よく、すぐに分かるような嘘をつく子の対応方法は?サポートの例をご紹介!【発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK】
よく、すぐに分かるような嘘をつく
大人にはすぐばれるような嘘をついて、周囲を困惑させます。他愛のないものから園のルールに反するようなものまで、内容もさまざまです。
例えば、こんな状況
園庭で、数人のおともだちと砂遊びをしていたDちゃん。「私、明日アメリカにお引越しするの!」と話していますが、もちろんそんな事実はありません。
あなたならどうする?
1.「本当だったら、悲しくなっちゃうな」と伝える
2.「嘘をつくのは泥棒の始まりだよ」と指導する
【解説】おすすめは1!
「このまま成長して嘘つきになったら大変!」と思い、激しい口調で叱ってしまうケースがあるかもしれません。しかし、幼い子どもの嘘は、大人のそれとは性質が異なることも少なくないのです。真に受けて厳しく対応したり、真偽を問いただしたりすることよりも、適切な対応がないか考えてみましょう。
考えられる背景
「嘘じゃないよ、私にとっては本当なんだ!」
大人にとっては単なる「嘘」にすぎなくても、その子なりの願望や意見を「創造」した結果であり、悪意がないケースが多く見られます。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
深刻に受け止めすぎない姿勢も大切
その子なりの物事の見方ができるようになってきて、大人とは違う意見を自己主張できるくらいに成長してきたからこそ、嘘が言えるようになったという側面もあります。
発達過程の視点でいえば、プラスにとらえることも十分に可能だといえるでしょう。嘘をついたことに過剰に反応して厳しく追及するよりも、いい側面に目を向けて、軽く受け流すくらいで十分なことが多いのです。
考えられる背景
「もっとみんなにお話を聞いてもらいたいな」
周囲に注目してもらいたい、誰かの期待にこたえたい、叱られたくないといった思いがあって、事実と異なることを話している可能性があります。
こんな声かけ&サポートをしてみよう!
「嘘をつかれると悲しい」と伝えてみて
嘘の内容が受け流せない(容認できない)ようなものだったり、周囲が困るようなものだったりする場合もあるでしょう。
「嘘はいけないよ」とはっきり伝える方法もありますが、「先生は嘘をつかれると悲しいな」というように、受け止める側の気持ちを伝えることが効果的な場合も。「大好きな先生を悲しませたくない」という思いが、自らの言動を振り返るきっかけになるからです。
ほかにもたくさん!サポート声かけ例
・「そうなんだね」
・「〇〇ちゃんはそう思ったんだね」
・「嘘のお話を聞くと涙が出ちゃうな」
・「本当だったらみんな悲しいよ」
【出典】『発達障害の専門家が教える 保育で役立つ気になる子のサポートBOOK』著:湯汲英史