福岡県は竹炭の一大生産地。国内で生産する竹炭の過半数は福岡県産!
古来、日本人にとって身近な存在である竹を炭素化させたのが、竹炭です。竹炭には、燃料用だけでなく、調湿や脱臭・空気浄化、水質浄化・ミネラル放出、食用などに幅広く用いられています。そして、日本国内で生産している竹炭の過半数は、福岡県産でした。
竹炭の国内生産量の圧倒的な第1位は福岡県。鳥取県、熊本県が続く
【 竹炭の国内生産量 】
◎第1位:福岡県225.4トン(国内シェア52.94%)
◎第2位:鳥取県98.2トン(同23.06%)
◎第3位:熊本県7.1トン(同1.67%)
◎第4位:高知県5.5トン(同1.29%)
◎第5位:山口県4.7トン(同1.10%)
農林水産省『令和4年特用林産基礎資料』によると、2020年に日本国内で生産された竹炭の生産量は425万8000トンだった。
このうち、過半数の52.94%となる225万4000トンは福岡県で生産されていた。
福岡県において、竹炭の生産が多い理由の一つとして、竹林面積の広さが挙げられる。
林野庁『竹の利活用推進に向けて』(2018年10月)によると、日本の森林面積2508万ヘクタールのうち、竹林面積は全森林の0.6%となる約16万ヘクタールだった。
竹林は、九州や中国地方などの西日本に多く分布しており、福岡県の竹林面積1万2900ヘクタールは、鹿児島県、大分県に次いで第3位だった。
また、福岡県では長年、竹炭製造の伝統や技術が受け継がれている。
さらに福岡市内に竹炭専門メーカーがあり、地元大学の研究室との共同研究で炭を生かした健康資材の開発・普及に取り組んでいる点も大きいものと考えられる。
出所:農林水産省『令和4年特用林産基礎資料』
竹は世界に1400種類以上、日本で約130種類
『古事記』や『竹取物語』などにも登場して古来、日本人にとって身近な植物である竹は、イネ科タケ亜科(タケ類およびササ類)に属する常緑性の多年生植物だ。
タケ亜科植物は、全世界に1400種類以上があるといわれており、うち日本では約130種類とされている。
日本を代表する竹のうち、マダケ(真竹、苦竹)とハチク(淡竹、甘竹)は自生種なのに対して、モウソウチク(孟宗竹)は中国原産で1736年に鹿児島へ伝来したとされる。
これらの竹を人為的に炭化させたものが竹炭だ。
木炭が主に燃料炭として使われるのに対して、カリウムやナトリウムなどのミネラル成分に富んだ竹炭は多孔質による調湿や脱臭・空気浄化、水質浄化・ミネラル放出、さらに食用などにも利用されている。
また、土壌改良剤として用いられることも多い。
竹炭は、通電性も高く、発明王のエジソンが最初に発明した電球では、日本製の竹フィラメントを用いている。
参照サイト
農林水産省『令和4年特用林産基礎資料』
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00501004&tstat=000001021191&cycle=7&tclass1=000001021192&tclass2=000001208720&tclass3val=0
林野庁『竹の利活用推進に向けて』(2018年10月)
https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take-riyou/attach/pdf/index-3.pdf