向かう 『ミッキー17』の気になるストーリー
失敗だらけの人生を送ってきた主人公・ミッキーが申し込んだのは、何度でも生まれ変われる“夢の仕事”。契約書をよく読まずにサインをしてしまいますが、その内容は身勝手な権力者たちの命令に従って危険な任務を遂行し、幾度も死んでは生き返ることを繰り返す、まさにどん底の“死にゲー”。
権力者に搾取され続ける日々を送るミッキーだったが、ある日手違いによりミッキーの前に彼自身のコピーが現れる。事態は一変…そこから始まる予想を超える彼の反撃とは!?
独特な世界観とスリル満点な展開!予測不能なストーリーは最後まで目が離せない
人生ダメダメな主人公ミッキーが放り込まれた舞台は、人類が植民地化のために降り立った前人未到の氷の惑星。過酷な環境下で、死ぬと生き返るを何度も繰り返し、超がつくブラック企業の上司に「使い捨てワーカー」として命令され続ける。
「使い捨てワーカー」を使って惑星を植民地化するという設定や、生き返らせる方法「リプリント」など世界観がユニーク!ブラックコメディやホラー要素が混在したスリリングなストーリー展開はもちろん、視覚的インパクトを存分に楽しめるSF作品です。
リプリント(クローン)されるごとに、記憶を継承し同じ外見を持ちながらも微妙に変わっていく性格を演じ分けるロバート・パティンソンにも注目!どん底人生から、諸悪の根源である権力者に逆襲する後半のミッキーは、最初の頃の彼からは想像もつかない程。その変化もこの映画の見どころのひとつです。
SFの世界の中にある、現代の社会に対する風刺
ストーリー展開の中には、社会風刺を反映している箇所も多々あります。ブラック企業ゆえの過酷な労働環境、労働者の使い捨て、格差社会、貧困の差、独裁政権のように支配する権力者など、階級社会や政治の皮肉が、ポン・ジュノ監督ならではの描き方で散りばめられています。
社会的な問題をブラックコメディのように表現し、ただのSFやコメディではない一面にも注目を!最初から最後まで独創的でスリリングな世界に引き込まれ、気づけば夢中になってしまう作品です。本作の魅力をぜひ劇場で体感してみて。
映画『ミッキー17』基本情報
■公開:3月28日(金)公開
■監督・脚本:ポン・ジュノ 『パラサイト 半地下の家族』
■出演:ロバート・パティンソン『TENET テネット』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』、ナオミ・アッキー『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』、スティーブン・ユァン『NOPE/ノープ』、トニ・コレット『ヘレディタリー/継承』(アカデミー賞助演女優賞ノミネート)、マーク・ラファロ『アベンジャーズ/エンドゲーム』
■配給:ワーナー・ブラザース映画
■オフィシャルサイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/mickey17/