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「アメリカの自国優先傾向はトランプ後も続く」元防衛官僚の考えを大竹まことが聞く

文化放送

お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 5月12日の放送は、かもがわ出版から発売された『9条論に依存しない9条論 13条論で世代間ギャップを乗り越える』を伊藤真氏、中野晃一氏と共著した、元防衛官僚で『自衛隊を活かす:21世紀の憲法と防衛を考える会』代表の柳澤協二氏を招き、アメリカ外交などについて伺った。

大竹「私も、もうそろそろいい歳になってまいりました。柳澤さんも」

柳澤「私はもっといい歳ですから」

大竹「でも、ご発言を続けていらっしゃいます」

柳澤「もうこの辺で打ち止めにしなきゃいかんと思いながらも、トランプさんが出てきたりとかいろんなことがあると、ちょっと死んでる暇ないぞっていう感じになってしまって。余生を女房と2人で楽しく過ごしたいんですけれども、そうしてられない。子どもに言わせると、お父さん、ボケ防止になっていいじゃないかって言われて、あ、それもそうかなと思ったりしてるんですけどね」

大竹「そうですか。今回は『9条論に依存しない9条論』というご本の紹介させていただきながら、いろんなことを伺いたいと思います。今お話に出てましたけれども、最近アメリカはトランプ大統領の過激な発言が目立っております。民主主義の国なのか、これは、と思うような発言をしておりますが、この点に関してどんな風にお考えですか?」

柳澤「トランプさんって何だろうと。一応ラジオですから“さん”を付けちゃいますけども。去年の秋頃からずっと、どう理解したらいいのか悩んでたんですけど、最近、自分なりに整理したところを申し上げると、要は、彼は今までのアメリカのやり方、つまり、自由貿易を推進して、自由主義の旗頭になって、民主主義を広めて、そのためには世界に軍隊を送って、というやり方で金をどんどんむしり取られてたじゃないかと。そういう世界がそもそも不公平だから、そこでアメリカの富が奪われて普通のアメリカ人であるところの白人労働者層が迷惑をしていると。だから、彼の言うところの民主主義というのは、要は多数決と言いながら半分弱になった白人の利益を少数者保護の名のもとに逆差別が働いてるような。

それと同時に経済でも安全保障でも、要はトランプさんの目標というのはアメリカが奪われた富を取り戻すことなんですね。そのためには安全保障だろうが貿易だろうが、もっと各国から取り返すぞということになるわけですね。一番お金を使う最たるものが、よその国を守るための戦争ですから、こういうものはしないと彼は直接には言ってないけれど、本当に戦争嫌いなんだなってことはわかるんですね。だから、そういうメッセージがどんどん出てくる。そういう時代になってきた。

私も防衛官僚の時代は、日本はやはり自由とか民主主義を守りたいねと、しかし日本にできることには限界がある。けれども足りないところは日本の防衛も含めてアメリカが何とかしてくれる。そういうことを前提に日本の政策を考えてきたんだけど、その後ろ盾のアメリカが、もう俺はそんなものを知らないと言い出してるということですね。

じゃどうするんだという時に、足りない分は日本が自前で何とかできるのか、特に軍事的にはそんな能力はないわけですね。では軍事力ではなくて、日本のできる範囲で何をしてたらいいのかということが、アメリカを離れて今、我々に問われている、そういう時代なんだろう。

だからそこで私の持論は、とにかく戦争だけはしちゃいかんというところが結論なんですけれど、そのためにどうすればいいのか、軍事だけでやれないんだったら、本気になって外交を考えてみようじゃないかと、そういうところにたどり着くわけですが、いずれにしてもトランプさんっていうのはそういう発想の人で、そんなの2年、4年我慢すればいいやと思うフシもあるが、しかし、たぶん、アメリカが自国優先の発想になっている傾向は、トランプさんのあとも続くんだろうと。

その意味で、今、世界の大きな構造変化が出てきてる。そういう時代だから、日本もアメリカに任せればいいやという発想をとにかく捨てて、自分の頭で考えていかなきゃいけない。だから、死んでる場合じゃないことになっちゃうわけです」

大竹「民主主義を守ろうとしつつ、世界の警察というかいろんなところに軍を派遣して、それも世界が安定する条件の中にはあったんでしょうかね」

柳澤「我々はそう思っていて、そして私が現役の頃のいろんな政策も、アメリカにどう協力するかということが一番大きなテーマであったわけですね。だから、そういう発想が成り立たなくなっちゃってる」

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